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２００４年９月２６日(日）四季の森公園神奈川県横浜市（神奈川キノコの会）	期待いっぱいで探索を始めた「野外勉強会」だったが、思ったよりきのこは少なく、なかなかいい被写体に会えなかった。　木のちょうど目の高さのところに木こぶがあって、新鮮なサケバタケが生えていた。濃い山吹色でヒダがいちじるしく縮れている。よく似たきのこにイチョウタケがあるがヒダがこれほど縮れていないので見分けられる。　今日、ツチナメコとヤナギマツタケの区別が難しいことが分かった。今までカサのヌメリやツバの大きさ・条線のありなし、地上・材上などから判断していたが、今日見つけたものはカサにヌメリがなくツバが小さい。そして地中の木から生えていた。同定ではツチナメコになったが、説明では疑問が残っている様子で、ツチナメコにも数種類があるということだった。確かに典型的なヤナギマツタケの生え方ではない。　どうしても頭に入りにくいきのこがある。どういう訳かは分からないが苦手意識が働く。イグチの仲間ではこのホオベニシロアシイグチがその一つだ。今まであまり見つけていないからだろうか。鑑定場所にあった１本にはカサに見事なナメクジ(?)の齧り跡があった。あまりのきれいさにクローズアップ撮影をしたが、ここまできれいに揃うと工芸品の域に達していると感じる。　この公園では毎年よくツエタケが見つかる。今日も何本も採取されていたが、２本並んだいい状態があったのでローアングルで撮影した。いい生え方をしていると種類は何であれ、見栄えのする写真が撮れるものだ・・・と、自画自賛。



２００４年９月２５日(土) ９／５　木の実の里９／２０　富士山西麓の続編	今日は仕事だったので久しぶりに「芝公園」を探索しようと考えていたが、もうこの季節になると仕事が終る５時半ではすっかり日が暮れて、とても撮影できる明るさではなかった。しかし、うっかりそんなことにも気づかないほど、まだ暑さが残っていて湿度が高い。　そこで、今月を振り返ってみて、当日は取り上げなかったが後になって気になっているいくつかを掲載することにした。　まずは９月５日に「大志戸・木の実の里」で見つけて名前が分からなかったきのこ。カサに強い粘性があって全体が黄色くカサの中心は色が濃い。柄の根元がカブラ状に膨らんでいるのでフウセンタケ科までは分かるのだが、現地では手持ちの図鑑で見つからなかった。「新菌類図鑑Ⅰ」でようやくコガネフウセンタケモドキらしいことが分かった。他の図鑑には載ってないのでこれも「珍菌」なのだろうか。　９月１９～２０日に富士山の北西麓で、キノボリイグチと同定しながらもベニハナイグチとの区別がはっきりしなかったきのこは、やはり疑問が残った通りベニハナイグチの方が正しいようだ。別の角度から撮影したカットにはっきり５針葉の松葉が写り込んでいた。それに、付近には大きくカサを開いて褐色になったベニハナイグチがいくつもあった。　もう１種は特に珍しい訳ではない。富士山ではどの種類も大型になる傾向があると聞いていたが、こんな大きなオニタケは初めて見た。カサの直径１４センチもあっては「オオオニタケ」とでも呼びたくなる。　一方、こちらは帰りがけに見つけた普通サイズよりかなり小型のチチタケ。カサの直径は３センチほどしかなかった。　明日は「キノコの会」の野外勉強会が、横浜市の「四季の森公園」で行われる。十分雨が降ったようなのでかなり期待できるのではないだろうか。



２００４年９月２３日(木・祝）新治市民の森神奈川県横浜市	延期になっていた定点観察会を今日にしたが、このところ全く雨が降ってないため地面がカラカラに乾いていた。　新鮮な状態のきのこが全く見つからず今日の撮影は無理かもしれないと諦めかけていたら、道路わきに積まれたスギ材の柵に小さな褐色のきのこが見つかった。カサの周囲にハッキリ条線がありやや粘性がある。ベニタケ科のように見えるのにスギから生えているのは変なので、ひとまず撮影してから採取してチェックすると、どうやらニセクサハツらしいと分かった。スギと言ってもかなり腐朽が進んでいるため、材上生ということにならないと考えていいのだろうか。　いつもイグチがよく出る斜面も乾いていて何も見つからなかったが、枯葉に埋もれた小さな細い幼菌を１本だけ見つけた。柄には隆起した大きな縦長の網目があり、カサの中心が尖っている。ここで何度か見つけたことがあるヤシャイグチだった。今まで見た中では最も小さいものだと思う。　草に埋もれてラッパ型のきのこが並んでいた。少し古くなっていたがミキイロウスタケだ。きれいに一列に並んでいたが、これも菌輪の一部なのだろうか。　今月初旬にここの谷戸で、ニオウシメジが生えて話題になっていたので見に行ったが、もう色が変わっていて異臭も漂っていたので撮らなかった。その周囲に柿の木が数本あって、熟した実がいっぱい落ちていた。いくつもの柿の種子からカキノミタケが出ていた。落ちたばかりの新しい柿の種からいくつも生えているが、どういうタイミングで菌が入り込むのか不思議なきのこだと思った。まるで鹿の角のような形が面白い。やはり、柿の実をバックに入れるのがこのきのこらしい写真だろう。



