今日はどこまで行ったやら・・・ |
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2003年 9月28日(日) 高麗山・湘南平 神奈川県大磯町 |
関東でも25日にまとまった雨が降ったらしいが、なぜかいまだに里山ではきのこがほとんど出ていない。富士山ではHP「遊々きのこ」のフジタケさんがマツタケまで見つけている(9/23)というのに、一体どうなってしまったのだろう。 こんな時は高麗山で何か珍しいきのこでも探してみるしかない。いつもそういう期待には何らかの答えを提供してくれる所だ。 ヤマザクラと思われる太い倒木に、いくつものウスヒラタケの幼菌が出ていた。どれもまだとても小さくてヒラタケの幼菌とよく似た姿をしているが、カサの色がヒラタケの濃いグレーとは異なり薄い色で白っぽい。 同じヤマザクラの落ち枝からはベニヒダタケが数本生えていた。まだほとんどヒダが白く、名前のように薄紅色になっていない。これはカサの直径1.5センチと小さいが時どき5センチを超えるカサのきれいな群生を見かける。 今日一番の「ドキッと」は朽木に生えた紅色のカサの小さなきのこで、ヒイロタケの幼菌かと思って下面を見ると、何と鮮やかな赤いヒダがある。カサの表面は繊維状の毛が密生して周縁はトゲ状に並んでいる。柄はほとんどなく、ヒダにはハッキリした赤い縁取りが見える。チャヒラタケ属のような特徴なのだがこんな色のものは図鑑では見当たらない。まったく見覚えのない不思議なきのこだ。 最後に「テングタケ通り」で見つけた高さ10センチほどのきのこも見慣れないもので、ヒダが肉色で密なのでウラベニガサ科らしいことは分かったが種名が分からない。ルーペでカサの表面をよく観察すると、褐色の粒点が網目を描いて放射状に並んでいる。どうやらフチドリベニヒダタケのようだが、ブナの倒木などに生える高山性のきのこと思っていたので驚いた。朽ちたコナラの木片から生えていた。 やはり高麗山は面白いきのこを見せてくれる所だ。 |
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2003年 9月26日(金) 奈良市の森 奈良県奈良市 |
一月遅れの夏休みをとって久しぶりの帰省をした。やはり「雨男」はお約束どおり初日の25日を1日中雨にしてしまったが、翌26日は爽やかに晴れたので自宅から歩いていける里山を歩いてみた。 結果から言ってしまえばあまりきのこが出ていなかったが、何とか絵になりそうなものを見つけて撮影してみた。 森に入ってすぐに見つけたのはカサ径2センチほどのダイダイガサ。いつも鮮やかなオレンジ色で撮影を楽しませてくれる。前日の雨でヒダにはゴミがついていたがカサは傷んでなかった。 マツの倒木にはたくさんのヒメカバイロタケが群生していた。どれも雨に打たれて濁った褐色になってしまっていたが、日の当たるところでは乾くのが早いためきれいな樺色に戻っている。 朽ちたクヌギ(?)の落ち枝に見慣れない茶褐色の小さなきのこが生えていた。カサの表面が細かな鱗片で覆われて縁にはきれいなフリンジが見える。柄も同じように鱗片がある。これはヒメスギタケだろう。今まで何度か見つけているがようやくいい状態のものを撮ることができた。一番開いたカサで直径2センチ5ミリ。モエギタケ科のきのこだ。 |
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2003年 9月23日(火・祝) 真鶴半島自然公園 神奈川県真鶴町 (神奈川キノコの会) |
台風15号のおかげ(?)で確かに2日前に、ここ真鶴半島にもたっぷりの雨が降った。そして朝から爽やかな秋晴れになった。きのこの生える条件はそろったと、誰もが予測したことと思う。 ところがどうした訳か、30人ほどの参加者が目を皿のようにして探しても、まったくと言っていいほどきのこが見つからない。会員と出会うたびに「何かありましたか?」が合言葉のようになってしまった。 やっと見つかったのが、普段ならあまり喜ばれないクサハツだが、今日は貴重なハラタケ類のきのこだ。カサの周辺に並ぶ褐色の粒線が特徴で、独特のクセの強いニオイがあって有毒。よく似たオキナクサハツには柄に細かな粒点があるので見分けやすい。 大きなマツの倒木に小さなきのこが密生していた。明るい橙褐色でカサの中央がやや窪んでいる。これはヒメカバイロタケの幼菌だ。高さはせいぜい1センチくらいしかないが、群生する姿はなかなか美しい。 竹林の中にかなり朽ちた切り株があって、いい形のマツオウジが生えていた。とても歯ごたえのある食菌だが、人によって中毒するらしい。私は個人的には少しクセのあるニオイが気になるが、たいへん美味しいという人も多い。 もう少し雨が降ればもっと秋らしくなって、発生も増えるだろうと思うが、それにしても夏以降きのこの生えない期間が長すぎる。 |
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2003年 9月21日(日) 新治市民の森 神奈川県横浜市 |
