シリーズ <第165回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

一ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

4月   MVPtop   6月

ウスベニイタチタケ  爽やかに晴れて湿度が低い。連休はどこも行楽客で混雑するので、人混みを避けてこの森を選んだ。しかし、同じ方向に生駒山の遊園地があるため途中の阪名道路では少し渋滞につかまってしまった。
 ここは湧き水があるので雨の少ない時でもあまりハズレがない。この日も散策路脇の落葉の間から、やや大きめのウスベニイタチタケが3本出ていた。その内1本はカサを開き始めたばかりの幼菌だったので、ローアングルからかさのアップを撮ってみると、幼菌の時だけ見られる白い綿くず状の繊維を捉えることができた。
 本種はあまり発生が多くないせいか、掲載されてない図鑑がいくつもある。群生することが少なく、発生時期も春の一時期だけで、しかも周囲に溶け込んでなかなか見付けづらいことも理由の一つだろう。特に幼菌などは一度見付けても、目を離したためにしばらく見失うことがよくある。  戻る
2017年 5月 4日(木・祝)

ふれあいの森

大阪府四條畷市

ヒメスギタケ
2017年 5月21日(日)

くろんど池観察会

奈良県生駒市
 去年の12月、同じ竹林内で撮ったヒメスギタケをこのコーナーに掲載した。それは立ち枯れた木の根際に生えた、本種としては大型のものだった。とても寒い日だったことを、よく覚えている。
 今回の幼菌はそこから20メートルほど離れた場所の、朽ちた材上に生えていた。そしてこの日は、早くアイスが食べたいと思うほど暑い日だった。
 真冬でも真夏でも見られるきのこはそう多くないと思う。さらに本種は、平地の公園や里山は言うに及ばず、富士山や八ヶ岳の麓でも見付けている。とても適応力が強く、「したたかな」ヤツなのかも知れない。色こそ派手さはないものの、カサや柄の表面にはトゲ状になった粉っぽい鱗片が覆っていて、写真のモデルとしてはなかなかいい表情をしている。
 この写真のようにちょうどカサを開き始める頃が、最も魅力的だ。 戻る

ニセアシナガタケ
2017年 5月27日(土)

矢田山子どもの森

奈良県大和郡山市
 「5月は一年で最もきのこが少ない月かも知れない。」 観察会仲間からこんなつぶやきが異口同音に聞こえた。全く同感である。晴れれば異常乾燥の日々になり、少々降ったところで焼け石に水となる。
 この日も、まとまった雨の3日後だというのに、歩き始めて1時間ほどは「きのこゼロ」。やっと見付けた本種はカサの直径1センチという小型菌だった。
 この朽ちた広葉樹の材にはいつもムササビタケが群生するが、これはどう見てもそれとは違う。柄が白くて透明感があり、スラッと長く直立している。よく見ると、その柄の表面に赤紫色の細鱗片がたくさん付いている。
 クヌギタケ属ではないかと掲載したところ、観察会仲間から教えていただき本種だということが分かった。「新菌類図鑑」の図版がかなり違う印象だが、解説を読むと特徴はピッタリ符合する。   戻る

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