今日はどこまで行ったやら・・・


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2003年
5月26日(月)

富士山南麓
静岡県御殿場市・富士宮市
 今日は仕事が休みだったので、HP「遊々きのこ」のフジタケさんにホームグランドの富士山南麓を案内していただいた。冷たい小雨の降る天気だったが午後には少し晴れ間も見え、きのこ撮影には好条件で、たっぷりといい写真を撮ることができた。
 八重桜が満開だったので驚いたが、富士山はまだ春たけなわなのだ。最初のポイントでは春のきのこアミガサタケの仲間を見つけた。頭部は濃い褐色で全体に均一の色をしている。アシボソアミガサタケとされるものに似ているようだ。
 倒木にウスヒラタケの新鮮なものが出ていた。さすがに富士山は森の風景が美しく、きのこも生き生きとしているので撮影し甲斐がある。ありふれたきのこでもその状態と背景がよければ、手応えのある写真が撮れる。
 苔のビッシリと生えた倒木に、そのありふれたきのこクヌギタケが群生していた。アングルを変えながら何カットも撮ってしまう。
 赤っぽい褐色のカサを見つけて裏を見ると、真っ白でヒダがない。きれいなアシグロタケだった。低地ではキアシグロタケしか出ないようだが、富士山では両方とも生えるとのこと。
 昨年の6月末にこの西臼塚でコガネヌメリタケを見つけて、その美しさにぜひもう一度ジックリ撮影したいと願っていた。ところがどうしたことか、このところ当地ではコガネヌメリタケの大発生が続いているとか。今日もいたるところで幼菌から老菌まで、いっぱい見ることができた。しかし、撮影する気になれない。去年のあの美しさが見られないのだ。むしろこの方がコガネヌメリタケの典型なのかも知れない。
 そのかわりに(?)きれいなチシオタケを撮ることができた。カサの中心の濃いワイン色が美しく、カサの縁のフリンジもみごとに揃っている。これも写真栄えのするきのこの一つだ。
 落ち枝に小さな純白のヒラタケ型のきのこが出ていて、チャヒラタケのような雰囲気があるが白すぎる。図鑑で確認するとニセコナカブリだと分かった。カサの根元をルーペで見ると白い毛が密生しているので間違いないだろう。初めて見るきのこだ。
 今日の締めくくりは、今年初めて見るベニタケ科。そろそろ初夏のきのこが出始めたようだ。カサが淡褐色で粘性があり、表皮が薄くはがれやすい。肉は真っ白で味は、フジタケさんが確認したところなしでニオイもなし。どうやらチギレハツタケではないかと思う。
 大きなブナの倒木がいたるところにあり、どれもこれもきのこが出ていない筈がないと感じさせるものばかり。フジタケさんが比較的短期間のうちにたくさんの種類を撮影することができたのもうなづける。これからも機会あるごとに出かけたい所だ。フジタケさん、ありがとうございました。
2003年
5月25日(日)

神奈川キノコの会総会
地獄沢
神奈川県平塚市・大磯町
 「神奈川キノコの会」の平成15年度総会が、例年通り平塚市博物館で開催された。発足25周年の記念すべき年の会報「くさびら」の表紙に、再び私の写真を採用していただいた。昨年9月に三浦半島の葉山町での勉強会で撮った「キヒダキワタゲテングタケ(城川会長仮称)」だが、デジタル処理の問題だろうか少しシャープではない仕上がりが残念だ。
 総会の後は少しだけ高麗山の地獄沢を覗いて見た。先週に雨が多かったため、少し歩いただけでもいろんなきのこを見つけることができた。
 落ち枝に束生している白い小型のきのこは、見たところシロホウライタケのようにも見えたが、カサも柄も白い粉が全体に付いている。クヌギタケ属のシロコナカブリの方が近そうだ。
 以前からオレンジ色の菌糸塊(オゾニウム)だけが広がっていた落ち枝に、ようやくコキララタケが1本生えていた。カサが三角に尖って面白い形だ。
 あちこちにたくさん生えていたのは、これからがピークのハイイロイタチタケで、高麗山ではいたるところで見られる。夏近くになるともっと大きなしっかりしたタイプになるが、今は小型で弱々しい感じがする。
 散策路の真ん中の少しコケが生えた所に、ちょこんとムジナタケの幼菌が出ていた。よく踏まれないものだと思いながら撮影後、ふと付近を見るとすでに踏み潰されてしまった1本があった。ムジナタケはよくこうした踏み潰されやすい所に生えているが、何か特別の意味でもあるのだろうか。
 まだ小型のきのこがメインで、なかなか手応えをズッシリと感じる写真にはなりにくいが、気温が上がって蒸し暑くなり始めたら今年は期待できそうだ。
2003年
5月24日(土)