２００４年９月２０日(月・祝）富士山西麓・大室山② 山梨県上九一色村	富士山の北西部に標高１，４６８ｍの大室山がある。富士の裾野に広がる広大な溶岩樹海の中にあって、溶岩の直撃を免れたために今でも周囲とは植相が異なり、落葉広葉樹が多い。そのため周囲とはまったく違うきのこがたくさん出ると聞いた。これに期待して大室山に近いポイントでビバーク。早朝から探索を開始した。　歩き始めてすぐ、また、モミの樹を中心にした大きな菌輪を見つけた。今度の菌輪の主はワタカラカサタケだった。ところが、きのこ本体が異常に大きいものがある。富士山のきのこは相対的に大型になるらしいが、それにしてもカサの直径が１０センチを超えるワタカラカサタケには驚いた。　散策路の脇に点々と水色のベニタケ科のきのこが生えていて、良く見ると大きなルリハツタケだった。先日の高麗山に比べるとずいぶん色が薄いが、逆に富士山のルリハツタケはヒダの面の方が鮮やかな色をしている。ヒダに傷をつけるとまるでインクのような紺色の液を出す。　大木の根元に白いきのこが群生していたので近づくと、きれいな褐色の鱗片をカサ一面に付けたヒトヨタケの仲間だった。図鑑で調べてホソネヒトヨタケと判明。もっともいい状態の写真が撮れた。　大きなブナの倒木にブナハリタケのすっかり採取された跡があった。そして、同じ倒木に大群生しているきのこがあった。もちろんこれは採取しても食べられない毒きのこツキヨタケだ。最も大きいのはカサの幅が２６センチ。やや大きめのカサを切ってみると、同定の決め手となる根元の黒いシミがほとんどないものもあった。それにしてもこれ程の群生は初めて見た。　きれいなタマゴタケもいくつか見つかり、特に出たばかりの幼菌はいつ見てもフォトジェニックで、撮らずにはいられない。　ようやく大室山にたどり着いたが、なぜかこの山には登山道がない。遠くから見る分にはなだらかに見えるが、麓まで来ると周囲すべてが急峻でとっつきにくい。そして、大きな期待とは裏腹に、落葉樹林はちょうど夏と秋の間の端境期に入ってしまったのか、まったくと言っていいほどきのこが見当たらない。ブナの大きな立ち枯れに無数に群生したキツブナラタケの幼菌を見つけて、やっと撮影と少しだけの採取をすることができた。　その後は富士山の西側を点々と探索しながら一周してきたが、特に目新しいものを見つけることができなかった。　少々期待はずれの感はあったが、それでも数種はいい写真を撮ることができた。





２００４年９月１９日(日) 富士山西麓・大室山① 山梨県鳴沢村	「月の裏側に何があるのか・・・」と言うほど大袈裟ではないにしても、神奈川県に住んでいると富士山の西麓というのはそんなイメージの興味深い所だ。３連休の後半は車でビバークして富士山西麓を探索してみた。　西側に回る前に寄り道したポイントは「鳴沢氷穴→富岳風穴」の青木ガ原樹海。歩き始めてすぐに見つけたのは、明るい褐色のカサに黄色のササクレ状の模様のある柄を持つきのこ。根元が太くなる特徴などからツバフウセンタケのようだ。かなり広い範囲に散らばって生えていた。　樹の根元に赤いカサのきのこを見つけた。先日の太郎坊(南麓）でもよく見かけたキノボリイグチだ。これもあちこちの樹に形のいい幼菌が生えていた。紅色のカサに淡い色のササクレ状の鱗片が覆っている。乾いているとヌメリがあるようにはまったく見えないが、カサには強い粘性がある。　ヒノキ（？）の葉が積もったところに大きなきのこが群生していた。独特の明るい褐色にはっきりした条線があり、柄も同じような色。カバイロツルタケのようだ。さすが富士山ではどんな種類のきのこだろうと、絵になる生え方をしてくれる。背景を選んで構図やアングルを決める・・・というより、あらゆる方向から撮ってみても絵になる。　夕暮れ近くなって車に戻りかけると、見慣れない黒っぽい２本が目に留まった。上から見るとほとんど全体がこげ茶色にしか見えないが、ヒダが白く際立ったコントラストになっている。これは初めて見るクロチチタケだと喜んだが、傷をつけても肉、乳液とも赤くならない。クロチチダマシの方だった。　明るいうちにビバークの場所を決めて、コーヒーの肴(?)にキノボリイグチを焼いてみた。ほとんど味がなく、煮込み料理に適したきのこのようだ。



