シリーズ <第157回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
<<<<< 2016年  9月 >>>>>
MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

一ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

8月   MVPtop   10月

コガネキクバナイグチ
2016年 9月 3日(土)

矢田山子どもの森

奈良県大和郡山市
 かつてのキクバナイグチがDNA鑑定などを基にして3種に分けられた。そのことはもう、「きのこ探して」や「写真資料館」のコーナーで触れたが、ここでもう一度おさらいをしておきたい。
 3種とは、@キクバナイグチ(狭義)Aコガネキクバナイグチ Bヒビワレキクバナイグチ であり、これらを見分ける手順として、まず最初にAのコガネキクバナイグチを疑ってみるのがいい。
 カサ表面の粗いひび割れがさらに細かくひび割れていて、カサ肉の色が黄色い(傷つけると青変する)場合はこのコガネキクバナイグチである。
 ひび割れが粗く肉が白い場合は、柄の色で残り2種を見分ける。柄の全体が紅色(上端は黄色)ならキクバナイグチ(狭義)で、上半分がクリーム色ならヒビワレキクバナイグチ・・・と、かなり大雑把な判別法だ。ただし、いずれの種でも小さな幼菌や老菌では判別困難である。  戻る

ザラエノハラタケ  大型のハラタケの仲間を見付けると、いつもそのヒダの色に期待してしまう。カサを開き始めた頃はきれいなピンク色で、その後、紫色を帯びた灰褐色(今回の写真)になって最後は黒褐色になる。
 こんなアングルでヒダの表情を撮る時、いつも苦労するのがレフ板による柄の影である。つまりレフ板を使うことによって、柄の影がヒダに出てしまうのだ。そこで、その影を消すためにもう一枚のレフ板を使うことになる。この2枚のレフ板によって、ヒダの手前と奥でわずかな明暗の差ができて写真に立体感が生まれる(と嬉しい)。
 これがなかなか面倒な作業で、小さなカサでは思うようにならないが、大型のきのこをローアングルで撮る時には重要なこだわりポイントになっている。「誰もそんな所まで見てないよ」と、もう一人の自分がつぶやくのだが、「誰かやない、自分が見るからや」・・・そう、自己満足のレベル。  戻る
2016年 9月19日(月・祝)

けいはんな記念公園

京都府精華町

タマゴタケ
2016年 9月24日(土)

神野山

奈良県山添村
 関西ではあまり見られないタマゴタケだが、今年は少し発生が多いのかあちこちからの情報を目にする。写真のモデルとしてはベニテングタケに匹敵するほどすばらしく、その華やかさと均整の取れたスタイルに惚れぼれする。
 今回も今まで見なかった場所でこの1本に出会った。岩陰に隠れるように生えていて、真っ赤なカサと柄のくっきりした段だら模様が印象的だった。いつもなら明るく華やかに撮ろうと考えるのだが、これは少し暗い陰に立っていたので、しっとりと落ち着いた雰囲気もいいのではないかと思った。周囲の葉っぱもいい脇役になってくれそうだ。
 誰もが認める「被写体きのこ」の代表だが、原色の華やかさだけが魅力ではないことを改めて知った。モデルの持つ別の素顔を見付けて、写真に表現できればとても嬉しい。  戻る

8月   MVPtop   10月