シリーズ <第179回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

一ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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カバイロツルタケ
2018年 7月1日(日)

太陽が丘公園

京都府宇治市
 最初は「カサが反り返っていて残念」と思ったが、こうして2本が同じスタイルで並んでいると、それはそれで絵になるものだ。ところが今度は光線がいけない。強い日差しがちょうど木漏れ日になって、一帯がまだら模様になっている。
 こんな時のためにいつも持ち歩いているのが「ステッキアンブレラ」というもの。その名の通り白いジャンプ傘の持つ所が杖のような形になっていて、先端にはゴムの石突が付いている。
 カサを開いて片手で高く掲げて、明るさのムラが出ないように撮影。手前に少し日当たりを残すことで、ヒダを明るくするレフ板効果が出せた。
 このアイテムは雨の時に傘になるのは当然のこと、夏のカンカン照りには日傘にもなる。藪に入るときはクモの巣を払ったり、マムシを追い払う武器にもなってくれる。もちろん普段は杖であり、日陰を作る道具だ。 戻る

アイカシワギタケ
2018年 7月15日(日)

神野山

奈良県山添村
 見つけた時に、ずいぶん明るい色のムラサキフウセンタケだなぁと思ったのがいけなかった。それならヒダは黒に近い紺色なので、描写が困難だろうと思いながら、構図を決めてレフ板を当てると、思ったほど黒くない。
 神秘的と思えるほど深い紺色に目を奪われ、きのこ全体の色が淡いからに違いない・・・と、まだ間違いに気づかなかった。こんな色のヒダをした別種はないと思い込んでいたのだ。
 ページをアップして1週間も経ってから、赤錆色をした綿毛状のツバがアイカシワギタケに似ていると気づいた。それならヒダの色も他の部分も違和感はない。柄の下部が太くなるのも、きっと画面下に隠れているのだろう。採取すれば気付いたかも・・・。
 ヒダの美しさに手応えを感じた写真だったが、それ以上に、種名の間違いに気づいて訂正できたことにホッとする結果となった1枚だ。  戻る

ツガサルノコシカケ  6月の地震に始まり、7月上旬の広域豪雨、梅雨明けとともに10日以上も続いた猛暑日、さらに、逆走台風12号。今年の夏は、ここ関西〜西日本では自然災害続きである。新聞やテレビなどマスコミではよく「異常気象」という言葉を使うが、異常ならいつか正常に戻るはずで、ここ数年の傾向を見ているとどうもそれは望めそうにない。
 「穏やかな四季の移ろい」が自慢だった日本だが、年々、冬と夏が狂暴になり、春と秋が短くなっているように思う。
 台風12号が近づいてきたこの日は、猛暑は一段落して少し歩きやすくなったが、10日以上も雨が降ってないからきのこが出ているはずがない。この1種だけ撮って、早々に退散した。
 「きのこ探し」に欠かすことができない大前提は・・・「楽しい」ということ。この夏はまだまだ過酷なようなので、「自粛」を宣言する日も増えそうだ。戻る
2018年 7月28日(土)

大和民俗公園

奈良県大和郡山市

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