２００４年９月１８日(土) 高麗山・湘南平神奈川県大磯町	里山できのこが爆発していると聞きながら、なかなかマイフィールドにしている高麗山に行けなかったので、内心ヤキモキしていた。この時期に見たいきのこが２～３種あるのでそれらを目標に探索を始めた。朝から薄曇りで日差しがなかったのに気温は高く、南からの湿った空気で湿度が高く、汗が流れて疲れるという気候だった。　まず１種目の狙いはルリハツタケで、近郊ではこの山でしか見たことがないちょっと珍しい種類だ。途中の斜面に純白のテングタケ科のきのこを見つけた。柄に強い段だら模様があるのでドクツルタケの仲間だろうと思ったが、赤っぽい部分（アケボノドクツルタケ）がなく、ツボの下部が細長く延びている（ニオイドクツルタケ）こともない。ドクツルタケそのものの可能性も出てきたので試薬（ＫＯＨ）を付けてみたところ、なんとまったく変色しない。となるとシロタマゴテングタケと言うことになるが、柄の段だら模様がほとんどないのが特徴とあるので、この程度を変異の範疇内としていいのか迷ってしまう。　さらに道を進むと、落ち枝や枯葉の隙間にわずかな青い色を見つけた。「あった！」思わず声をあげてしまった。久しぶりに見るいい色のルリハツタケだ。学名にもインディゴという青い色の名前が付いている。何度見ても不思議な色に驚いてしまう。　もう１種、「テングタケ通り(自称）」に出る珍菌「クロニガイグチ」を探したが、残念ながら見つけることはできなかった。昨年８月末にきれいなものを見つけて撮影したが、標本採取をしなかったことが未だに悔やまれる。　他には白いテングタケ科のきのこをもう２種見つけた。どちらもカサに尖った突起をいっぱい付ける種類で、一つは高さ５センチほどのコシロオニタケの幼菌。根元がカブラ状に太くなりオニテングタケの幼菌かとも思ったが、根元に縦の裂け目がないこととカサの突起の先が褐色になっていることで本種とした。　もう一つは大型のシロオニタケで、数箇所に群生しているのが見られた。乾燥のせいでカサが裂けてしまった成菌をバックに、新鮮な幼菌を撮った。この幼菌でも高さは１０センチ以上あった。 ※明日は愛車「竹ベンツ」での遠征ビバークをする予定のため、次の「きのこ探して」更新は２０日の夜以降になる。



２００４年９月１２日(日) 南郷・上の山公園神奈川県葉山町（神奈川キノコの会）	この時期、地域によってかなりきのこの出方に偏りがあるのだろうか。横浜の里山などでは爆発的に大型きのこが生えているらしく、昨日は厚木方面でタマゴタケの大群生を見たとの話も聞いた。ところが今日の勉強会の上の山公園では、あまり驚くほどの状態ではなかった。　ハラタケ科のきのこがずいぶんたくさん採取されていたが、奇妙な１本を自分でも見つけた。散策路から斜面を見下ろして見つけたときは、遠目にもザラエノハラタケだと分かるものだった。中央部が濃くて放射状に広がる粗い鱗片からそうだと思ったが、柄を見て驚いた。新鮮な状態にもかかわらず、柄が「ザラエ」ではなく平滑でササクレや鱗片が全くない。後の同定会では試薬による変色からむしろナカグロモリノカサに近い種類ということになった。　ごく小さな２種類のきのこが一緒に生えているのが見つかり、取り合わせの面白さから撮影させてもらった。濃い赤紫の小型菌に根元に、キソウメンタケのような細い３本が立っている。先の部分だけが赤くなっているのでむしろナギナタタケに近いのかも知れない。　シロソウメンタケ科のきのこは小さくてまばらに生えていることが多いので、今まで見つけてもなかなか写真に撮れないでいたが、今日はＫ氏がシロソウメンタケの密集した群生を見つけてくれた。マテバシイの樹下にかなりまとまって生えていた。　気温もだいぶ落ち着いて日々秋を感じるようになって来たが、はたして夏きのこの爆発の後はどう展開するのだろう。


２００４年９月１１日(土) 富士山北麓山梨県鳴沢村	先日、きのこ狩りのベテランが富士山で巨大マツタケを２本採って、地元の老人ホームへプレゼントしたことがニュースになっていた。だからという訳では決してないのだが、雨が良く降ったようなので富士山へ行ってきた。　スバルラインの東にある滝沢林道へはまだ行ったことがなかった。少し様子を見るつもりで寄ってみたが、やはり行き当たりばったりではムダに歩くことが多くなってしまう。　入り口にある「中の茶屋」の横に車を停めると、いきなりハツタケが見つかった。この付近はアカマツが多く、すぐ近くでもう１種マツの樹下に出るアミタケを見つけた。どちらも久しぶりに見るきのこで、優秀食菌なので採取もした。　少し歩くとちょうどいい感じにカサを開いているザラエノハラタケがあった。ヒダを見るときれいなピンク色だ。なかなかこのタイミングを撮ることができない。目いっぱいローアングルで撮影した。　ウラジロモミの林に入ると、１本の立ち枯れた木の根際にみごとに群生しているきのこがあった。モエギタケ科のセンボンイチメガサだ。ここ数日で一斉に生えたのだろう、どれも新鮮な状態だった。　斜面を登り詰めたところに大きな菌輪を描いているきのこがあった。良く見るとなんとクサウラベニタケだった。図鑑には広葉樹、特にブナの樹下と書かれているが、ウラジロモミを中心に直径５ｍほどの輪に並んでいる。ヒダが肉色になり柄が中空で柔らかいので間違いはない。　前回ホウキタケの仲間が何種類も見つかった鳴沢村の林道へも行ってみた。うっそうと茂る雑木林の中に、ひときわ目を引く赤いものを見つけた。１本の埋もれ木に群生したベニチャワンタケモドキだった。ベニチャワンタケとの見分けが微妙だが、下面があまり白くないので本種とした。　逆に足元にあっても、それどころか目と鼻の先にあっても気づかないようなきのこもある。このクロラッパタケは、他のきのこを撮影していてすぐ横にあったのをやっと見つけることができた。裏面はかなり明るい灰色をしている。　針葉樹の切り株にオレンジ色のヌメリのあるきのこが生えていた。初めて見るきのこで、図鑑で探してアカツムタケだと分かった。ヒダには周囲だけに淡いオレンジ色が見える。苔に囲まれた幼菌も見つかり、いい写真を撮ることができた。　ほんのわずかだけ期待したマツタケは、見つけることができなかったが、今年の富士山は久々に楽しさを感じさせてくれる状態だ。






