シリーズ <第149回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

一ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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チャムクエタケモドキ
2016年 1月 3日(日)

大和民俗公園

奈良県大和郡山市
 新年最初の撮影行。穏やかと言うよりちょっと異常なほど暖かい年明けになった。
 公園入り口前のサクラ並木を歩くと、褐色〜黄土色の小菌が点々と生えていた。早春のきのこチャムクエタケモドキがもう出ている。年末にも近くの山で見ているので、いかに暖冬かがよく分かる。
 カサの吸水性が強いので、少し乾くとすぐに気泡が入って、カサの色が明るい黄土色になってしまう。写真のものはまだ幼菌で乾いてなくて、色もスタイルも良かった。柄の上部の白い「むく毛」や下部の白い菌糸も、なかなかにいい表情を見せていたので、これを本年のトップバッターに選ぶことにした。
 手袋もカイロも要らない撮影行は、寒さ嫌いにはとても好都合だが、はたしてきのこ達にとってはどうなのだろう。戸惑っているに違いない。戻る

オリーブサラタケ  2013年に和名が付くまでは「Aleurina imaii(アレウリナ・イマイイ)」という学名で呼んでいたが、覚えやすい和名が付いてすんなり名前が思い浮かぶようになった。
 ずっと乾いた天気できのこが乏しく、この時もやや古いヒメオツネンタケを撮ろうかどうしようか・・・と迷いながら、付近の枯葉を取り除くとこれが現れた。上下に小さい2個を挟んで、長径1.5センチほどの2個が左右に並んでいた。バランスよく並んでいるので真正面から撮ったが、あまりにも対称形なので不自然で表情がない。そこで、右側からのアングルに変えて、チャワンの外側のざらつきが見えるようにした。
 本種は里山や平地の公園などの、湿り気の多い斜面でよく見かけるが、関東地方ではあまり発生がないようだ。小さな幼菌では黄色〜オリーブ色がよく目立ち、比較的見付けやすいきのこだ。  戻る
2016年 1月16日(土)

矢田山子どもの森

奈良県大和郡山市

未同定
コゲイロサカズキホウライタケと判明
2016年 1月31日(日)

矢田山へんろ道

奈良県大和郡山市
 暖冬でスタートした1月も、下旬になると大型寒波が押し寄せ一気に真冬の寒さとなった。そうなると一部の「冬きのこ」と硬質菌以外は、ことごとく姿を消してしまい、どんなに目を凝らして歩いても極小菌すら見付けることができない。
 この日もそんな結果で終わろうとしていたが、その最後のギリギリ地点で興味深いきのこを見付けた。ボロボロに朽ちた切り株に、カサ径5ミリ〜1センチの栗色のきのこが群生していた。まず浮かんだ名前は「クリイロムクエタケ」だが、カサの真ん中が窪んでいて、材上生で、無臭なので違う。図鑑を繰るも未同定となった。
 切り株が斜面の上にあるので、この写真を撮るために手前の土を少し掘り下げた。やはり、なるべくなら生えている状態で、ヒダなどがよく見えるように撮りたい。こんな小型菌にも、ハッとする表情があるものだ。※検鏡していただいた結果「コゲイロサカズキホウライタケ」であることが分かった。 戻る

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