芝公園
東京都港区
 前回の芝公園からほぼ1ヶ月後になるが、ウッドチップの場所には前回を遥かに上回る数のキオキナタケが、足の踏み場もないほどに群生していた。ほとんどはすでに枯れていて、きれいな状態のものは少なかったが、それでも小さな幼菌もまだたくさんあったので、雨のたびに元気に生えるのだろう。
 群生の所どころに全体が白っぽいきのこが混じっている。数は遥かに少なくて、数箇所にしか見られなかったが、カサの表面にシワがなくて柄もほとんど真っ白だ。ヒダはキオキナタケと同じような灰褐色をしているが、ただ乾燥で白くなったものとは思えない。どうやら別種のようだが名前は分からない。
 公園内を一回りしたが他には見つけることができなかった。
2003年
5月18日(日)

泉の森公園
神奈川県大和市
 「雨後のキクラゲ」ということわざを作ってもいいような気がする。やっと雨が止んだばかりなので他のきのこにはまだ早いが、キクラゲはいたるところの落ち枝に群生している。水分をたっぷり得て成長しすぎたようなものが多く、どれも写欲が湧かないスタイルだ。
 前回(4月27日)のモリノカレバタケ群生地に早くもクサウラベニタケが出ていた。これは食菌のウラベニホテイシメジやハルシメジによく似ているので「名人泣かせ」の異名を持っている。昨日のカキシメジに続いてこれも悪名高き毒きのこだ。ハルシメジがまだ出ているようなので、これからは慎重に同定しないと確かに危険だ。
 さらに前回ウスベニイタチタケを見つけたポイントで、今度はハイイロイタチタケがたくさん生えていた。これもたいへんもろく、うかつに触るとすぐに砕ける。
 すぐ近くではコツブヒメヒガサヒトヨタケという、小さい割りに名前の長過ぎるきのこが1本だけ立っていた。背景が良くなかったのできれいなカサだけをクローズアップで撮影。真っ黒い胞子が出るのでヒダの縁取りがくっきり見える。カサの直径は17ミリだった。
 一時期に比べるとめっきり数が減ってしまったが、それでもアミスギタケはまだ幼菌がある。発生時期が長くてスタイルもいいので、ずい分たくさん撮影しているきのこだ。
 帰路、駐車場へ向かう途中のキャンプ場付近で、笹薮の中にスジオチバタケを見つけた。少しスジ(カサの溝線)の模様が不揃いのタイプだが、それでもこのきのこはいい雰囲気があるので、つい何枚もシャッターを切ってしまう。
 今日はコツブヒメヒガサヒトヨタケ以外はすべてEOSでの撮影。まだ、『Gallery』に入れたくなるような写真が撮れていないが、次第に手応えをつかみ始めている。もう一歩というところか・・・。
2003年
5月17日(土)