２００４年９月　５日(日)　② 大志戸・木の実の里山梨県大和町	恒例の定点観察会を延期することにしたので、今、富士山と同様に多種のきのこを期待できそうな「大志戸・木の実の里」へ行くことにした。ここにもかなりの雨が降ったようで、登山道路には多数の枝が散乱していた。　多数のきのこを撮影することができたが、中でも比較的大きいものを選んで掲載してみた。　散策路沿いにテングタケ科の真っ白い幼菌が出ていた。カサの表面にはしっかりしたイボが一面に並び、イボの先端が淡い褐色を帯びている。コシロオニタケの幼菌だろう。ドクツルタケの仲間の幼菌が多い中、１本だけ見つけたので発生は多くなさそうだ。　斜面の中腹に同じく白いカサを広げた大きなきのこがあった。ヒダの色が灰色がかったピンクで、膜質の大きなつばが目立つ。ハラタケ属ではかなり大型になるシロオオハラタケだ。ヒダの色は次第に暗紫褐色に変わり、ほとんど黒に見えるほどになる。　かなり大型のイグチを見つけた。カサの表面は明るい褐色で粘性があり、柄の位置が中心からずれたり、カサがいびつな形をしている。どうやらハンノキイグチだと思われるが、こんなに大きくなるのだろうか。各部分の特徴は図鑑の記載とよく符合する。　何と言っても目を見張るほどの大型菌と言えば、カラカサタケを上げない訳には行かない。何箇所かで綺麗な状態を見つけることができた。幼菌でもすでに高さ３０センチを超えている。　残念ながらここを選んだ目的の一つ、ベニテングタケは見つけることができなかった。一昨年の群生は１０月初旬だったから、まだ少し早すぎたようだ。



２００４年９月　５日(日)　① 賛同メッセージリンクHP「遊々きのこ」を見て	リンクＨＰの「遊々きのこ」（フジタケさん）の９月３日分を見て、鳥肌が立つほど深く感動しました。穏やかで物静かなフジタケさんの、心の底から湧き出る熱いメッセージに強く賛同するものです。　私は自然を愛する一人の人間として、どんな小さなゴミであろうとフィールドに捨てないことを実行しているつもりです。微力ながら当ＨＰも同じメッセージを発信したいと思います。この「ドキッときのこ」をご覧の皆様は、フィールドにゴミを捨てないことを必ず守ってください。できれば「来た時より美しく」を心がけてください。　よろしくお願いします。
２００４年９月　４日(土) 富士山・太郎坊静岡県御殿場市（神奈川キノコの会）	９月最初の「神奈川キノコの会・野外勉強会」は富士山南麓の太郎坊（御殿場口登山道）で行われた。天候が不安定で雨が心配されたが、どうにか探索の間は降られなかった。　イッポンシメジ科のカラフルなきのこ、イボカサタケの仲間が何種かあったが、アカイボカサタケの面白い形が見つかったのでアップで撮ってみた。カサの中央が突出している特有のスタイルで分かりやすいきのこだが、残念ながら有毒のきのこだ。　カラマツの林に入るとすぐに、褐色の小型菌がいくつも生えていた。カサの表面に強いシワがあり柄にはツバがついている。名前もそのまま、シワカラカサタケだ。　かなり朽ちた倒木に鱗片が綺麗に並んだきのこが生えていた。スギタケの仲間で鱗片が尖って直立し、カサの表面に弱い粘性がある。どうやらスギタケモドキのようだ。良く似た数種類があるが、鱗片の形や粘性のある部分で見分けられる。食菌が多いが、粘性のある種の方がより美味しいと聞く。　解散後はいつものきのこ仲間と富士宮市の西臼塚へ移動した。　斜面一帯に点々と小型の白っぽいきのこが生えていて、カサを上から見るとキツネノカラカサに似ているが、柄の表面を綿毛状の繊維が覆っている。綺麗なワタカラカサタケだった。カサの周縁にはツバの名残がフリンジ状に並び、上へ反り返っているのが面白い。　ブナハリタケが倒木に生えていたがすでに採取された後で、わずかに小さなものが残っていた。実は何年もきのこ写真を撮っているが、ブナ帯へ行くことが少ないため、ブナハリタケを見るのは初めてだ。いくつかまともな形のものがあったので、採取することにした。　時おり雨が降ったり、晴れ間が覗いたりの不安定な天気だったが、この調子ならしばらく富士山はきのこ盛りが続きそうだ。

