シリーズ <第116回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

一ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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ウスベニイタチタケ
2013年 4月 14日(日)

大和民俗公園

奈良県大和郡山市
 「薄紅」・・・と聞くとつい、さだまさしの「秋桜(コスモス)」が思い浮かぶが、本種はどうも色のイメージがかなり違う。
 この日は交野市の「かいがけ道」観察会だったが、解散後の帰途でこの公園のアミガサタケが気になって立ち寄ってみた。ところがまだ早過ぎたのか見付けられず、同じソメイヨシノの樹下で本種を撮った。
 これを見付けたのは私ではない。中学生になったばかりのM君で、大のきのこファンであり、当HPの熱心な読者でもある。彼自身もブログを立ち上げ、精力的に更新を続けているようだ。
 きのこに興味を持つ小中学生は、男女を問わず増えてきているように感じる。彼らの柔軟な頭脳にかかれば、難解極まる「きのこ界」も楽しくて面白い世界なのだろう。さらに視野を広げて自然を見て欲しい。 
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ハルシメジ(ウメ型)
2013年 4月 25日(木)

大和民俗公園

奈良県大和郡山市
 もうアミガサタケが出ているだろうと病院帰りのこの日もしつこくチェックしたが、幼菌の1本も見えない。
 それなら園内の梅園でアレを探そう・・・と、30本ほどもあるウメの樹下を丁寧に探した。しかし、残念ながらここでもまた1本も見えない。
 今日は空振りかと思いながら、広い芝生広場を横切った。するとその先に数本のウメの木があった。樹下は雑草が茂ってなかなかいい雰囲気だ。一本ずつチェックして最後の大きな木の根元で、やっとこの2本を見付けた。※後日ウメではなくハナモモと知った。
 ウメやモモの樹下に出るタイプを「ウメ型」、サクラ、ケヤキ、ノイバラなどに出るものを「サクラ型」とする図鑑や、ウメハルシメジとサクラハルシメジ(ノイバラハルシメジ)、中にはA型・B型などとしている図鑑もある。どちらも食用になるらしいが、同属には有毒種も多いので同定は慎重に。 戻る

ピンタケ
2013年 4月 28日(日)

神野山

奈良県山添村
  ちょうど1年前、この場所で初めて本種を見付けて、本命はカンムリタケだったが色も似ていてこの方が珍しいのでは・・・と、嬉しかったことを覚えている。その時も本コーナーに登場したが、今回はより水辺の表現ができたので、再度載せることにした。
 まだこの時季は被写体が乏しく、翌日の「ドキッと塾」撮影会のために遠路はるばる神奈川県から駆けつけてくれたUさん夫妻を案内したものの、見付かるのはアクニオイタケばかり。互いの近況をのんびりと話し合えたことは、得がたい時間だったと思う。
 まさに水温む頃で、日差しもそよ吹く風もきわめて心地よい。いくつかの群生をモデルに水辺の環境を写し込んだが、水面すれすれに構えるには手を流れの中に入れる方が安定する。まだ少し冷たさを感じる水温だが、しっかりとした季節の移ろいを体感した撮影だった 
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