今日はどこまで行ったやら･･･

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２００３年７月２７日(日) 北鎌倉・台峯神奈川県鎌倉市 (神奈川キノコの会)	２日前にかなりまとまった雨が降ったので、今日の神奈川キノコの会「野外勉強会」はかなり期待したのだが、ほとんどいい被写体となるきのこを見つけることができなかった。やはり７月に入ってからの気温の低さで、夏の大型きのこがまだ出てこないせいだろう。　今はどこへ行ってもニッケイタケをよく見かけるが、ここではそれによく似た光沢で材上生のワヒダタケをたくさん見かけた。ヒダが同心円状に並んだきのこはこれとウズタケくらいしかないが、それにしても奇妙なヒダを持ったきのこだ。日が当たると黄金色に輝くヒダが美しい。　目ぼしいきのこが見つからないまま鑑定場所に到着すると、別ルートを探索していた中島氏から携帯電話が入った。なんときれいな状態のアカイカタケを見つけたと言う。場所を案内してもらうと、わずかの間に中心のグレバが落ちてしまっていた。そして撮影していると、急にアカイカタケが動くではないか。よく見ると中に甲虫が１匹入っていて、内側からグレバを突き落としてしまったようだ。すぐそばにはまだ卵の状態の幼菌も見つかった。　それにしても、まるで熱帯の花「ラフレシア」をもほうふつとさせる迫力満点の姿は、本日一番の「ドキッと」になった。会の勉強会では発見３例目とのことだった。


２００３年７月２６日(土) 芝公園東京都港区	いつもの仕事帰りの芝公園だが、少し遅くなったことと曇天のため、ほとんど写真が撮れる時間がなかった。　ウッドチップを敷き詰めた一角は、昨夜の雨を含んでフカフカの絨毯を歩くような感じだった。関東地方はこのところの異常低温で、きのこ達も出鼻をくじかれた感がある。　先月、地面を覆い尽くすほど大発生していた、くすんだワイン色のヒトヨタケ科のきのこがわずかに残っていた。乾燥するとカサの表面が白っぽくなってくるようだ。　もう１種も多分先月と同じナヨタケ属のきのこ。外見で最も近いのはムササビタケといったところか。これも、数えるほどしかなかった。　最も多かったのはザラエノヒトヨタケによく似た群生で、ほとんどがすでにしおれていたが、同種の幼菌と思われるものがまだたくさんあった。柄の上部が赤いが、これは幼菌のときだけの特徴だろうか。　※トキイロオキナタケだと思われる。　すべて「チップタケ」の名前で片付けたいと思うほど、ウッドチップに出るヒトヨタケ科のきのこは分かりにくい。


２００３年７月２１日（月・祝）高麗山・湘南平神奈川県大磯町	雨が降ったり止んだり、時には晴れたりと不安定な空模様だったが、この時期にさほど蒸し暑くないというのは体力に自信のない私には好都合な天候だ。　先日の精進湖での「宿泊勉強会」でルリハツタケが観察されたので、ひょっとすると高麗山でも出ているのではないかと行ってみた。数こそ多くはなかったがきれいなルリハツタケを見ることができた。（実は精進湖で見つかったものはカサの色が黄褐色でルリハツタケらしさに欠けたので記録撮影だけにした）３年前に初めて高麗山で見つけた時は１０月だったので、ずい分早くから出るものだと改めて知った。　昨日に続いてカバイロコナテングタケが見つかった。今日はもっと撮影しやすい場所で、ちょうどカサを開いた所だったので、カサとヒダのきれいな色の対比を撮ることができた。　倒木の破片にシロキツネノサカズキが群生していた。ずい分季節外れのように思うのだが、色や形も春のピークの頃とは違うので初めは別種ではないかと思った。こんなに大きく開いて色が薄いタイプもあるようだ。　久しぶりにちょうどいい色のトキイロヒラタケを見つけた。このみごとなピンク色は何度見ても不思議さを感じる。　ついに通り雨のような激しい降り方になった。降り始めは木々に遮られて一向に濡れないが、逆に止んだ後はいつまでも木々から落ちる雨滴で撮影しにくい。諦めて早めに切り上げることにした。



