シリーズ <第150回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

一ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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フウセンタケ属
2016年 2月11日(水・祝)

むろいけ園地

大阪府四條畷市
 今年の冬はカワラタケやネンドタケなどの、鮮度のいい硬質菌にも出会えない状態で、この朝も車を出発させてからでもまだ行き先が決められなかった。どこへ行っても「何か」があるようには思えなかったので、とりあえず沼の多い公園へ向かった。
 午前中にきれいなエノキタケを見付けて喜んだが、後が続かない。午後もかなり歩いた頃、ふと、斜面に生える小さなきのこを見付けた。
 直径は2センチ足らず。きっとムササビタケだろうと覗き込むと、なんと柄が紫色だ。クモの巣膜もあるから、これはフウセンタケの仲間に違いない。まさかこんな真冬に・・・。
 「これはきっとハイムラサキフウセンタケだろう」と思ったが、カサにあまり紫色がなく、何より小さくて印象が違う。強引な同定は「得意技」だが、ここは一つ遠慮して属までとすることにした。それでも意外性は十分だ。戻る

ニセヒメチチタケ  今月は例年にも増して「苦戦」を強いられている。この日も最初は「遊びの森」を歩いたが、一度もシャッターを切らずに一回りして戻ってきた。仕方なくそのまま隣の「子どもの森」へ入り、斜面を凝視しながら歩いた。
 で、見付けたコレはカサ径がなんと5ミリで、しかも、下向きに生えている。どうしようかと思ったが、今日は贅沢を言っていられない。カメラをセットしてモニターを見ると、カサの表面がフェルト状なのでイグチの仲間のように見えた。不自然な生え方は写真を回転して直すか・・・などと考えながら、採取してみると本種だった。これならこんな生え方もするからこのままでOKだ。
 それにしても、本種は春のきのこだからずいぶん早い発生だが、付近を探しても他には出ていなかった。この森ではいつも4月〜5月に見かけるから、今回はちょっとしたフライングかも知れない。陽の当たる斜面だったので、きのこスイッチが入ってしまったのだろう。  戻る
2016年 2月27日(土)

矢田山子どもの森

奈良県大和郡山市

シックイタケ  本種がこの「月間MVP」に登場するのは今回が2回目。スギやヒノキの古木に広がる白い半背着菌で、いたって地味で写真映えしない硬質菌が、なぜ2度も選ばれたのか。
 1度目は2009年2月で、背着部とカサを作っている両方の写真が撮れたので、やっと「写真資料館」に掲載できる喜びから選んだ。
 今回は? ちょっと事情が違う。前日に続いてこの日も全くきのこが見付からず、カメラの出番がなかった。これを見付けた時も「シックイかぁ」と気合いが入らない。ところが、円柱の用材の木口にたくさん重生していて、ローアングルでモニターを見ると意外に面白い構図だった。「シックイもなかなかやるなぁ」と、レフ板を取りだして撮影。
 普段はスポットライトが当たらないきのこだから、こんな時こそ目を向けるいいチャンスに違いない。これが今回選ばれた理由だ。  戻る
2016年 2月28日(日)

生駒山麓公園

奈良県生駒市

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