シリーズ <第122回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

一ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

9月   MVPtop   11月

カラカサタケ
ツバの直径約3.5センチ
 今年2回目の大台ヶ原行きは、雨の中での撮影となった。きのこは少なかったが、名前の分からない紫色のチチタケ属や、ミヤマヒメヒラタケに似た小型菌などが興味深かった。
 雨は止みそうになく風も冷たいので、昼前に現地を離れることにした。行き交う車が少ないので、ゆっくり走りながら視線を走らせていると、道路脇の2本のカラカサタケが目に飛び込んできた。深い森の中とは言え、よく昨夜からの強い風雨に耐えられたものだ。
 早速、車を停めて撮影を始めたが、2本ともややピークを過ぎた成菌だった。長い筒状の柄の上部には、可動性のツバがある・・・と、図鑑でよく目にする特徴だが、ツバの構造はなかなか複雑で下面は黒っぽい色を持つ。
 詳しく観察するうちに、ヒダをバックに面白い絵が撮れた。 戻る
2013年10月5日(土)

大台ヶ原

奈良県上北山村

オリーブサラタケ
(アレウリナ・イマイイ)
直径約8ミリ
 「あれ売りな、今いい」・・・今が売り時だと言っているような名前、こんな覚え方をしたのは私だけではあるまい。そうやって、やっと覚えた種名だが、最近これに標準和名が付いた。「オリーブサラタケ」だ。この日HPの「きのこ探して」に掲載したところ、神戸の幸徳氏からメールが届き教えていただいた。名前から直感的にイメージが結びつき、なおかつ名前が短いというのは誠に喜ばしく大歓迎だ。
 直径は3センチくらいまでに成長するようだが、この日見付けたのは8ミリほどの小さなものだった。目一杯のクローズアップ撮影をすると、光沢のある子嚢面に頭上の樹々が映り込んだ。まるで水をたたえたような様子は、本種の幼菌時に見られる特徴のようだ。
 小型なのであまり目に留まらないが、水分の多い土を好むようだ。次に見付けた時はすんなり和名で呼べる・・・かな?    戻る
2013年10月 6日(日)

くろんど園地

大阪府交野市

シワタケ
直径約8ミリ
 一度、琵琶湖の西岸、比良山系の辺りに脚を伸ばしたいと思っていたが、なかなかチャンスがなかった。この日も台風27号の影響があってダメかと思ったが、進路や速度が変わって好転したので早朝出発で「びわ湖バレイ」に向かうことにした。
 ところが、現地に着いてみると上空は風が残っていて、ロープウェイは運休になっていた。仕方なく付近の山麓を彷徨った。
 強風で倒れたらしいマツの枯木に、シワタケの幼菌がたくさん出ていた。よく見ると円盤状になった個体には、ほんのりサーモンピンクに色づいたシワができかけていた。やはりどんな種類でも幼菌はあどけなさがあるものだと感心したが、ひょっとして一般的にはどう見えるのだろうと思った。可愛い表情だと思うのだが・・・。
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2013年10月26日(土)

比良山東麓

滋賀県大津市

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