今日はどこまで行ったやら・・・


2004年
10月
現在へ
2004 2003年へ 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 2005年へ

2004年
10月31日(日)

びわ青少年の家
神奈川県平塚市
 1週間前はまだ夏の姿だった富士山は、今朝見るとすっかり雪をかぶって最も富士山らしい姿に変わっていた。・・・が、このところ交通渋滞がますます嫌になってきているので、日曜日はなるべく近郊の探索を心がけるようにしている。
 幸い、もう寒くなったのでここのキャンプ場には人がいなかった。しばらく何も見つけられず、今日はハズレか・・・と思ったとき、明るい褐色の小さなきのこが目に付いた。一つ採取してみるとヒダが柄に垂生している。オウギタケでもなし、クギタケでもなし・・・と考えて、やっとハダイロガサにたどり着いた。あまり見かけないきのこなので、スッと名前が出てこない。
 一本の切り株に何かの幼菌がびっしり生えている。何かの、と言うまでもなくこういう生え方はナラタケに違いない。地中に伸びた根からもいっぱい出ているので、数日後にはみごとな光景が見られるだろう。
 急斜面を登ってみるとアシボソノボリリュウタケがあちこちに出ていた。これは子嚢菌だからカサの上面に胞子を作る仲間で、カサが鞍型になったりさらに反り返って円盤状になるものもあって面白い。
 別の斜面では紫色の小さなきのこを見つけて、サクラタケだろうと思ったがやや紫色が濃い。イッポンシメジ科の仲間かと思ってヒダを見ると、なんと真っ白ではないか。2000年以来4年ぶりに見るヒメムラサキシメジだ。そして、まさに撮影をしようとしていたその時、携帯電話が鳴ってK氏が横浜でヒメムラサキシメジがたくさん出ているから撮りに来ないかと教えてくれた。なんと言う偶然! 今たくさん出ているのかも知れない。
 珍しいと言えば、今年の7月にここでアシナガトマヤタケを見つけたのでチェックに行ってみると、今度はなんとアカヒダカラカサタケが出ていた。このポイントはいつも何か珍しいものが見つかる特異な場所のようだ。
 最後に珍しくはないがきれいなムラサキシメジを見つけた。あまり肉厚ではなく色も薄い。これは場所によって色や大きさに変化が大きくて、とても同種とは思えないときもあるが、本当に全部ムラサキシメジにしていいのだろうか。
 今年はこの時期になっても興味深いものが見られるので、まだしばらくは探索を楽しむことができそうだ。
2004年
10月24日(日)

高麗山・天王山城跡
神奈川県大磯町
 昨日の急斜面の登り下りと帰途での度たびの渋滞とですっかり疲れてしまったので、最短距離の高麗山に行くことにした。ただ、今まで行ったことのない道を探してみようと地図を見ると、南麓に「天王山城跡」というのを見つけた。麓に車を停めて登り始めたが、途中で道を間違ったのか城跡にはたどり着けなかった。
 雨の量が多すぎるのも良くないのだろうか、きのこの姿がほとんど見えない。たまに見つけても雨に打たれて傷んでいる。
 そんな中、堂々とした姿で目に飛び込んできたのはウラベニホテイシメジだった。カサに光沢があり白いカスリ模様と斑紋があるので、一見して本種だと分かる。
 ところがそこから数メートル離れた場所にもう1本生えていて、カサにカスリ模様も斑紋もない。柄をつまむと中空のように弱々しい。となるとこれはクサウラベニタケになるのだろうか。撮影後に柄を裂いてみると、虫に食われて中がオガクズ状態になっていた。カサを詳しく見るとどうやらこれもウラベニホテイシメジになりそうだ。・・・が、こちらは虫にやられてなくても食べる気はしない。「名人泣かせ」の面目躍如というところか。
 もう一つ、被写体になってくれたのは幼菌と並んで立つカブラアセタケ。これも撮影後に根元がカブラ状に膨らんでいるのを調べて名前が分かった。
 晩秋の里山は種類が減って、次第に寂しくなっていく。
2004年
10月23日(土)

大志戸・木の実の里
山梨県大和町
 2001年9月に台風15号によってこの「木の実の里」の道路が寸断されてしまったが、その後1年で復旧していた。先日来の大型台風上陸でまた被害が出ているのではないかと、とても気になったので確認に行ってきた。
 道路にはまったく被害がなく、わずかに土砂崩れがあったくらいで、あまり影響はなかったようでホッとした。
 散策路を登って行くと2001年の時に見た同じ場所に、大きなミヤマタマゴタケが出ていた。ちょうどツバができかかるタイミングだったのでローアングルで撮る。
 この山は優秀な食菌が何種類も生える所なので、今日は何に出会えるのか期待をこめて探索していたが、なんと次に見つけたのは見るからに旨そうなカキシメジだった。中毒の多い御三家に数えられる毒きのこだ。
 何種類かのフウセンタケ科のきのこが見つかるが、どうにも同定しきれないものが多い。際立った特徴がないというのは本当に困りものだとグチを言っていたら、極めて分かりやすいきのこを見つけた。カサが「萌黄色」をしている、その名もモエギタケ。なかなか美味な食菌だと聞いたが、1本だけだったので採らなかった。
 やっと「優秀食菌」を見つけた。きれいなワインレッドをしたサクラシメジだ。幼菌と柄の長い成菌2本を採取した。苦味のある旨いきのこだ。
 散策路の行き止まりまで行って昼食を摂り、丁寧に探索しながら戻っていくと岩が露出した斜面があった。こういう岩の下側に何か出ていることが多いのでチェックしてみた。足元を確かめながら進むと、独特のカスリ模様のある黒いカサが目に入った。「シモフリシメジだ。やっぱりあった!」と大いに納得。付近にいくつも散生していた。とても美味しいきのこだが、遠くから見ただけではまず見つからない。
 さて、今日はこの2種をどう料理したものか・・・。考えながら帰途に着いた。
2004年
10月17日(日)