２００４年９月２６日(日）四季の森公園神奈川県横浜市（神奈川キノコの会）	期待いっぱいで探索を始めた「野外勉強会」だったが、思ったよりきのこは少なく、なかなかいい被写体に会えなかった。　木のちょうど目の高さのところに木こぶがあって、新鮮なサケバタケが生えていた。濃い山吹色でヒダがいちじるしく縮れている。よく似たきのこにイチョウタケがあるがヒダがこれほど縮れていないので見分けられる。　今日、ツチナメコとヤナギマツタケの区別が難しいことが分かった。今までカサのヌメリやツバの大きさ・条線のありなし、地上・材上などから判断していたが、今日見つけたものはカサにヌメリがなくツバが小さい。そして地中の木から生えていた。同定ではツチナメコになったが、説明では疑問が残っている様子で、ツチナメコにも数種類があるということだった。確かに典型的なヤナギマツタケの生え方ではない。　どうしても頭に入りにくいきのこがある。どういう訳かは分からないが苦手意識が働く。イグチの仲間ではこのホオベニシロアシイグチがその一つだ。今まであまり見つけていないからだろうか。鑑定場所にあった１本にはカサに見事なナメクジ(?)の齧り跡があった。あまりのきれいさにクローズアップ撮影をしたが、ここまできれいに揃うと工芸品の域に達していると感じる。　この公園では毎年よくツエタケが見つかる。今日も何本も採取されていたが、２本並んだいい状態があったのでローアングルで撮影した。いい生え方をしていると種類は何であれ、見栄えのする写真が撮れるものだ・・・と、自画自賛。



２００４年９月２５日(土) ９／５　木の実の里９／２０　富士山西麓の続編	今日は仕事だったので久しぶりに「芝公園」を探索しようと考えていたが、もうこの季節になると仕事が終る５時半ではすっかり日が暮れて、とても撮影できる明るさではなかった。しかし、うっかりそんなことにも気づかないほど、まだ暑さが残っていて湿度が高い。　そこで、今月を振り返ってみて、当日は取り上げなかったが後になって気になっているいくつかを掲載することにした。　まずは９月５日に「大志戸・木の実の里」で見つけて名前が分からなかったきのこ。カサに強い粘性があって全体が黄色くカサの中心は色が濃い。柄の根元がカブラ状に膨らんでいるのでフウセンタケ科までは分かるのだが、現地では手持ちの図鑑で見つからなかった。「新菌類図鑑Ⅰ」でようやくコガネフウセンタケモドキらしいことが分かった。他の図鑑には載ってないのでこれも「珍菌」なのだろうか。　９月１９～２０日に富士山の北西麓で、キノボリイグチと同定しながらもベニハナイグチとの区別がはっきりしなかったきのこは、やはり疑問が残った通りベニハナイグチの方が正しいようだ。別の角度から撮影したカットにはっきり５針葉の松葉が写り込んでいた。それに、付近には大きくカサを開いて褐色になったベニハナイグチがいくつもあった。　もう１種は特に珍しい訳ではない。富士山ではどの種類も大型になる傾向があると聞いていたが、こんな大きなオニタケは初めて見た。カサの直径１４センチもあっては「オオオニタケ」とでも呼びたくなる。　一方、こちらは帰りがけに見つけた普通サイズよりかなり小型のチチタケ。カサの直径は３センチほどしかなかった。　明日は「キノコの会」の野外勉強会が、横浜市の「四季の森公園」で行われる。十分雨が降ったようなのでかなり期待できるのではないだろうか。



２００４年９月２３日(木・祝）新治市民の森神奈川県横浜市	延期になっていた定点観察会を今日にしたが、このところ全く雨が降ってないため地面がカラカラに乾いていた。　新鮮な状態のきのこが全く見つからず今日の撮影は無理かもしれないと諦めかけていたら、道路わきに積まれたスギ材の柵に小さな褐色のきのこが見つかった。カサの周囲にハッキリ条線がありやや粘性がある。ベニタケ科のように見えるのにスギから生えているのは変なので、ひとまず撮影してから採取してチェックすると、どうやらニセクサハツらしいと分かった。スギと言ってもかなり腐朽が進んでいるため、材上生ということにならないと考えていいのだろうか。　いつもイグチがよく出る斜面も乾いていて何も見つからなかったが、枯葉に埋もれた小さな細い幼菌を１本だけ見つけた。柄には隆起した大きな縦長の網目があり、カサの中心が尖っている。ここで何度か見つけたことがあるヤシャイグチだった。今まで見た中では最も小さいものだと思う。　草に埋もれてラッパ型のきのこが並んでいた。少し古くなっていたがミキイロウスタケだ。きれいに一列に並んでいたが、これも菌輪の一部なのだろうか。　今月初旬にここの谷戸で、ニオウシメジが生えて話題になっていたので見に行ったが、もう色が変わっていて異臭も漂っていたので撮らなかった。その周囲に柿の木が数本あって、熟した実がいっぱい落ちていた。いくつもの柿の種子からカキノミタケが出ていた。落ちたばかりの新しい柿の種からいくつも生えているが、どういうタイミングで菌が入り込むのか不思議なきのこだと思った。まるで鹿の角のような形が面白い。やはり、柿の実をバックに入れるのがこのきのこらしい写真だろう。



