今日はどこまで行ったやら・・・ |
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2005年 8月28日(日) 高麗山・湘南平 神奈川県平塚市 |
昨日の失敗から今日は遠征を止めにして、最も近距離の高麗山を歩くことにした。今月はまだ一度も歩いてないことに、改めて気づいた。 湘南平の駐車場に向かう途中、子供の森の入り口で倒木の群生きのこを見つけた。昨日に比べたら信じられないほどの被写体に、思わず車を停めて撮影した。これは種名がよく分からないが、ケガワタケではないだろうか。少し古くなっているがカサにはササクレ状の鱗片があるようだ。 まだひと月ほど早いとは思ったが、そろそろルリハツタケが出ていても不思議はないのでチェックしてみた。やはりここもほとんどきのこが出ていない。もちろんルリハツタケもなかった。 斜面からニクウチワタケが菌輪を描くように生えていた。今日はいわゆる「きのこ型」に期待できないので、硬質菌の標本撮影も心がけることにした。こういうときでないと硬質菌の管孔面をじっくり見ることがない。 その心がけが良かったのかどうかは知らないが、ニクウチワタケを地面に置いて撮影しながら、すぐ傍のコナラの根から小さなオレンジ色の幼菌が出ているのを見つけた。いつもならここでNikonE5000の登場なのだが、今日は極小菌もEOSで撮ろうと50ミリマクロにクローズアップレンズNo.9を付けて持ってきた。画質が落ちることは分かっていたが、どの程度に撮れるのか試したかった。結果はやはり芳しくなかった。 で、撮影しながらこの高さ1センチにも満たない幼菌は何なのかと考えたが、柄にも鮮やかなオレンジ色の鱗片が覆っているので、きっとこれはコガネハナガサだろうと思った。これからも生えてくれると嬉しいのだが・・・。 車に戻る途中、落ち枝に生える白っぽい硬質菌を見て、何となく気になって裏を見ると、驚いたことにほとんど黒に近いような紫褐色だった。これは、先日の新治観察会でW女史の同定によって名前を覚えたエビウラタケに違いない。表と裏の色が極端に違うきのこだ。 最後にやっと「きのこ型」を見つけた。ありふれたイタチタケだが、今日は入念に撮影した。 風が涼しくて秋が近いことを感じたが、こんなにきのこが少なくては面白くない。メモリー不足になるような秋を期待したい。 |
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2005年 8月27日(土) 伊豆・天城山地 静岡県伊豆市 高麗山・地獄沢 神奈川県平塚市 |
被害が少なくて雨量の多い台風というのは、きのこファンにとっては願ってもない天の恵みだろう。台風が通った直後では無理なので、なるべく早くに通過した場所がいいと考えた。そこで狙いを付けたのが天城山地の北端にある遠笠山(1,197m)だった。情報があったわけではない、ただ地図で見つけて面白そうだと思っただけだ。 結果は大ハズレ。雨量が多すぎて山が荒れてしまったのか、台風一過でまた真夏の気候に戻ったせいなのか、ちょうど2年前の軽井沢のように、とてもいい環境にもかかわらずきのこが全くない。 やっと見つけたのは少し傷んだセンボンイチメガサだった。黄色味が強いのでニガクリタケかと思ったが、全く苦味はなかった。良く見るとカサの中央が高くなっていて、柄にはツバが付いている。 結局、2kmほどの山道を楽しくもないハイキングをしただけで、山頂近くの芝生に腰を下ろして一息。時おり霧を伴った涼しい風が吹いていた。寝転がってふと横を見ると、コガサタケが1本だけ生えていた。 下りの道も手を抜かずに探したが、見事なほどにきのこはない。これでは少々場所を変えたところで期待できるものではないと、一気に平塚まで帰った。 まだ日が明るかったので、高麗山の地獄沢だけ少し覗いてみた。ここでもほとんど出てないが、スギの落ち枝にシロホウライタケがいくつも生えていて、きれいなヒダの写真を撮ることができた。 |
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2005年 8月21日(日) 相模原・木もれびの森 神奈川県相模原市 (神奈川キノコの会勉強会) |