七沢森林公園
神奈川県厚木市
 昨日は暖房が必要で今日は冷房・・・これでは風邪が治るはずがない。朝から抜けるような青空だったので「日光浴」がてらきのこ撮影に出かけた。
 公園整備の人に「これはキヌガサタケ?」と聞かれて見ると、白い卵がいくつも地面に顔を出している。「たぶんスッポンタケ」と説明しながら、独特の異臭に気づいた。卵は臭わないはず・・・と、周囲を探すと茂みの根際に1本成菌が生えていた。大きな卵もあったので今まで撮っていなかった断面の写真を撮った。
 もう1種、これも今までいい状態を見られなかったフサタケを見つけた。これを見つける度に「シダレハナビタケか?」と期待するが、枝が上へ曲がっているのでフサタケだ。枝が下へ曲がるシダレハナビタケは撮りたいと思っている種類の一つだ。
 きれいな苔のところに鮮やかな黄色の硬質菌ダイダイタケが並んでいた。カメラの絞りや補正をあれこれ変えてみても、肉眼で見るみごとなコントラストが表現できない。肉眼で見る限りでは「Gallery」級のシーンなのだが、腕が届かないのが悔しい。何とか画像処理をしてみて、鮮やかな黄色だけは出せた。
 「沢のさんぽみち」を降りていくと極小の白いきのこが見つかった。高さが3センチ弱。これではEOS-10Dはお手上げで、Nikon-E5000の登場となる。ニオイアシナガタケかと思うが頂点の形が特徴的で、とりあえずクヌギタケ属にしておく。
 この道で以前にも見つけたクロサカズキシメジが、同じところに幼菌と並んで生えていた。低い位置に生えたヒダに特徴のあるきのこは、本当に撮りづらくて困りものだ。ポケットミラーを2枚使って、何とかそれらしく撮れたか。※種名はヒダサカズキタケが正しい。
 午後2時を過ぎるともう日が傾いて赤くなり、低く差し込む光が撮影の邪魔になる。これからは撮影できる時間がどんどん短くなるのだろう。
2004年
10月16日(土)

地獄沢(高麗山)
神奈川県大磯町
 今日は横須賀の神武寺で行われる「横須賀市自然博物館」の観察会に、「神奈川キノコの会」が参加して「きのこ勉強会」を行う日だったが、こともあろうに風邪による強い頭痛で欠席してしまった。週前半の「秋の長雨」の後とあって条件がいいので悔やまれた。
 しかたなく薬を飲んで一眠りすると、幸運にも風邪の症状はほとんどなくなった。・・・が、そうなると今度は部屋でじっとしていられない。風邪より「きのこの病」の方が重症だ。
 もっとも手近に行けるポイントは高麗山の地獄沢。1時間だけ歩くことにした。・・・すると、途中の道路わきの斜面にさっそく大きな群生を発見。ハラタケ属の種類であることは一見して分かったが、種名は分からない。カサの表面はザラエノハラタケなのだが柄にほとんどササクレがない。最近よく見つかるハラタケ属のきのこだ。きれいな群生だった。
 地獄沢に入ると小型のきのこがたくさん出ていたが、今日は時間がないので大雑把に被写体を選んだ。きれいなチシオタケを発見。カサの周囲のフリンジ飾りがみごとに揃っている。超クローズアップ撮影をする。
 先日の台風のせいか倒木が多く、枝や葉が堆積して歩きづらい。ふと足元に地味な色の幼菌を見つけて、付近を探してみると次々に束生しているのが見つかった。ナラタケの幼菌だった。富士山で見たキツブナラタケに良く似ているが、カサの中央付近に黒褐色の毛が密生している。どうやらクロゲナラタケのようだ。まだほとんどが幼菌だったがカサを開いたものを見つけて撮影。
 短時間にしてはまずまずの成果で、いい写真も撮れた。
2004年
10月11日(月・祝)

