シリーズ <第156回> | 竹 しんじ |
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自選 《月間MVP展》 <<<<< 2016年 8月 >>>>> |
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO |
一ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。
7月 MVPtop 9月
ホテイイロガワリ近似種 (カサ径約6センチ) |
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2016年 8月 6日(土) 大和葛城山 奈良県御所市 |
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カサはベルベット状で深いオリーブグリーンに褐色の斑点が見える。柄は鮮やかな赤で、上部に縦長楕円形の黄色い模様がある。イロガワリに近い仲間だと思うが、こんなのは見たことがない。 撮影後に採取して縦に切ってみると、すぐに断面が青くなった。そして管孔が極めて短いことも分かった。この特徴は「ホテイイロガワリ」に似ているのだが、カサの色が違うだけでなく、柄の表面には網目が見えず、管孔面が赤い点も異なる。 とても存在感のある姿なのだが、これ1本だけで他になかったので、これが典型のスタイルなのかどうかが分からない。どこまでを「変異の幅」と捉え、どこからを「別種では?」と疑うべきか・・・きのこ全般につきまとう共通の悩みだと言える。 ただ、とても印象に残る美しいイグチなので、これからもこの姿で現れてくれることに期待している。 戻る |
ツガサルノコシカケ | 長い上り階段の途中で足を止めて、汗を拭い息を整えていた。ふと、傍らのマツの木に目をやると、樹皮の隙間から白い硬質菌が顔を出していた。「これはツガサルの幼菌だな」と裏を覗き込むと、思った通り根元に黄色い部分が見えた。そしてよく見ると、透明のきれいな水滴がいくつか付いていた。本種の幼菌ではよく見かける水滴だが、よく見ると水滴の中に背景の森が逆さに映り込んでいた。 「水滴の中の景色」はマクロ撮影の定番とも言える被写体だが、その多くは花の水滴に花が映っているシーンだ。中にはクモの巣にたくさん付いた水滴の作品も記憶にある。しかし、きのこ写真では見たことがない。ちょうど三脚が届く高さだったので、じっくり狙ってみることにした。 意外に難しかったのがピントの位置と深さや、露光補正とレフ板の加減。何カットもシャッターを切り、何とか趣のある「きのこ写真」が撮れた。戻る |
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2016年 8月15日(月) 矢田山子どもの森 奈良県大和郡山市 |
ザラエノヒトヨタケ | この前日にも京都府精華町で萎れた本種を撮ったので、ちょうど発生のピークだったようだ。ヒトヨタケの仲間なのできのこはとても短命だが、その一瞬に見せる姿は目を見張るものがある。 今回はきれいにカサを開いて、ヒダの縁が黒く液化し始めて縁取りになっていた。そこで、目いっぱい近接で撮って、なおかつピントを深くした。60ミリマクロで f 22まで絞ったが、あまり絞り込むとピントが甘くなるので加減が難しい。ピントを深くするには離れて撮ってトリミングする方法もあるが、これも画質が悪くなる欠点がある。 最近では「深度合成」なる方法が普及し、カメラ本体や画像処理ソフトで数枚から数十枚のカットを合成処理してピントを深くすることができる。デジタルならではの進歩的な技術には違いないが、そんなカメラも画像処理ソフトも持たない私は、何となくなじめないなぁ・・と、負け惜しみを言う。 戻る |
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2016年 8月28日(日) むろいけ園地 大阪府四條畷市 |