シリーズ <第167回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

一ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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イッポンシメジ属
2017年 7月 1日(土)

矢田山子どもの森

奈良県大和郡山市
 「きのこ大凶作」がまだ尾を引いているが、そんな中でもポツポツと目新しい種類が出始めてきた。
 先月末に発売されたばかりのキヤノンのLED付きマクロレンズは、まさに「きのこ用レンズ」だと飛び付いて購入したが、肝心のモデルが少なくては活躍の場がない。この日が使用初日だったが、暗い場所や小型菌ではLED効果が大きくて、充分満足できるレンズだと実感した。
 このイッポンシメジ属は、久しぶりに出会った撮り応えのあるモデルだったが、ここまできのこから離れて、しかも明るい場所なので、LEDだけでは光量不足となりいつものレフ板を併用して撮った。
 さて、きのこの名前だが、これが難しい。色やスタイルからイッポンシメジ属なのはすぐに分かるが、図鑑やネットを繰っても「これだっ!」というのには今回も行き当たらなかった。戻る

ユキワリ属  この日、期待して向かった神野山(奈良県山添村)は、全くの期待外れ。引き返そうかと思ったが、ここまで来たらダメモトでさらに足を伸ばした。
 ここも数えるほどしかきのこがなかったが、最後に興味深い1種を見付けることができた。これは見付けた時から「やっぱりウラムラサキだ・・・いや違うな」というセリフを、何度も繰り返した。小型でカサが赤紫色、柄の一部が扁平になっている・・・ことはウラムラサキを思わせたが、ヒダが白っぽい、柄の表面に白い細鱗片がある、柄の基部に白くて長い菌糸束がある・・・など相違点が多すぎる。そこで観察会メンバーに見てもらうべく採取した。
 結果、意外なことに本属の仲間だと教えていただいた。ユキワリといえばかなり大型の種類なので結び付かなかったが、同属のヒメムラサキシメジに近い種類らしい。いくつかの仮称種とはピッタリ合致しなかったようだが、かなり印象深い種類なので、再会すればきっと属名が浮かぶだろう。 戻る
2017年 7月 8日(土)

上野森林公園

三重県伊賀市

ヒメシロウテナタケ
(青木氏仮称)
 初めて本種を見たのはもうかなり昔になるが、その時はあまりに小さくてヒダも不完全なので、変形菌に近い仲間のように思っていた。その後も毎年のように、雨の多い時季になると木の根際の湿った所で見かけた。
 カサはほとんどが直径1センチ以下で、きのこ全体が半透明のとても弱々しい姿だ。カサの下側にヒダと呼べるようなものはなく、不完全なシワがいくつかあり、カサの縁がギザギザになるのが同定の決め手になる。
 この日見付けたこれは、朽ちた針葉樹の材に出ていて、今まで見た本種のまばらな生え方とは違って、1ヵ所にまとまって束生していた。真上からのアングルで見るとそれぞれのカサがバランス良く広がり、小さいながらもまるで蓮の葉のように見えた。なるほど、仮称を付けた青木実氏はそんな雰囲気から「はすのうてな」をイメージされたのかも知れない。きのこ全体がとても儚い雰囲気を持っている。  戻る
2017年 7月29日(土)

矢田山子どもの森

奈良県大和郡山市

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