伊豆一碧湖
静岡県伊東市
 木曜日にまとまった雨が降り、土曜日は晴れるという天気予報。これはベストコンディションだと思い、かねてからの観察会のお誘いも断って一人で撮影に専念することにした。ところがどうしたことか、朝から冷たい雨が降り続き上着を着ないと寒いというほどのワーストコンディションだ。ああ、これが本当の天罰というものか。
 しかたなく傘をさして、カメラはNikonだけにして探索開始。まずは今一番元気なマツオウジを発見。よほど味がいいのか、いつ見ても何かにかじられてしまっている。
 雨に濡れてカサのヌメリがとても強いシメジ型きのこを見つけた。とても美味しそうなのに毒きのこという、悪名高きカキシメジだ。普段見かける時はカサが乾いて、枯葉などが付着しているが、本来はこんなにヌメリがあることが良く分かった。成長するとヒダに赤いしみができるが、これはまだ新鮮で真っ白なヒダだった。
 落葉や落ち枝に群生している極小きのこがあった。ハリガネオチバタケによく似ているがもっと小さい。アオキの枝や葉から生えているのでウマノケタケだろう。よく見るとヒダの数が7〜8枚しかない。
 ※アオキから生えるアオキオチバタケという種があることを後日知った。ウマノケタケはもっと柄が長くなるようなので、これはアオキオチバタケとする方が良さそうだ。
 別荘や小さなホテルのある一角で、庭に生えたイタチタケを見つけた。付近を探しても他にはなく、これから雨が止んだらもっと出るのだろう。
 そしてそのすぐ隣に建つ瀟洒な教会の芝生に、これも1本だけのハタケキノコが生えていた。よく手入れされた芝生ときれいな教会の建物を背景にして、今までとは趣の違う面白い写真が撮れた。自然に包まれた中のきのこだけでなく、こうした身近な所にもいい被写体があるものだ。
 ※ヒダが淡褐色というだけでハタケキノコにしていたが、確証がなかったので念のため、後日に胞子紋を取ったところ白色だった。どうやらツエタケの誤りだったようだ。
 それにしても5月も下旬になってこの寒さは何なのだろう。体調がおかしくなってしまいそうだ。
2003年
5月11日(日)

谷戸山公園
神奈川県座間市
 やはり「天気結果」で雨量の多かった所をチェックすべきだった、と後悔先に立たず。重くなったカメラバッグを担いで、公園内をくまなく歩いたがきのこの気配すらなかった。
 仕方なく水辺で野鳥でも狙ってみようと「水鳥の池」へ行ってみると、遥か遠くの石の上で大きなカメが1匹、日向ぼっこをしているだけだった。
 万事休す! 諦めて車へ戻るところで落ち枝に変形菌のムラサキホコリを発見。いつもなら写さない被写体に仕方なくカメラを向ける。
 もう1点はEOS-10Dでテスト用に撮った「花」。アヤメかカキツバタか、あるいはハナショウブかアイリスか・・・。これだけ並べたらどれか当たるだろう。

 ※先日アミガサタケでお世話になった中島氏から「ぜんぶハズレ!」のメールをいただき、ほか数名の方からも「花の名はキショウブ」と教えていただいた。ヨーロッパ原産の外来自生種とのこと。情報ありがとうございました。
2003年
5月10日(土)

高麗山・地獄沢
神奈川県大磯町
 うまい具合に8日(木)に雨が降ったと思ったが、ここ高麗山ではあまり雨量が多くなかったようだ。気温が少し下がってとても清々しい1日となった。
 久しぶりに高来(タカク)神社から入って女坂を登り、大堂へ向かうコースを歩いてみた。大きな倒木の下からいくつものオオゴムタケが生えていた。これから梅雨を過ぎる頃まで、この山ではたくさんのオオゴムタケを見ることができる。風が吹くと盛んに胞子を噴き出すのを見ることができた。
 同じ倒木に束生する幼菌があり、よく見ると柄が長くしっかりしていて白いツバがある。カサの表面に黄褐色の粗い鱗片が付いている。ナラタケだ。付近を良く探すといくつもの株が見つかった。ちょうどカサを開き始めたところの新鮮なもので、撮影の後は少し戴くことにした。その後他の場所でも群生が見られたので、これからしばらくあちこちに発生するようだ。
 尾根筋ではやはりきのこが見つからないので、地獄沢へ下りてみると、堰堤の下の朽ち果てた倒木に鮮やかな黄色のきのこが出ていた。カサもヒダも柄も全体が山吹色で、カサには鱗片が密生していて中心が褐色に見える。よく群生を見かけるキサマツモドキだ。これはカサの直径2〜3センチと小型だが、大きいのは5〜6センチにもなる。※後日、ハグロチャツムタケ(仮)の間違いだと判明した。
 ずっと念願だったデジタル一眼レフカメラ(Canon EOS-10D)をやっと購入した。もともとキヤノンのEOSを使っていたので、そのレンズが使えるのが嬉しい。ただ、レンズの焦点距離が1.6倍に換算されるので慣れるのに少し時間がかかりそうだ。
2003年
5月5日(月・祝)