２００４年９月２０日(月・祝）富士山西麓・大室山② 山梨県上九一色村	富士山の北西部に標高１，４６８ｍの大室山がある。富士の裾野に広がる広大な溶岩樹海の中にあって、溶岩の直撃を免れたために今でも周囲とは植相が異なり、落葉広葉樹が多い。そのため周囲とはまったく違うきのこがたくさん出ると聞いた。これに期待して大室山に近いポイントでビバーク。早朝から探索を開始した。　歩き始めてすぐ、また、モミの樹を中心にした大きな菌輪を見つけた。今度の菌輪の主はワタカラカサタケだった。ところが、きのこ本体が異常に大きいものがある。富士山のきのこは相対的に大型になるらしいが、それにしてもカサの直径が１０センチを超えるワタカラカサタケには驚いた。　散策路の脇に点々と水色のベニタケ科のきのこが生えていて、良く見ると大きなルリハツタケだった。先日の高麗山に比べるとずいぶん色が薄いが、逆に富士山のルリハツタケはヒダの面の方が鮮やかな色をしている。ヒダに傷をつけるとまるでインクのような紺色の液を出す。　大木の根元に白いきのこが群生していたので近づくと、きれいな褐色の鱗片をカサ一面に付けたヒトヨタケの仲間だった。図鑑で調べてホソネヒトヨタケと判明。もっともいい状態の写真が撮れた。　大きなブナの倒木にブナハリタケのすっかり採取された跡があった。そして、同じ倒木に大群生しているきのこがあった。もちろんこれは採取しても食べられない毒きのこツキヨタケだ。最も大きいのはカサの幅が２６センチ。やや大きめのカサを切ってみると、同定の決め手となる根元の黒いシミがほとんどないものもあった。それにしてもこれ程の群生は初めて見た。　きれいなタマゴタケもいくつか見つかり、特に出たばかりの幼菌はいつ見てもフォトジェニックで、撮らずにはいられない。　ようやく大室山にたどり着いたが、なぜかこの山には登山道がない。遠くから見る分にはなだらかに見えるが、麓まで来ると周囲すべてが急峻でとっつきにくい。そして、大きな期待とは裏腹に、落葉樹林はちょうど夏と秋の間の端境期に入ってしまったのか、まったくと言っていいほどきのこが見当たらない。ブナの大きな立ち枯れに無数に群生したキツブナラタケの幼菌を見つけて、やっと撮影と少しだけの採取をすることができた。　その後は富士山の西側を点々と探索しながら一周してきたが、特に目新しいものを見つけることができなかった。　少々期待はずれの感はあったが、それでも数種はいい写真を撮ることができた。





２００４年９月１９日(日) 富士山西麓・大室山① 山梨県鳴沢村	「月の裏側に何があるのか・・・」と言うほど大袈裟ではないにしても、神奈川県に住んでいると富士山の西麓というのはそんなイメージの興味深い所だ。３連休の後半は車でビバークして富士山西麓を探索してみた。　西側に回る前に寄り道したポイントは「鳴沢氷穴→富岳風穴」の青木ガ原樹海。歩き始めてすぐに見つけたのは、明るい褐色のカサに黄色のササクレ状の模様のある柄を持つきのこ。根元が太くなる特徴などからツバフウセンタケのようだ。かなり広い範囲に散らばって生えていた。　樹の根元に赤いカサのきのこを見つけた。先日の太郎坊(南麓）でもよく見かけたキノボリイグチだ。これもあちこちの樹に形のいい幼菌が生えていた。紅色のカサに淡い色のササクレ状の鱗片が覆っている。乾いているとヌメリがあるようにはまったく見えないが、カサには強い粘性がある。　ヒノキ（？）の葉が積もったところに大きなきのこが群生していた。独特の明るい褐色にはっきりした条線があり、柄も同じような色。カバイロツルタケのようだ。さすが富士山ではどんな種類のきのこだろうと、絵になる生え方をしてくれる。背景を選んで構図やアングルを決める・・・というより、あらゆる方向から撮ってみても絵になる。　夕暮れ近くなって車に戻りかけると、見慣れない黒っぽい２本が目に留まった。上から見るとほとんど全体がこげ茶色にしか見えないが、ヒダが白く際立ったコントラストになっている。これは初めて見るクロチチタケだと喜んだが、傷をつけても肉、乳液とも赤くならない。クロチチダマシの方だった。　明るいうちにビバークの場所を決めて、コーヒーの肴(?)にキノボリイグチを焼いてみた。ほとんど味がなく、煮込み料理に適したきのこのようだ。



