今日はどこまで行ったやら・・・


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2003年
8月31日(日)

城山公園
神奈川県大磯町
 昨日の湘南平からそう遠くないので、あまり状況は変わらないと思ったが、遠出もできないので探索してみた。天気予報もみごとに外れて雨のはずが快晴。撮影のたびに汗が流れ落ちた。
 竹やぶのはずれに明るい褐色のきのこが、数本ずつまとまって菌輪を描いている。カサの直径は6〜7センチもあるが、外見を見ただけでは名前が浮かんでこない。大きく開いた一本を採取してみてすぐに分かった。ヒダがきれいな紫色をしている。久しぶりに見るウラムラサキシメジだ。直径2メートル近い菌輪のうち3分の2くらいに点々と並んでいた。
 そのすぐ近くにカサの表面がひび割れた、灰色がかった中型のきのこが出ていた。しっかりしたツバがあり、ツバの上に褐色の胞子が乗っている。柄は白くて平滑。少し小さいがナカグロモリノカサだろう。乾燥するとよくカサがひび割れるようだ。
 苔の上に赤いきのこが1本だけ生えている。カサの表面が細かくひび割れて、苔を背景に美しい。コウジタケだ。柄にも赤い条線があって管孔は黄色い。少し甘ったるいニオイがする。
 帰り際に散策路のすぐ横で、高さ10センチ以上あるツエタケを見つけた。ところが、カサの表面にハッキリしたシワ状の模様がある。カサの粘性が急激に乾いたためだろうか。こんなに極端な模様になっているのは初めて見た。まるで別種ではないかと思えるようなカサだ。
 気温がどんどん上がりだしたので、昼過ぎには切り上げて退散した。
2003年
8月30日(土)

高麗山・湘南平
神奈川県大磯町
 大ハズレにもめげず「残暑は厳しい」という長期予報だが、やはりまだエアコンがなくても過ごせる程度だ。山からはもうハナイグチが出たという情報も伝わってきた。
 ところがマイフィールドの高麗山はまだきのこがない。地元の方に聞いてみると「少し前には大きなきのこがあった」とか。やはりここも「夏枯れ」か・・・。
 前回と同じコースを歩いてやっと見つけたのは、ドクツルタケの仲間の幼菌。ちょうどツボを破って顔を出したところ。撮り頃の成菌もあった。
 いたるところの落ち枝にツヤウチワタケが一斉に出はじめたようで、明るい褐色が美しく目立つ。珍しくはないが、きのこの多いときには無視してしまい勝ちなので撮っておく。
 引き返す道でわずかにコースを変えてみたら、そこにちょうどいい状態のクロニガイグチが2本だけ生えていた。確か2年前にここで似たような老菌を見ていたのでチェックしてみて大正解!これも分布が限られているらしく、あまりお目にかかれないきのこだ。
2003年
8月25日(月)

七沢森林公園
神奈川県厚木市
 あるTV番組の制作スタッフからきのこに関する協力要請があり、ロケハンを兼ねて七沢森林公園をスタッフと歩いた。すでに午後遅くだったので大まかに歩いただけだったが、当HP向きの2種を見つけたのでスタッフと別れた後撮影に戻った。
 沢沿いの一帯にキヅタと思われる黒い落ち枝がたくさんあり、そのいくつかにベニチャワンタケモドキがいっぱい出ていた。どれも新鮮な状態でその鮮やかな赤が美しい。これこそがまさしく緋色という色だろう。
 もう1種は前回の8月2日に私を大喜びさせたウズタケが、もう一回り小さい子実体を出していた。三脚を持たずに来たためカサの上からは撮れないが、低い位置に生えているのでカメラを地面に置いていいカットが撮れた。前回には無かったのだから意外に早く成長することが分かった。
2003年
8月24日(日)

