シリーズ <第124回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

一ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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アシナガタケ
2013年12月8日(日)

神野山

奈良県山添村
 いよいよ2013年も残すところあとわずか。今年の冬はかなり本格的で寒さが厳しいらしい。きのこを追いかける者にとっては少々辛い状況で、出かける際には邪念を払って「カラ元気」が必要になる。
 行く先をこの場所に決めた時から、ニガクリタケとアシナガタケは有るだろうと予想していた。・・・いや、予想と言うより「予定」の方が近い。
 そして予定通り、広い範囲で本種が見られた。カサが小さくて地味な色なのでなかなか目に留まらないが、しゃがんで視線を低くしてみると、落ち葉の間から柄を伸ばしているのを見付けられる。
 いつもなら背景に乾いた冬景色を入れて撮るのだが、今回は本種らしく落ち葉に囲まれた様子を捉えてみた。カサカサと音が聞こえそうな冷たい空気を感じてもらえれば、カラ元気で出かけた甲斐があり嬉しい。戻る

ムラサキゴムタケ  冬になると何もかもが無彩色のようになって、撮影をしていても楽しさが減少する。色とりどりのきのこがあるのだから、冬になってもなんとかカラフルな種類に頑張ってもらいたいものだ。
 そんな中、小さいながらも頑張っているのがこのムラサキゴムタケで、積み上げた間伐材や倒木を丁寧に探していると、しっとりとしたきれいな紫色を見せてくれる。
 初めは個々の直径が2〜3ミリという小さな粒状の円盤だが、密集して成長するとこのように波打ってひしめき合う姿も見られる。雨や雪の後だと子実体に厚みもあって、なかなかになまめかしくもある。
 キクラゲの仲間のような雰囲気を持っているが、子嚢の中に胞子を作る子嚢菌の仲間で、円盤の表面から胞子を噴出する。 戻る
2013年12月22日(日)

矢田山子どもの森

奈良県大和郡山市

スミゾメキヤマタケ
2013年12月29日(日)

大和民俗公園

奈良県大和郡山市
 冷たい風が吹く中を被写体求めて歩いたが、マツ林に出るいつもの顔ぶれしか見付からなかった。
 池の周囲を歩いて尾根筋に出ようとした時、枯葉が積もる上に真っ黒く朽ちたようなカサが見えた。近づいて枯葉を除いてみると、柄の下部に黄色い繊維紋が現れた。この公園で時どき見かけるスミゾメキヤマタケだ。
 いつものようにレフ板を効かせてローアングルを撮ると、柄のグラデーションが美しく、ヒダにも黒くなったまだら模様が見えて、どことなく妖しげな雰囲気も感じられる。
 うっかりピントの浅い写真しか撮らなかったので、尾根筋を回って舞い戻り、もう一度絞り込んで撮り直した。
 どんな季節でもきのこは「一期一会」だが、特にこの季節では他に期待できないので、いいモデルには「一種入魂」の執着心が必要になる。戻る

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