２００４年９月１８日(土) 高麗山・湘南平神奈川県大磯町	里山できのこが爆発していると聞きながら、なかなかマイフィールドにしている高麗山に行けなかったので、内心ヤキモキしていた。この時期に見たいきのこが２～３種あるのでそれらを目標に探索を始めた。朝から薄曇りで日差しがなかったのに気温は高く、南からの湿った空気で湿度が高く、汗が流れて疲れるという気候だった。　まず１種目の狙いはルリハツタケで、近郊ではこの山でしか見たことがないちょっと珍しい種類だ。途中の斜面に純白のテングタケ科のきのこを見つけた。柄に強い段だら模様があるのでドクツルタケの仲間だろうと思ったが、赤っぽい部分（アケボノドクツルタケ）がなく、ツボの下部が細長く延びている（ニオイドクツルタケ）こともない。ドクツルタケそのものの可能性も出てきたので試薬（ＫＯＨ）を付けてみたところ、なんとまったく変色しない。となるとシロタマゴテングタケと言うことになるが、柄の段だら模様がほとんどないのが特徴とあるので、この程度を変異の範疇内としていいのか迷ってしまう。　さらに道を進むと、落ち枝や枯葉の隙間にわずかな青い色を見つけた。「あった！」思わず声をあげてしまった。久しぶりに見るいい色のルリハツタケだ。学名にもインディゴという青い色の名前が付いている。何度見ても不思議な色に驚いてしまう。　もう１種、「テングタケ通り(自称）」に出る珍菌「クロニガイグチ」を探したが、残念ながら見つけることはできなかった。昨年８月末にきれいなものを見つけて撮影したが、標本採取をしなかったことが未だに悔やまれる。　他には白いテングタケ科のきのこをもう２種見つけた。どちらもカサに尖った突起をいっぱい付ける種類で、一つは高さ５センチほどのコシロオニタケの幼菌。根元がカブラ状に太くなりオニテングタケの幼菌かとも思ったが、根元に縦の裂け目がないこととカサの突起の先が褐色になっていることで本種とした。　もう一つは大型のシロオニタケで、数箇所に群生しているのが見られた。乾燥のせいでカサが裂けてしまった成菌をバックに、新鮮な幼菌を撮った。この幼菌でも高さは１０センチ以上あった。 ※明日は愛車「竹ベンツ」での遠征ビバークをする予定のため、次の「きのこ探して」更新は２０日の夜以降になる。



２００４年９月１２日(日) 南郷・上の山公園神奈川県葉山町（神奈川キノコの会）	この時期、地域によってかなりきのこの出方に偏りがあるのだろうか。横浜の里山などでは爆発的に大型きのこが生えているらしく、昨日は厚木方面でタマゴタケの大群生を見たとの話も聞いた。ところが今日の勉強会の上の山公園では、あまり驚くほどの状態ではなかった。　ハラタケ科のきのこがずいぶんたくさん採取されていたが、奇妙な１本を自分でも見つけた。散策路から斜面を見下ろして見つけたときは、遠目にもザラエノハラタケだと分かるものだった。中央部が濃くて放射状に広がる粗い鱗片からそうだと思ったが、柄を見て驚いた。新鮮な状態にもかかわらず、柄が「ザラエ」ではなく平滑でササクレや鱗片が全くない。後の同定会では試薬による変色からむしろナカグロモリノカサに近い種類ということになった。　ごく小さな２種類のきのこが一緒に生えているのが見つかり、取り合わせの面白さから撮影させてもらった。濃い赤紫の小型菌に根元に、キソウメンタケのような細い３本が立っている。先の部分だけが赤くなっているのでむしろナギナタタケに近いのかも知れない。　シロソウメンタケ科のきのこは小さくてまばらに生えていることが多いので、今まで見つけてもなかなか写真に撮れないでいたが、今日はＫ氏がシロソウメンタケの密集した群生を見つけてくれた。マテバシイの樹下にかなりまとまって生えていた。　気温もだいぶ落ち着いて日々秋を感じるようになって来たが、はたして夏きのこの爆発の後はどう展開するのだろう。


２００４年９月１１日(土) 富士山北麓山梨県鳴沢村	先日、きのこ狩りのベテランが富士山で巨大マツタケを２本採って、地元の老人ホームへプレゼントしたことがニュースになっていた。だからという訳では決してないのだが、雨が良く降ったようなので富士山へ行ってきた。　スバルラインの東にある滝沢林道へはまだ行ったことがなかった。少し様子を見るつもりで寄ってみたが、やはり行き当たりばったりではムダに歩くことが多くなってしまう。　入り口にある「中の茶屋」の横に車を停めると、いきなりハツタケが見つかった。この付近はアカマツが多く、すぐ近くでもう１種マツの樹下に出るアミタケを見つけた。どちらも久しぶりに見るきのこで、優秀食菌なので採取もした。　少し歩くとちょうどいい感じにカサを開いているザラエノハラタケがあった。ヒダを見るときれいなピンク色だ。なかなかこのタイミングを撮ることができない。目いっぱいローアングルで撮影した。　ウラジロモミの林に入ると、１本の立ち枯れた木の根際にみごとに群生しているきのこがあった。モエギタケ科のセンボンイチメガサだ。ここ数日で一斉に生えたのだろう、どれも新鮮な状態だった。　斜面を登り詰めたところに大きな菌輪を描いているきのこがあった。良く見るとなんとクサウラベニタケだった。図鑑には広葉樹、特にブナの樹下と書かれているが、ウラジロモミを中心に直径５ｍほどの輪に並んでいる。ヒダが肉色になり柄が中空で柔らかいので間違いはない。　前回ホウキタケの仲間が何種類も見つかった鳴沢村の林道へも行ってみた。うっそうと茂る雑木林の中に、ひときわ目を引く赤いものを見つけた。１本の埋もれ木に群生したベニチャワンタケモドキだった。ベニチャワンタケとの見分けが微妙だが、下面があまり白くないので本種とした。　逆に足元にあっても、それどころか目と鼻の先にあっても気づかないようなきのこもある。このクロラッパタケは、他のきのこを撮影していてすぐ横にあったのをやっと見つけることができた。裏面はかなり明るい灰色をしている。　針葉樹の切り株にオレンジ色のヌメリのあるきのこが生えていた。初めて見るきのこで、図鑑で探してアカツムタケだと分かった。ヒダには周囲だけに淡いオレンジ色が見える。苔に囲まれた幼菌も見つかり、いい写真を撮ることができた。　ほんのわずかだけ期待したマツタケは、見つけることができなかったが、今年の富士山は久々に楽しさを感じさせてくれる状態だ。