今日は恒例になった横浜市の「茅ケ崎自然生態園」での「親子キノコ観察会」の日だった。ずっと雨が降らなかったので、たとえわずかでも降ってくれないものかと願っていたら、過ぎたるはナントカで、台風15号が向かってきたため中止になってしまった。 仕方なく指導員役の予定だったきのこ仲間3人と、軽食を摂りながらのきのこ談義となったが、やや小雨になり空が明るくなるともうじっとしていられない。奇人変人の4人組に変貌して、雨の中のきのこ探索が始まった。 しかし、昨日から急に降りだした雨では出ているはずもなく、やっと見つけたのは柵の杭材に生えた小さなツノマタタケ。これなら雨がなくても生えていたと思うが、アップで撮ると雨にぬれた表情が美しく、思わぬいい写真が撮れた。 もう1種は暗い林内で見つけた冬虫夏草で、掘り出して見た時はサナギタケのように見えたが、標本にと持ち帰ったK氏から宿主が菌糸に包まれていないイモムシだったと連絡があった。昨年の10月6日に八菅山で見つかった珍菌、ベニイモムシタケと思われるきのこに酷似している。近年、発生が多くなってきているのかも知れない。 その後はまた雨脚が強くなったこともあって、きのこ談義第2章となった。 |
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2003年 9月15日(月・祝) 大志戸木の実の里 山梨県大和村 |
3連休の最終日はちょっと遠出をして、山梨県の大和村にある「木の実の里公園」を訪ねて見た。ここはきのこの豊富な所だが、雨が降ってないようでは期待できない。1種でもきれいなものがあれば良しとしようと考えた。 コナラやミズナラが多い明るい斜面を探索すると、遠くからも良く見える派手なオレンジ色のきのこがいくつもある。鮮やかな色を見せるハナガサイグチの群生だ。乾燥に強いきのこなのだろうか。いきなりきれいな1種を撮影できた。 自然界でカラフルといえば花や鳥、虫の世界があるが、こんな鮮やかな蛍光オレンジ色を持ったものは他にないように思う。一体何のためか不思議でならない。 数種類のイグチが見られたが、やはり傷んでいるものが多い。少しはマシな方だったのがコガネヤマドリだが、それでもあちこちを虫にかじられてしまっていた。 ずい分柄の細いカラカサタケを見つけた。風に揺れて撮影が困難だったが、それにしてもこの細長い柄でよく倒れないものだ。もう少し柄が短いがこれとよく似た有毒のきのこがある。カラカサタケは美味しいきのこだが、見分けるポイントはカサの鱗片が細かく放射状に散らばること、カサの地色に薄い褐色の繊維模様があること、柄全体に暗褐色の粒点があることなど。カサをフライや天ぷらにするとたいへん美味しい。 根元が大きく膨らんだ白いきのこを見つけた。テングタケ科のタマシロオニタケだ。カサの周辺にある鱗片と、柄の上部にあるツバがしっかり残るのが特徴。強い毒成分を持っているらしい。 帰路で渋滞が予測されるので早めに切り上げて出発したが、高速道路の事故のあおりを受けてどの国道も大渋滞。3連休に遠出は止めたほうが良さそうだ。 |
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2003年 9月14日(日) 葉山・山ノ上公園 神奈川県葉山町 (神奈川キノコの会) |
相変わらず雨の降らない真夏日では、きのこを探してもほとんど期待できない、と、かなり諦めムードで探索が始まったが、当然のことに堅いきのこへと的が絞られていく。 そんな中、薄暗い坂道のわきのかなり腐朽の進んだ木に、釘の頭のようなものが2個見えた。これは釘だろうと思いながら良く見ると、なんと小さなカサヒダタケだった。カサの直径1センチほどの2本が並んで生えている。とても新鮮な状態で、カサの隆起脈も周縁も白くくっきりして美しい。思わずアングルを変えながら何カットも撮影した。 今日も色鮮やかなベニチャワンタケモドキがいくつも見つかったが、この種について意外なことが分かった。今までベニチャワンタケモドキだと記録していたものが、実はベニチャワンタケだというのだ。外側に白い菌糸が見えるものはベニチャワンタケであって、ベニチャワンタケモドキはほとんどそれがないために外側が赤く見えるらしい。ところが湿った状態では白い菌糸があっても、透けて赤く見えるので、よく乾かして同定しないと紛らわしい。今まで、乾いた状態でも外側が赤いというベニチャワンタケモドキを見た記憶がない。 ベニタケ科では初めて見るフタイロベニタケがあった。少し汚れてあまり新鮮ではないが、赤のひび割れが特徴的で分かりやすいきのこだ。 やはり採取された種類は非常に少なく、堅いきのこ以外は本当に数えるほどしかなかった。 |
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2003年 9月13日(土) 湘南平・高麗山 神奈川県大磯町 |
