今日はどこまで行ったやら・・・


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2003年
12月28日(日)

寺家ふるさと村
神奈川県横浜市
 ひと月ほど前からここでエノキタケが良く出ていると、2、3人の方から教えてもらったので、やはりこの季節は他を探すより確実だろうと思い、行ってみることにした。来年1月11日までは事務所ホールで中山勉氏の「きのこ写真展」を開催しているので、それを見るのも目的のひとつだった。
 今日は風こそ強くないものの気温は低く、11時ごろになっても日陰は霜が溶けていなかった。そんなすべてが凍っているような中でもエノキタケは元気に生えている。カサの直径5センチ以上になっているものもあって、きのこの組織に何か耐寒の仕組みでもあるのだろうかと不思議に思う。
 谷戸からかなり奥の湿地にも入ってみたが、やはり見つかるのは硬質菌ばかりで、わずかに1種だけヒトヨタケ科のナヨタケ属と思われる幼菌が見つかった。
 昼食の後はさらに別の谷戸を探索してみたが、見つかったのはさらに元気なエノキタケだった。苔むした倒木に群生する様子は、本当に寒さが好きなきのこなのだと改めて感心させられてしまう。雪こそ被っていなかったが、この季節に元気なきのこを撮れるのは嬉しいものだ。
2003年
12月27日(土)

七沢自然保護センター
神奈川県厚木市
 ようやく今年の仕事も終わり、連休に入ったので初日は少しのんびりと朝寝をしたら、親しい「菌友」から「雪です!」のメールが届いていた。あわてて七沢へ車を走らせて「県立自然保護センター」へ行った。ここはエノキタケやヒラタケが出るところなので雪のシーンは見逃せない。
 すぐに見つけたのは新鮮なチャウロコタケ。少し黒くなったものも環紋が鮮やかできれいだった。
 その近くの枝には、これも新鮮なモミジウロコタケが群生していた。これらの堅いきのこも新しいものはなかなかきれいな写真が撮れる。
 エノキタケやヒラタケのあるポイントをくまなく探したが、残念ながら見つけられなかった。一昨年、投棄されたホダ木に生えたナメコを撮った所へ行ってみると、わずかながら幼菌が出ていて、雪を被ったいいシーンが撮れた。この写真はエノキタケが定番かもしれないが、ナメコもまた違った趣があっていいものだ。
2003年
12月23日(火・祝)

高麗山・地獄沢
神奈川県大磯町
 今年も残すところあと1週間余りとなってしまった。この土日は気温が下がって真冬の気候だったので、きのこ探索はままならなかったが、今日は気温も高くなり穏やかな1日だったので、いつもの高麗山へ撮影に出かけた。
 いくら暖かくなっても雨が降ってなければ、尾根筋はカラカラに乾燥していてきのこは見つからなかった。北東側の山腹にある「けやきの広場」へ下りていってようやく1種発見。カサの中央が中高になっていてヒダが黒っぽく、柄は白くて根元に白い菌糸が密生している。どうやらナヨタケのようだ。こんな真冬になってもまだ生えている。
 もう1種類は地獄沢の堰堤上で見つけたヒラタケ。1〜2年前はあちこちで群生が見られたが今年はほとんど見られない。これもカサ径3センチくらいの数個が出ているだけだった。今年はエノキタケもあまり見つからず、ちょっと寂しい締めくくりとなってしまったが、今週に雨が降れば少しは変わるのかもしれない。
2003年
12月14日(日)

新治市民の森
神奈川県横浜市
 今年最後の新治での定点観察は爽やかな快晴に恵まれて、ゆったりした気分で探索をすることができた。
 ここ何回かの観察でいつも顔を見せるヒトヨタケが、まだ元気にいくつも出ている。直径4〜5センチもある小石を押しのけて力強く生えてきている。前に比べるとややカサの色が褐色がかっているが、柄もヒダの厚みもいつもよりしっかりしているようでボリュームがある。
 やはりこの季節になるとあちこちの広葉樹の倒木や立ち枯れた木の根元に、きれいなエノキタケを見つけることができた。新鮮な間はカサに強いヌメリがあり、したたるしずくが輝いて見える。この時季、もっともいい被写体になってくれる。
 かなりぬかるんだ泥に落ち枝が埋もれていて、そこから高さ5センチほどの細い茶褐色のきのこが3本並んでいた。特に目を引くのが柄の中ほどにしっかりついている白いツバで、こんな姿のきのこを今まで見た記憶がない。フウセンタケ科のケコガサタケ属が形態としては似ているように思うが、こんなしっかりしたツバを持つものは図鑑で見つけられなかった。
 ※後日、検鏡していただいた結果、一旦はオキナタケ科のクサアジロガサとされたが、柄に白い鱗片があることから近縁の別種となった。
 なかなかユニークなスタイルで興味深い腹菌類が見つかった。発見者も誰かがいたずらで楊枝に何かを刺したものだと思ったらしい。ヒメツチグリ科のコフキクロツチガキだ。外皮が裂けて開くと、胞子を持った内皮がまるで橋の欄干の擬宝珠に似た形で柄を伸ばしている。中心に尖った突起があり表面をルーペで見ると何本もの溝線が見られる。孔縁板と呼ばれる部分で、この間から胞子を噴き出す仕組みになっている。
 硬質菌も含めると40種くらいを観察することができて、この季節としてはまずまずの成果だったと思う。
2003年
12月 6日(土)

谷戸山公園
神奈川県座間市
 とうとう12月になってしまった。師走のスタートは遠征も考えていたが、雨が降るとの予報だったので近くの自然公園にした。
 昨日、少し雨が降ったが本格的な冬になってしまってはハラタケ類は期待できない。やっと見つけたのはどこにでもあるカワラタケ。米粒ほどの幼菌がいっぱい並んで、少し大きめのカサもビロードのような毛に覆われているので、まるでネコの足のように見える。
 もう1種も堅いきのこで、これも年中見ることができるツヤウチワタケだ。今日の公園内ではこれが最も多かった。群生しているとなかなか迫力のあるきのこだが、今日は新鮮なものが少なかった。
 柔らかいきのこでは、先月あたりからしょっちゅう登場するニガクリタケが、やはりここでもきれいな姿で生えている。広葉樹、針葉樹を問わず、季節を問わず、ビッシリと群生する本当に生命力の強いきのこなのだろう。食菌なら申し分ないのだが・・・。苦い上に猛毒ではどうしようもない。
 結局、天気予報は大きくズレたようで、ほんの数粒の雨を感じただけだった。
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