日中の強烈な直射日光を浴びていても、心なしか風に秋の気配を感じる。気温が相変わらず高いのだが、汗が流れ落ちるということはなかった。 広大で平坦な森林が広がるこの公園も、雨が少ないせいかきのこの種類は多くなかった。 ベニタケやイグチの仲間がたくさん出ていたが種類は少なく、大型のきのこはほとんどなかった。その中でひときわ目立っていたのはオオツエタケ(仮)だった。神奈川県下だけでなく先月には富士山でも「遊々きのこ」のフジタケさんを驚かせていたから、それほど珍しい訳ではないようだ。やはり、ツエタケとは別種とするほうが良いとのことだった。 先月に見つけたオガサワラハリヒラタケはさらに成長して大きくなっていたが、こんなに大きくなっても硬くならずにまだスポンジ状の感触だった。今回はカサに巻き込んだ草やササを切り払って、全体がよく見えるように撮影した。 直径が4センチほどの暗褐色のカサを見つけたが、よく見るとビロード状で中央が窪んで細かなシワがある。ヒダを覗き込むと真っ白で柄が同じように暗褐色で、コントラストが美しい。「クロチチダマシだ」とピンと来たが、後でヒダを良く観察すると少し赤味がかって見える。クロチチダマシそのものかどうかは断定できないこととなった。 今日、採取された中で興味深いものがあった。先々週、七沢で見つけてクロトマヤタケモドキ?としたものと同じと思われるきのこだ。検鏡の結果アセタケ属であることまでは分かったが、標本撮影したものを後で見てみると、根元にはっきり青い部分が見える。ひょっとするとアオアシアセタケだろうか。 |
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2005年 8月14日(日) 新治市民の森公園 神奈川県横浜市 |
まとまった雨の後の定点観察会ということで、かなりの種類が見られるかと期待したのだが、里山は今の時季「夏の端境期」の真っ最中らしくて大きなきのこはほとんど見ることができなかった。 きのこが少ない中で数十個がかたまって群生していたのはエリマキツチグリだった。球根のような形の幼菌から完全に開き切った老菌まで、よく揃った状態を観察できた。 落ち枝からきれいな紫色のカサのきのこが生えていたが、時どきこんな変わった色のカサになるミドリスギタケだ。2002年7月に大阪のHP読者からいただいた質問をきっかけにこの色のタイプを知ることができたが、図鑑でいくら探してもこれの同定は困難だろう。 埋もれ木から生えている小さなきのこを見つけた。今までならイタチタケではないかと思うタイプなのだが、今日覚えた見分け方のポイントでこれはムササビタケの方が近いことが分かった。 コナラの根元からビロード状のカサのイグチが生えていた。種名が分からないがひとまず撮影して、採取してみたがやはり分からない。W女史の同定によりアヤメイグチだろうということが分かった。カサの表面は細かくひび割れて、黄色い管孔は非常に速い青変性がある。 観察できた種類が少ない時でも、初めて見るきのこを撮影できるのはとても満足できるものだ。 |
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2005年 8月13日(土) 富士山北麓・鳴沢 山梨県鳴沢村 |
立秋を過ぎてわずかだが朝夕が凌ぎやすくなった。とは言っても日中はまだまだうだるような暑さなので、やはり避暑を兼ねて富士山へ足が向く。しかし、夏休みとお盆のダブル休みでは渋滞は避けられないので、前日深夜に出発して車内ビバーク作戦を実行した。心配した雨も降らず、朝から明るい曇り空で気温も低く願ってもない探索条件になった。 今回は標高1,600m辺りの今まで行ったことがないポイントを歩いてみた。あまりきのこは多くなかったが、初めて見る種類などを撮影することができた。 今日、数種類のアセタケ属を見かけたが、何度図鑑をひっくり返しても種名を同定することができない。多分間違いないだろう・・・と言えるのはオオキヌハダトマヤタケだけだった。 ウラジロモミ(?)の根際に柄の赤いイグチが生えていた。管孔も赤い色が見えるのでアメリカウラベニイロガワリのようだ。ところがそのすぐ傍に、同じように柄が真っ赤なイグチがあって、カサの色がずいぶん違うことに気づいた。 これは高橋春樹さんによる2001年発表のバライロウラベニイロガワリに違いない。カサの表面は灰色がかった紅色だが、それ以外はペンキを塗ったほどの鮮やかな赤だ。両方の管孔を比較撮影してみた。 もう1種大きなイグチを見つけた。まだカサが開き切ってない若い状態でも、すでに高さが14センチあった。ボリュームがあって身が硬いのでいかにも旨そうなきのこだが、これが強い毒を持つというドクヤマドリだ。これといって特徴のない姿だが、柄の下方だけが薄汚れたシミになるのが見分けるポイントだ。 天気が好転して暑くなったので午後早く切り上げた。帰路、対向車線はどこも大渋滞だった。 |
