シリーズ <第125回> | 竹 しんじ |
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自選 《月間MVP展》 <<<<< 2014年 1月 >>>>> |
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO |
一ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。
12月 MVPtop 2月
ホウネンタケ 全長約40センチ |
私が最も早く覚えた硬質菌・・・いわゆるサルノコシカケの仲間が本種だった。「神奈川キノコの会」に入会した年の野外勉強会で、先輩会員が次々に硬質菌の名前を挙げていくのが、とても不思議だったことを思い出す。どこで見分けるのだろう?・・・と。 材から剥がしやすいこと、管孔の面が紫色を帯びること、そして、愉快だったのが「軽い」ということ。丁寧に見分け方を教えてもらい、まずはホウネンタケが同定できるようになった。 「絵になるきのこ写真」を目指していた私は、それまで硬質菌には見向きもしなかったが、いくつか覚え始めると同定できることが楽しくなる。そして、写真のモデルとしてもなかなか捨てたものではないことを知ることができた。おかげで、現在「GALLERY」には7種類ものサルノコシカケ科が入っている。 戻る |
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2014年 1月 4日(土) 矢田寺へんろみち 奈良県大和郡山市 |
アラゲカワラタケ 直径約7センチ |
環紋に沿って長短の白い毛が、まるでビロードのように密生して輝いている。本種のとても新鮮な群生に出会ったが、はたしてこの密毛は何のためだろう? きのこのカサの表面には、粘性のあるもの、平滑なもの、毛むくじゃらなものなど、様々な面質がある。きっとそれぞれに、のっぴきならぬ理由があっての進化に違いない。最大の目的である胞子の拡散を果たす前に、本体をムシャムシャと食べてしまうにっくき虫どもを追い払うためだろうか。あるいは本種などの密毛は、雨滴を弾いて本体の腐敗を防いでいるようにも思える。 いずれにしても、本種やカイガラタケ、オオチリメンタケ、ミダレアミタケなど、ビロード状の表面はすべすべととても手触りが良く、かつ同定の際の強い手がかりにもなってくれる。 戻る |
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2014年 1月25日(土) 上野森林公園 三重県伊賀市 |
ハカワラタケ? |
倒木や間伐材などを積み上げた所は、きのこの少ないこの時季の格好の観察ポイントになる。この日もキクラゲの仲間やスエヒロタケ、ネンドタケなど、数種のきのこを撮ることができた。 その中で1種、見慣れない白い背着菌があった。広葉樹(ヤマザクラ?)の樹皮を覆うように白い管孔が広がっていた。初め、針葉樹に生えるヒメシロカイメンタケに似ているらしい、ザイモクタケという種類だろうかと思った。しかし、カサに厚みがなく、カサの下面に広がるパターンは薄刃でも管孔でもなく、ハカワラタケによく似ていた。 背着の面積があまりに多くて疑問が消えないが、やはりこれはハカワラタケ(シロハカワラタケ)ではないだろうか。種名に「?」を付けたが、その文字サイズをちょっと小さくすることにした。 戻る |
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2014年 1月26日(日) 大渕池公園(東園) 奈良県奈良市 |