２００３年７月２０日(日) 七沢森林公園神奈川県厚木市	いつもは沢沿いのコースから歩くが、そろそろ尾根筋も面白いのではと考え、いつもの逆コースをとってみた。やはり予想通りで、白いテングタケ科のきのこがいたるところに出ていた。　最初のコナラの斜面ではコテングタケモドキを見つけた。図鑑では「猛毒の疑いあり」という表現が見受けられるが、周囲では「無毒で美味しい」という話を良く聞く。どうやら神奈川県近辺では食べている人が多いようだ。ただし、よく似た近縁種も何種かあるようなので「試食は自身の責任で」としておきたい。　一方、どう間違っても絶対に食べてはいけないのが真っ白いテングタケ科のきのこだ。柄にささくれがあるのが有名なドクツルタケで、柄が平滑なのがシロタマゴテングタケということなのだが、どうも中間型もあって区別をつけにくい。写真は両極端を掲載しておく。　タマゴタケもようやく出はじめたようだが、例年のようにたくさんの幼菌が見られない。ひょっとして今年はタマゴタケ不作の年なのかもしれない。　最後に「沢のさんぽみち」を下っていくと、急な斜面の３ｍくらい上に鮮やかなオレンジ色のきのこを発見。よじ登っても三脚が使えないので、こういうときは小さいデジカメが役に立つ。ずい分小型だがカバイロコナテングタケだった。普通はもっと柄が太くガッシリしたきのこだが、こんなきゃしゃな姿もまるで別種のようでなかなか美しい。　結局、今日はすべてテングタケ科のきのこになった。いよいよ夏本番、梅雨明けも近いのだろう。




２００３年７月１９日(土) ふじあざみライン静岡県小山町	京都に西芳寺という寺がある。通称の苔寺という名は全国的に有名だ。苔寺の撮影は梅雨が一番良いと聞いたことがある。当然、苔が最も美しいからだが、そんなことを思い出して、３週続けての富士山探索となった。富士山の苔も今が最も美しい。　須走登山口から入ると、両側にしばらくアカマツの林が続く。そこに大きくカサを開いたザラエノハラタケが出ていた。すでにヒダは黒くなっているが、名前の通り柄には綿毛状の白いささくれがある。カサを開き始める頃はヒダの色はきれいなピンク色だ。　すぐ近くの切り株の横にスジチャダイゴケが並んでいた。少し古く中の碁石状の胞子カプセルはほとんどなかった。　２合目から４合目にかけて何箇所かを探索してみたが、まだ大きなきのこが少なく、迫力のショットとはいかなかった。しかし、小さなきのこも新鮮なものはなかなか撮り応えがある。　まず、落ち枝から生えたシロホウライタケ。純白の小型きのこで、枝と接する柄の根元がわずかに黒い。ヒダの数もたいへん少なく、クヌギタケ属のきのこは花のようにカサを開く種類が多い。　黄色いサンコタケが目に飛び込んできた。今まで赤いタイプしかみたことがなかったので、まるで種類が異なるのでは・・・と思うほど新鮮な驚きだ。　カラマツの多い４合目付近では、今年もカラマツシメジがたくさん出ている。カキシメジやクダアカゲシメジと外見が似ているため、種名に確信はないが、カサの周縁に短い条線が並び、肉の味がわずかに苦味のあるもののほとんど無味に近い。　ようやくＥＯＳ-１０Ｄに慣れてきて、本日の撮影はほとんどＥＯＳを使った。