七沢自然保護センター
神奈川県厚木市
 結局3日とも真夏を思わせる気温で、風こそ爽やかで新緑が目に鮮やかだったが、日焼けに悩まされた人も多かったことだろう。
 こういう状況の時はどうしても湿原のある場所を選んでしまう。このセンターの散策コースは湿原が多く、いつも何かを発見させてくれる。まず目に付いたのはムジナタケ。珍しいわけではないが今がピークのようで、いろんなところで見かけた。カサが開き始める頃にはすでにヒダが真っ黒になっている。
 大きなメタセコイアの木が並ぶ地面に、きれいな円盤状の子嚢菌が出ていた。大きいもので直径7センチほど。これは地上に生えているのでカニタケだろう。放射状のシワがどことなく血管のように見えて、青筋立てて怒っているような表情だ。これも名前の由来が良く分からない。
 伐採された大木の小口に、クリゲノチャヒラタケが群生していた。大きいものはカサの幅が5センチくらいあり、食用にできそうな感じだが、実はかなり前に白っぽいタイプをウスヒラタケと間違えたことがあり、まるで紙を食べているように不味かった記憶がある。有毒でなかったことは幸運だった。
2003年
5月4日(日)

真鶴半島自然公園
神奈川県真鶴町
 昨日の新治の状況から考えて、どこの里山へ行ったところで似たり寄ったりと判断。昨日、参加者にも意見を求めた結果、真鶴のスダジイにはそろそろカンゾウタケが出ている頃だろう・・・ということで行ってみた。
 散策路に入ってすぐウラベニガサ科のきのこを見つけ、ウラベニガサそのものかと思ったが、よく見るとヒダの縁取りが非常にハッキリ付いている。ひょっとするとこれがクロフチシカタケなのだろうか。手持ちの図鑑にはどれも写真がないので確信がもてない。
 いくつかのスダジイをチェックすると、すぐに数個のカンゾウタケを発見できた。手のひら以上に大きくなったものや派手な原色の幼菌など、あちこちのスダジイの根際で見つけることができた。適度な大きさのものを採取。久しぶりにカンゾウタケステーキを味わうことにした。
 困ったことに一旦カンゾウタケを見つけてしまうと、スダジイの根際の赤いきのこ以外は目に止まらなくなってしまう。きっと他のいろんなきのこを見逃したような気がする。やっとコキララタケのきれいな状態を撮影することができた。
 今日のところは「旬のきのこ」を撮影できただけで満足だ。
2003年
5月3日(土・祝)

新治市民の森公園
神奈川県横浜市
 ゴールデンウィーク後半の3連休。絶好の行楽日和となったが、きのこにとってはあまりありがたくない。贅沢は言わないが2〜3日雨が降り続いた2日後の明るい曇天、という方が嬉しい。そんな訳で今日の定点観察会は「きのこのハザカイ期」と言う感じで、種類も数もあまり多くなかった。
 道の脇に組まれたスギ材の柵に小さなマツオウジの幼菌が出ていた。柄が太くカサや柄にササクレがいっぱいある。かなり大きくなって驚かされるきのこだが、これは水分不足であまり大きくなりそうにない。
 古畳を捨てた所の地面にアラゲコベニチャワンタケが大発生していた。沢沿いの地面や倒木に数個並んでいることが多いが、こんな群生は初めて見た。
 毎年春に姿を見せる、せせらぎに生えるきのこミズタマタケ(仮称)が今年は数を増やして生えていた。昨年までミズベノニセズキンタケとして掲載していた種類だが、柄にたくさんの毛が生えているので別種ということになり、すでに仮称として記録のあったミズタマタケということになった。写真のように数本が束生したりやや大きなものが散生している。真っ白ではなくほのかに肌紅色を帯びた可憐なきのこだ。
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