新治市民の森
神奈川県横浜市
 今月も日程を変更して、定点観察会を今日実施した。今日も朝から雨が降り続き、昨日の状況から考えてあまりいい状態ではないと思っていた。
 ところが、車を駐車場に停めた直後から次々にいろんなきのこが見つかる。まず、草に埋もれたムジナタケとみごとに群生していたオニタケを発見。先日、富士山で大きなオニタケに驚いたが、ここにもカサ径10センチを超える大きなものがあった。放射状に広がった尖った鱗片がとてもきれいで、肉眼で見えにくいほど極めて密なヒダが特徴。食菌なので数人で持ち帰ることになった。
 クサウラベニタケの特徴を持ちながら、カサがアズキ色を帯びたものが時どき神奈川キノコの会の勉強会で見つかり、城川会長により「アズキクサウラ」という仮称が付けられているが、ここで見つけたのは初めてだ。カサの色がやや薄いがクサウラベニタケとは違う色合いをしている。
 いつも昼食を摂る「池ぶち広場」にはチップが敷き詰められていて、時どきツチヒラタケが生える。地面から直接ヒラタケ状に生えるので汚れていることが多いが、今日は雨後にもかかわらずなかなかきれいな状態が撮れた。
 この森にはハタケシメジが群生する所があって、この時期になると毎年チェックをするのが楽しみなのだが、今日はいくつかの幼菌と1株だけ成菌を見つけることができた。きっと数日後にはもっと多く発生するのだろう。
 今日は腹菌類の卵を何種類も見つけた。スッポンタケ、キツネノエフデ、カニノツメなどなど。中には何の幼菌か分からないものもあったが、一つ、種名がはっきり分かる面白い卵が見つかった。ゼリー状の中に鮮やかなオレンジ色の「Y」字が見える。これはサンコタケの幼菌に違いない。いつも思うことだがこの仲間にはとても動物的なイメージを受ける。
2004年
10月10日(日)

茅ヶ崎自然生態園
「親子きのこ観察会」

神奈川県横浜市
 昨年、台風の直撃で中止になってしまった恒例の「親子きのこ観察会」の、今年の予定がなんと昨日、9日だった。そしてまたまた超大型台風の直撃となったが、昨年の経験から「予備日」を設けてあったので今日、開催することができた。予報の「台風一過の秋晴れ」とは違ったが、暑くなく雨も降らない快適な観察会だった。
 大雨の直後できのこは多くなかったが、1本の立ち枯れた木にキクラゲが大量に生えていて、みんな大喜びで採取していた。
 採ってきたきのこの名前を調べていた我が「きのこ先生」達が、口をそろえて「信じられない!」と驚いたきのこがあった。クヌギかコナラと思われる木のウロで採取したという、紛れもないマイタケ。小さな株だったが、まさかここで見るとは思わなかった。
 その後は「きのこクイズ」が始まり、めいめいに「難問?」に取り組む。当HPの「きのこのこのこ」コーナーからも3種を出題した。なんと全問正解者が2人もいて、「豪華?」な記念品が贈られた。
 最後はみんなお待ちかねの「シイタケ試食会」。ホダ木にビッシリ生えたシイタケを自分の手で取って、マキ火で焼いて食べる。この美味しさは格別で「きのこ嫌い」の子供たちまで喜んで食べるようになったと好評。食べきれないと思うほど焼いたが、ひとかけらも残らなかった。
 親も子もスタッフも入り混じっての「ワイワイきのこ会」という感じで、楽しさの余韻を残して終了した。
2004年
10月 2日(土)

富士山・須走口登山道
山梨県小山町
 爆発的にきのこが出ていた富士山が、急に静かになったようだ。今週はまとまった雨も多かったので、きっと「秋のきのこ」が出始めたに違いないと、ふじあざみラインの五合目「須走口登山道」へ行ってきた。
 登山道に入ってすぐに目に付いたのが黄色っぽいベニタケ科のきのこ。いたるところに点々と出ているので、まだキチチタケがあるのかと思ったら、黄色いカサの所どころに緑色のシミがある。ヒダにもはっきり緑色が見えるのでこれはキハツダケだ。図鑑では食菌となっているが美味しくないのだろう、誰も採っている様子がない。
 2年前、「遊々きのこ」のフジタケさんの情報で見つけたベニテングタケの場所へ行ってみたが、残念ながらもう遅かったようで1本も見つからなかった。元気に出ていたのはオオキツネタケだった。根元にわずかながら紫色の部分が確認できた。
 そのあたりからハナイグチが見つかり始めて、幼菌から大きな成菌までかなりの数が出ている。確かベニテングタケと同じ頃に多く生えるきのこだと思っていたら、そこで話しかけてきた人も同じことを言っていた。狂い咲きのような生え方ではなく、しっかりした発生のピークになっていた。
 同じようにヤマイグチもたくさんあったが、こちらはやや乾燥気味であまり元気のある様子ではなかった。
 「ややっ!ホンシメジか?」と思うきのこがあった。カサは灰色から黒に近くカスリ模様がある。柄は白く根元が大きく膨らむ。ところが幼菌でも柄が柔らかく成菌になるとヒダがやや褐色になるようだ。なんだろう?カクミノシメジかとも思ったが傷つけても黒くならない。図鑑でも見つけることができなかった。
 昨年ほどひどくはないにしても、やはり今年も「秋のきのこ」は少ないのかも知れない。
pagetop