２００３年７月１３日(日）富士山北麓・精進湖山梨県上九一色村（神奈川キノコの会）	朝、集合写真を撮った後、３班に分かれて探索を開始。心配された天気は、薄暗い雨雲が低く垂れ込めながらも、どうにか持ちこたえているようで、むしろ体力の消耗や撮影のことを考えると、快晴になるよりはるかにいい条件だ。　前回と同じ、精進湖畔から東海自然歩道へ抜けるコースを歩くことにしたが、予想に反してあまりきのこが多くない。派手な黄色で目立っていたのはキイロイグチで、まだ被膜に覆われた幼菌から開ききったものと、いろんな成長過程を見ることができた。　次は真っ赤で目立つきのこ、タマゴタケが散策路に並んで発生していた。中型でやや迫力不足という感はあるが、カサがちょうど開ききった１本と幼菌がいいバランスで並んでいた。　一昨年の時は極端な雨不足で、当日も晴天続きという最悪の条件だったが、そんな中で唯一ともいえる群生が見られたのがヒロハチチタケだった。そして今年、やはりまったく同じ場所にさらに多くの群生を見ることができた。今回は幼菌から成菌まできれいな状態で揃っていた。　幼菌だけを見るとカサの色が赤褐色に見えるので、ちょっとチチタケと間違えそうだが、柄の色が鮮黄色なのでよく観察すると見分けられそうだ。カサ、ヒダ、柄のどの部分を傷つけても、速やかに白い乳を出す所はチチタケと同じだ。味についてはチチタケより旨いという意見と、その逆の両方を聞いたことがある。自分ではまだ試していないので分からない。　初めて見るきのこがあった。苔に埋もれてわずかしか見えなかったが、カサの周囲に毛が生えている感じは、カサが濡れていても分かった。イチョウタケやニワタケを擁する科名になっているヒダハタケだ。詳しいことは分からないが、外国で本種か近縁種と思われるきのこで死亡例のある中毒が報告されているようだ。採取して鑑定をしてもらう頃には、すっかり変色して全体がこげ茶色になってしまった。　あまりドキッとするようなきのこがないまま、もう帰りの集合時間になった時、まさしくドキッとするほど大きいアカヤマドリが見つかった。人のこぶしほどもある幼菌も出ていたが、とにかく時間がない。あわてて１カットを撮って採取した。　翌朝、解散後にフジタケさんを含む有志９人が、富士山北麓へハナビラタケを探しに行くことになった。夜中じゅう降り続いた雨も、都合よく出発の頃にはほとんど止んだ。　カラマツやウラジロモミの多いポイントをメインに数箇所を探索してみた。途中、コナラ、ミズナラの多いところでハナホウキタケが見つかった。派手な蛍光色でまるでサンゴそのものを見ているようだ。　すぐ近くにはミネシメジも数多く発生していた。独特のオリーブ色のグラデーションがきれいなきのこだが、この微妙な色をデジカメで再現するのは難しい。　目当てのハナビラタケはなかなか見つからず、場所をさらに高いウラジロモミの植林地へ移して探索。それでもモリノカレバタケやクサウラベニタケくらいしか見つからず、全員がもうほとんど諦めかけていたとき、フジタケさんが大声で呼んでいるのが聞こえた。駆けつけたメンバーが次々に歓声をあげる。なんとカラマツの根際に巨大なハナビラタケが出ている。Ｗ４５０×Ｄ３３０×Ｈ３００ミリの超大物で、ここまで大きくなっても傷みのまったくないみごとなもの。採取すると１本の株であることが分かった。推定重量はおよそ４Ｋｇで、９等分してもたっぷり堪能できるほどの収穫となった。　少しきのこは少なかったものの過ごしやすい天候と最後の大物で、異口同音に「終わり良ければすべて良し」と納得していた。








２００３年７月１２日(土) 富士山北麓・精進湖山梨県上九一色村（神奈川キノコの会）	本年の神奈川キノコの会「宿泊勉強会」は、一昨年と同じ富士五湖の一つ精進湖をベースに行われた。今回は縁あってＨＰ「遊々きのこ」のフジタケさんこと小倉さんも参加され、梅雨の真っ只中、天気予報に一喜一憂しながらの開催となった。　初日、「東富士五湖道路」の富士吉田インター料金所を出ると、いきなり立派なテングタケが目に飛び込んできた。料金所敷地内のウッドチップを敷き詰めた一角で、探してみると他にも色んなきのこが発生している。　チャダイゴケの仲間が一面に広がり、まだ中に碁石状の小塊粒をいっぱい持っているので、開いたばかりの所なのだろう。コチャダイゴケのようだが少し大きすぎるような気もする。　植え込みの下にずい分柄の太いきのこが数本出ている。カサの色が紫がかった灰褐色。よく見ると大きなツバの周囲に鉤爪状の突起が何個も見える。これはサケツバタケだ。今まできゃしゃなタイプのサケツバタケしか見たことがなかったので、まるで別種のような印象を受けたが、条件がよければこんな大型に成長するようだ。　前回と同じ精進湖畔に立つ「精進湖マウントホテル」に到着。夕刻から城川会長、中島氏による、アミガサタケの分類と成長に関する観察報告が行われた。