大型台風がちょうど日本海を北上中のため、南から暖かい・・・イヤ、暑い空気が流れ込んで、じっとしていても汗が流れる。中秋の名月を過ぎてから盛夏になったのでは体調が変になるのも無理からぬことか。 ここ数日、神奈川県付近にはどこにもまとまった雨が降ってないので、どこへ行っても大差ないだろうと手近な高麗山を探索した。 やはり目を凝らしてもきのこは飛び込んでこない。やっと形のいいクジラタケを見つけた。肉厚で堅く、明るいグレーの環紋がきれいだ。かなり大きくなると全体が白くなってしまうが、幼菌の時は多少湿り気もあって少し柔らかい。 もう1種、堅いきのこを見つけて一見してチャカイガラタケだと分かったが、裏を見てヒダの周縁部に薄い紫色が見えたので、ちょっと疑問に思った。ちょうどシハイタケやハカワラタケによく似た色だが、チャカイガラタケにもこんな色が出ることは知らなかった。 地獄沢へ向かうと、ようやくきのこ型の種類を見つけることができた。高さ5センチほどの小さなテングタケ科のきのこ、ヒメコナカブリツルタケだ。カサの表面に湿った粉状の鱗片を付けていて、指で触れると独特のスベスベした感触がある。これを覚えると同定はしやすいきのこだが、名前が長くてすぐに思い出せないことが多い。 高来(タカク)神社の裏まで来ると、やっと大型のきのこが目に飛び込んできた。遠くからカサの色を見てナカグロモリノカサかと思ったが、近づいてビックリ、大きなヒロヒダタケだった。いかにも写真を撮ってくれと言わんばかりに、柄をくねらせてポーズをとっているように見えた。カサが反り返るほどに開いても、ヒダがいつまでも純白で美しいきのこだ。 |
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2003年 9月 7日(日) 新治市民の森 神奈川県横浜市 |
朝からどんよりと曇っていて今にも雨が降りそうな空模様だったが、何とか観察を終えるまでは持ちこたえてくれた。ただ少しばかり暗くて、森の中での撮影は困難だった。 尾根筋はきのこが少ない様なので、なるべく低地の湿っている所を探索するようにコースをとってみることになった。竹林のはずれに1本だけドクカラカサタケが出ていた。カラカサタケに似ているがやや小型で、かさの鱗片のつき方がちょっと違う。そんなあやふやな見分け方ではなく、肉やヒダに強い赤変性があることをW女史に教わった。実際に切ってみると速やかに血が滲んだような色に変わる。美味な食菌とそれに似た毒きのこは、しっかりした見分け方を知っていないと危険だ。 コナラの多い雑木林でミヤマザラミノヒトヨタケの幼菌を見つけた。ヒトヨタケ科では大型のきのこで、カサの表面に細かな鱗片があり柄が白くて長い。成長すると高さ20センチにもなる大きなきのこだ。 あちこちの山からナラタケモドキが出ていると聞いていたので、2年前の8月にナラタケモドキの群生を見た場所を探してみた。数は少なかったがやはりここにも出ていた。いつも絵になる群生が見られるので、撮影に力が入るきのこだ。 最後はほとんど湿地状態の低地でキツネノカラカサのきれいなのを見つけた。カサの中央に赤褐色の鱗片があり、それが周辺へ向かって細かく広がっていき周縁ではほとんど白になる。柄は平滑で上向きに広がるコップ型のツバが特徴。高さ3センチほどの小さなきのこだが、形がいいので三脚を泥だらけにしながら何カットも撮った。 夜にはまとまった雨が降り気温も下がったので、次の週末あたりは面白くなるだろう。 |
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2003年 9月 6日(土) 七沢自然保護センター 神奈川県厚木市 |
広島にいた頃から、ほとんどのきのこ撮影の足となってくれた「竹ベンツ」ことスバルサンバーがついに故障。本日、「二代(台)目」へバトンタッチとなった。「二代目竹ベンツ」は三菱ミニキャブである。で、早速その初仕事(?)。 平地や里山ではまだきのこが少ない。関東から北や高山ではかなりいいきのこが出始めたと聞くので、もうそろそろ本格シーズンへ突入するのだろう。 薄暗い林の中、あまりにも赤い色なので遠目が効いてもゴミに見えた。まさかベニチャワンタケモドキではないだろうと疑ってかかるほどの深紅。 地面から1本だけ、高さ10センチほどのきのこが生えている。カサの表面に細かなシワがあり中心部ほど褐色が濃い。柄の上部には焦げ茶の胞子をかぶったツバがあって、柄がしっかりと堅い。これはヤナギマツタケのようだ。どうも地面から出ている単生のヤナギマツタケをよく見かける。ヤナギやカエデから群生する本種らしい写真を撮りたいと思っているのだが・・・。 最後に見つけたのは立派なオオゴムタケだが、直径10センチ近くの大きさになっても上面の色が明るい褐色だ。大きくなるとほとんど黒になってしまうが、こういうタイプもあるようだ。 明日は新治の森での定点観察の日。どんなものと出会えることやら。 |
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