２００４年９月　５日(日)　② 大志戸・木の実の里山梨県大和町	恒例の定点観察会を延期することにしたので、今、富士山と同様に多種のきのこを期待できそうな「大志戸・木の実の里」へ行くことにした。ここにもかなりの雨が降ったようで、登山道路には多数の枝が散乱していた。　多数のきのこを撮影することができたが、中でも比較的大きいものを選んで掲載してみた。　散策路沿いにテングタケ科の真っ白い幼菌が出ていた。カサの表面にはしっかりしたイボが一面に並び、イボの先端が淡い褐色を帯びている。コシロオニタケの幼菌だろう。ドクツルタケの仲間の幼菌が多い中、１本だけ見つけたので発生は多くなさそうだ。　斜面の中腹に同じく白いカサを広げた大きなきのこがあった。ヒダの色が灰色がかったピンクで、膜質の大きなつばが目立つ。ハラタケ属ではかなり大型になるシロオオハラタケだ。ヒダの色は次第に暗紫褐色に変わり、ほとんど黒に見えるほどになる。　かなり大型のイグチを見つけた。カサの表面は明るい褐色で粘性があり、柄の位置が中心からずれたり、カサがいびつな形をしている。どうやらハンノキイグチだと思われるが、こんなに大きくなるのだろうか。各部分の特徴は図鑑の記載とよく符合する。　何と言っても目を見張るほどの大型菌と言えば、カラカサタケを上げない訳には行かない。何箇所かで綺麗な状態を見つけることができた。幼菌でもすでに高さ３０センチを超えている。　残念ながらここを選んだ目的の一つ、ベニテングタケは見つけることができなかった。一昨年の群生は１０月初旬だったから、まだ少し早すぎたようだ。



２００４年９月　５日(日)　① 賛同メッセージリンクHP「遊々きのこ」を見て	リンクＨＰの「遊々きのこ」（フジタケさん）の９月３日分を見て、鳥肌が立つほど深く感動しました。穏やかで物静かなフジタケさんの、心の底から湧き出る熱いメッセージに強く賛同するものです。　私は自然を愛する一人の人間として、どんな小さなゴミであろうとフィールドに捨てないことを実行しているつもりです。微力ながら当ＨＰも同じメッセージを発信したいと思います。この「ドキッときのこ」をご覧の皆様は、フィールドにゴミを捨てないことを必ず守ってください。できれば「来た時より美しく」を心がけてください。　よろしくお願いします。
２００４年９月　４日(土) 富士山・太郎坊静岡県御殿場市（神奈川キノコの会）	９月最初の「神奈川キノコの会・野外勉強会」は富士山南麓の太郎坊（御殿場口登山道）で行われた。天候が不安定で雨が心配されたが、どうにか探索の間は降られなかった。　イッポンシメジ科のカラフルなきのこ、イボカサタケの仲間が何種かあったが、アカイボカサタケの面白い形が見つかったのでアップで撮ってみた。カサの中央が突出している特有のスタイルで分かりやすいきのこだが、残念ながら有毒のきのこだ。　カラマツの林に入るとすぐに、褐色の小型菌がいくつも生えていた。カサの表面に強いシワがあり柄にはツバがついている。名前もそのまま、シワカラカサタケだ。　かなり朽ちた倒木に鱗片が綺麗に並んだきのこが生えていた。スギタケの仲間で鱗片が尖って直立し、カサの表面に弱い粘性がある。どうやらスギタケモドキのようだ。良く似た数種類があるが、鱗片の形や粘性のある部分で見分けられる。食菌が多いが、粘性のある種の方がより美味しいと聞く。　解散後はいつものきのこ仲間と富士宮市の西臼塚へ移動した。　斜面一帯に点々と小型の白っぽいきのこが生えていて、カサを上から見るとキツネノカラカサに似ているが、柄の表面を綿毛状の繊維が覆っている。綺麗なワタカラカサタケだった。カサの周縁にはツバの名残がフリンジ状に並び、上へ反り返っているのが面白い。　ブナハリタケが倒木に生えていたがすでに採取された後で、わずかに小さなものが残っていた。実は何年もきのこ写真を撮っているが、ブナ帯へ行くことが少ないため、ブナハリタケを見るのは初めてだ。いくつかまともな形のものがあったので、採取することにした。　時おり雨が降ったり、晴れ間が覗いたりの不安定な天気だったが、この調子ならしばらく富士山はきのこ盛りが続きそうだ。