軽井沢
長野県軽井沢町
 暑くなったのでいつもなら避暑を兼ねて富士山へ行くところだが、ただ今「竹ベンツ」が不調につき車での遠出ができない。そこで電車で行ける避暑地は・・・と考えて軽井沢を思いついた。
 抜けるような青空が清々しく、もういわし雲が高くなびいていた。まずは中軽井沢の「野鳥の森」からスタート。ここも数日前に雨が降ったらしく地面は湿っている。次々ときのこが現れ、先へ進めないのでは・・・と期待したのだが、一体どうしたわけかまったくきのこが見当たらない。遠路はるばる軽井沢までやってきて、みごとに「ハザカイ期」に当たってしまったようだ。
 さすが避暑地、汗が噴き出すようなことはなかったが、ただ歩くだけのきのこ探索は気分的に疲れる。ようやくカラマツの倒木に群生するニカワハリタケを見つけて、やっと撮影に取りかかることができた。ゼラチン質のきのこで下面に軟質の針状突起がビッシリ生えているので、別名「ネコノシタ」と呼ばれている。同じ群生の中に上面が灰褐色のものと、全体が白色のものが混じっている。
 テングタケ科のきのこもほとんど見ることがなかったが、小瀬林道の終わり近くやっとドクツルタケの仲間クロタマゴテングタケを見つけることができた。
 後日、図鑑や他のHPで調べた結果クロタマゴテングタケではなく「コテングタケ」らしいことが分かった。
 カラマツが多い混交林で開けた斜面もたくさんあるので、きのこが出ないはずがない環境だ。ぜひ次回に期待したいと思った。
2003年
8月23日(土)

芝公園
東京都港区
 ここ2〜3日、東京ではやっと夏らしい気候になり、ヒグラシやツクツクボウシにコオロギまでが加わって、なんとも不思議な大不協和音を奏でている。
 恒例となった仕事帰りの芝公園だが、夏至も立秋もはるかに過ぎてすでに日が短いので撮影もままならない。しかも、1〜2秒も立ち止まるとすさまじいヤブ蚊軍団の総攻撃に遭う。奴ら・・・・・・(失礼!)、彼女達も短い夏に死に物狂いの様子だ。
 相変わらずウッドチップには数種のヒトヨタケ科きのこが生えている。クズヒトヨタケのように思える灰色タイプが大発生していて、すでにほとんどがしおれていた。中に明らかにタイプの違う褐色のカサのものも群生していたが、こちらは逆に成菌が少なくまだこれからという感じで種名は分からない。
 とても蚊の攻撃に耐えられず、一目散に逃げ出した。
2003年
8月17日(日)

泉の森公園
神奈川県大和市
 やはり今日も雨が降り、昨日より小雨にはなってきたものの、風に漂う霧雨はかえって傘が役に立たないので、カメラには良くないに違いない。
 いくつかのきのこが見つかるものの、雨に打たれて傷んでいるものが多い。そんな中、ようやくいい姿のテングタケダマシを見つけた。このところあちこちの里山でよく見かける。テングタケよりやや小型で、カサの鱗片が三角に尖っているので見分けやすい。すぐ横にはなんとも可愛い幼菌が2個生えていた。クローズアップレンズをNo.9に変えて、大きく表情を捉えてみた。
 枯葉が深く積もった林の中ではタマゴテングタケモドキがいくつも出ていたが、成菌はほとんど傷んでいて柄の伸びた幼菌がいい被写体になった。そして、さらに小さな幼菌も・・・。しかし、これはまた、当HPの編集の都合上、ここではお見せできない。後日にご期待を。
2003年
8月16日(土)

高尾山
東京都八王子市
(神奈川キノコの会)
 「今年の夏はもう終わった」などとささやかれているが、むしろ「今年の夏は無かった」と言った方が正しいように思う。まるで梅雨に逆戻りしたかのように、何日も雨が降り肌寒い日が続く。
 その雨の中で敢行された「野外勉強会」だが、やはり採取されるきのこは少なく状態も良くない。テングタケ科やイグチ科などが数種ずつあったのが多い方で、タマノリイグチなどは初めて見る種類だったが、こう雨が降り続いてはカメラを出す気になれなかった。
 こんなに晴れの少ない、そして気温の低い夏では、きのこどころではなく農作物や経済そのものへの影響も心配だ。
 来週あたりは少し夏らしくなるとの予報だが、このコーナーに写真がないのは今日限りになってもらいたいものだ。
2003年
8月10日(日)