２００３年７月６日(日）新治市民の森神奈川県横浜市	梅雨の真っ只中、今年は本当に良く雨が降る。私にとってはこの上なく嬉しい傾向であるが、きのこ探しの当日だけは止んでいて欲しい。この贅沢な願いを本日は聞き入れてもらえたようだ。　探索を開始して間もなく、ヘビ嫌いのＫ氏が見つけたのは６０センチくらいのマムシだった。最近見なくなったと思っていたが、やはり注意を怠るわけには行かない。　散策路の階段でキツネノカラカサを見つけた。カサの表面が濡れていると、雰囲気が違って見える。ツバもしっかり残っているので間違いなさそうだ。　きれいな色のサクラタケが生えていた。ワイン色と言えなくもないが、この名前は分かりやすい。見分けのポイントはヒダの間に見える脈連絡と大根のニオイ。毒成分ムスカリンを含んでいるらしく、毒きのこになっている。　落ち枝に白い点のようなものが付いていて、小さなきのこだと言うのでルーペで見ると、なんと柄もカサもある極小のきのこだった。Ｋ氏が作ってくれた画鋲つきの１０ミリスケールを使って撮影すると、３～４ミリであることが分かる。見た感じはキララタケのようなヒトヨタケ属になりそうで、「新菌類図鑑Ⅰ」によるとヒメヒトヨタケというのが良く符合する。これもちゃんとカサを開くのだろうか。　よく同じ道を往復しても、帰り道で大きなきのこを見つけたりすることがある。視線の方向が変わるからだろうが、今日もまさにそんな状況だった。昨年キタマゴタケを見つけた斜面で、今日は少し傷んだ１本だけしか見つからなかったが、なんと帰り道で小さな幼菌を発見。撮影に斜面をよじ登るとちょうどいい頃のもう１本を見つけた。柄にもヒダにもはっきり色がついているので、今回は採取して食べてみることにした。不思議なことに、ここをはじめ横浜にあるいくつかの公園では、なぜかキタマゴタケしか出ないとのことだ。普通の赤いタマゴタケは生えず、発生の少ないキタマゴタケだけというのは、いったいどういう理由なのか。　植物でも特異な分布があったりするから、同じような現象なのかもしれない。



２００３年７月５日(土) 富士山北麓創造の森ほか山梨県富士吉田市・鳴沢村	山梨県の甲府あたりまで足を伸ばそうと早朝に出発したが、途中で渋滞に巻き込まれ、ついには愛車「竹ベンツ」の機嫌まで悪くなってしまった。仕方なく迂回しようと高速道路を出たら、富士山の近くだったので北麓のいつも行くポイントを回ってみた。　溶岩の苔むした表面に真っ赤なきのこがいくつも見えた。タマゴタケにしては小さすぎる。これはヌメリガサ科のヒイロガサのようだ。カサにヌメリがあって指にくっついてすぐに壊れるので、慎重に扱う必要がある。　すぐ近くには今年初めて見るタマゴタケがあった。同じ赤のヒイロガサと並んでいたが、色の鮮やかさではヒイロガサに軍配が上がりそうだ。　苔の間からはナガエノチャワンタケも出ていた。やや褐色がかった色が普通だが、これは灰色のタイプだ。時おり胞子を噴き出すのが観察できた。　散策路脇のスギ材(?)に、ヒラタケ型の黄色いきのこがいくつも生えている。ヒダに激しい乱れがないのでイチョウタケで良さそうだが、サケバタケとの見分けがスッキリしない。いくつもチェックしていると、だんだん分からなくなってくる。　草むらの中に純白の極小きのこ、シロコナカブリを見つけた。高さ２センチほどで全体を細い毛で覆われていて、いつみても可憐できれいなきのこだ。　もう一つ小さなきのこを発見。フサヒメホウキタケの幼菌だ。垂直に伸び上がる枝と、先端が４～５本に分かれて指のように見えるのが特徴。日に透けてわずかにピンク色に見えた。　今日もっとも多く見られたのはニッケイタケだった。散策路沿いにいくつも並んでいた。独特の絹状光沢はなかなか写真に写ってくれない。直径５センチくらいの大きなものもあって、なんとか光沢が写せたのではないだろうか。　まだ、手応えを感じるほどのイグチ科やテングタケ科が見られない。探すポイントが違っているのだろうか？