新治市民の森
神奈川県横浜市
 月例の定点観察会を1週間遅らせて今日行った。日本列島をなぞるように縦断した台風10号は、ここにも大量の雨を降らせたはずだが、朝からの雲ひとつない天気のせいですでに地面は乾き始めていた。
 夏の「きのこハザカイ期」に入ったのか、あまり多くのものを観察することはできなかった。開始直後にいきなりヤマドリタケモドキが見つかったので、大いに期待したのだがその後しばらくは写欲の湧くものがなかった。
 昼食後、イグチの仲間が何種類も出る斜面で今年もヤシャイグチを見つけることができた。やはりカサの真ん中は尖っているが、管孔面はまだ紫色になっていない幼菌だった。
 毎年いくつかは見つけるカサが青灰色のテングタケ科のきのこをアオタマゴテングタケ(仮称)として掲載したことがあったが、最近、名前をアオミドリタマゴテングタケと決められたようだ。私はかねてより長すぎる名前を何とかして欲しいと願っているので、この名前にも好感をもてないでいる。
 夕方かなり薄暗くなった頃、針葉樹の朽ちた切り株に1本の小型のイグチが出ていた。カサの表面が著しくシワになっている。どうやらシワチャヤマイグチの様なのだが、図鑑には広葉樹林に生えるとなっているので、その点だけがまったく異なる。針葉樹のしかも切り株そのものから生えている。その他の特徴は本種で良さそうなのだが・・・。
2003年
8月3日(日)

蓑毛公園→地獄沢
神奈川県秦野市・大磯町
 やっと本格的な夏がやって来た。朝から気温はグングン上昇し30℃を突破。暑さに慣れてない体は、滝のように汗を噴き出してバテるのも早い。
 秦野(ハダノ)市にある蓑毛(ミノゲ)自然観察の森へ行ったが、入口にある水車を写したものの中ではほとんどきのこが見当たらない。「写真資料館」に追加する目的でありふれたチャコブタケを撮影しただけ。「きのこも夏休みか?」
 困ったときの「地獄頼み」と、急いで高麗山の地獄沢へ引き返した。ところがやはりここでもきのこが見つからない。ただ一つ階段の用材から生えていたツチスギタケと思われるきのこだけ。7月の日照時間が少なすぎたのか、急激な気温の変化が悪いのか、よく分からないが「きのこが姿を消した」。
2003年
8月2日(土)

七沢森林公園
神奈川県厚木市
 東日本はとうとう気温が上がらないまま7月が終わってしまった。夏休みになったものの、海水浴や花火大会に季節外れの感がある。
 それでも8月になってようやく梅雨も開け、少しは夏らしい天気にはなってきたので、夏のきのこを探しに七沢森林公園へ行った。
 やはりまだ、大型のきのこは少ない。落ち枝に高さが3〜4センチのウラベニガサ科のきのこが出ていた。カサの中央のシワや広いヒダからヒメベニヒダタケのように思える。下のカサに赤茶色の胞子が乗っているが、ヒダはまだ肉色になってなくてほとんど白に見える。
 階段の脇や斜面にミキイロウスタケが多く見られた。新鮮な時は黄色い柄と、灰色がかったシワヒダ面が印象的だが、少し古くなると全体に暗灰色になってちょっと同定しづらいときもある。
 もう1種よく似た印象のきのこが落ち枝の下面に群生していた。カサの上からみた時はニガクリタケかと思ったが、全体に肉薄で柄も細い。これは見覚えのないきのこだとしばらく悩んだが、これはどうやら木の下に生えたために柄が短くなったオリーブサカズキタケではないだろうか。ヒダが柄に垂生していて、ヒダの並びがやや不揃いなところでそういう感じがする。
 小型ながらたいへん美しい状態のツルタケを見つけた。カサの半分くらいまで深い条線が並んで、やや反り返るころが最もきれいな姿だと思う。根元のツボは土に隠れて見えないことが多いが、はっきりした袋状のツボを持っている。
 フクロツチガキのちょうど開きかけている幼菌を見つけた。この仲間はよく似た形態のものが何種類かあって、見分けはなかなか難しい。これは内皮の中央の胞子を噴き出す穴の周囲に黒ずんだ部分(円座と呼ばれる)が見えるので、本種でいいように思う。
 夕方近くになってかなりバテてきたので、撮影はこのくらいにして車に戻ろうとしていたとき、散策路わきの斜面の岩の割れ目から生えた、褐色の光沢環紋のあるカサを見つけた。今日もっともよく見かけたニッケイタケだろうと思ったが、裏面を見てビックリ。同心円状のヒダが逆円錐状になってコマ型になっている。なんとこれはウズタケではないか!思わぬ珍菌に目を疑ったが、短いながらもはっきり柄があり、ヒダがみごとに輪を描いて重なっている。一度は見たいと思っていたきのこだけに、疲れも忘れて何枚も撮影した。もちろん今日一番の「ドキッと」だ。
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