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2005年 8月 7日(日) 七沢森林公園 神奈川県厚木市 |
ちょうど2年前、梅雨が明けたばかりの七沢森林公園で珍しいきのこウズタケを見つけているので、ひょっとして今年も見られるのではないかと探しに行った。印象に残るきのこはその生えていた場所もピンポイントで覚えているものだ。そして目を皿のように、どころかウズのようにして探したが、見つけられなかった。考えてみれば毎年生えるようなら「珍菌」とは言わないだろう。 同じ岩だらけの場所に小さな 不思議なことにかなり地面が乾いていても、この季節はツルタケがよく出ている。今日もあちこちに単生や散生をしていて、とてもいい状態のものも撮ることができた。 道路わきの土の塊から生えるごく小さなカサを見つけて、這うようにしてよく見るとカサに細かなササクレが見える。小さなムジナタケかと思ったがどことなく雰囲気が違う。とにかくカメラを地面に押し付けて撮影。図鑑で調べるとアセタケの仲間のクロトマヤタケモドキらしいことが分かった。 ドクツルタケの仲間のきれいな幼菌を見つけて「ああ、またドクツルか・・・」とやり過ごそうと思ったが、その生えている場所が面白いので撮ることにした。里山ならではの階段の杭に寄りかかっている。人工物とのアンバランスがかえって面白く感じる。 地面から直径1センチほどの真っ白い球体が出ている。下にツボがあるようなのでテングタケ科の幼菌らしいが、こんなひび割れたような白いカサは覚えがない。撮影だけしてしばらく行くと、どうやらこれの成菌らしいものも見つけた。しかしこれも種名が分からない。カサの粉状鱗片が部分的に褐色で、ツボにも色が付いている。小型のフクロツルタケのように思えるのだが全く違うかも知れない。 そして今日もまた、帰り際に興味深いきのこを見つけた。「小型の黄色いテングタケ科」と、ここまではすぐに分かったが名前が分からない。根元のツボだけが際立って白く、図鑑で調べるとこれが「有力な手がかり」となってイボコガネテングタケだと分かった。日本固有種らしくて発生はまれとのこと。 暑い中での効率の悪い「犬棒式」きのこ探しだが、初めて見るものや珍しい種類を見つけると、何とも言えない心地よい疲れに変わる。正真正銘の変人だ。 |
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2005年 8月 6日(土) 富士山南麓・西臼塚 静岡県富士宮市 |
いよいよ夏が本格的となり、体温を超えるような気温が続いている。こうなるときのこ撮影にも身の危険を感じるので、暑気を逃れて富士山へと足が向く。 ところが富士山ではこの季節、マイカー規制が行われていて車で登ることができない。うっかり知らずに行ってしまったのだが、幸い西臼塚の駐車場までは行けるので今日の探索場所はここにした。 いくつかのHPでも今はきのこが少ないと報告されている。夏の端境期に入っているのだろう。ここでも地上生の中型以上のきのこはほとんど無い。材上生でまず見つかったのはひょうきんな表情のニカワハリタケの幼菌たち。まるで何か生き物のように頭を出している。 同じく材上生で、今日何ヵ所かで見つけることができたのはサマツモドキだ。大きいものはカサの直径15センチ以上にもなり、しっかりとしたきのこなので旨そうにみえるのだが、人によって中毒するらしく有毒扱いになっている。 地上生で今日もっともたくさん見られたのはコガネヤマドリだった。幼菌から成菌まで20本ほど見かけたが、どれも単生していたのでいい構図の写真は撮れなかった。 ブナの多い広場では一面のキンポウゲ(?)に混じってツエタケが立っていた。これはなかなか絵になるシーンだったので、ローアングルで何枚も撮影した。柄が長すぎるきのこは構図を決めにくいのだが、今回は花がいい脇役を演じてくれた。 倒木の脇に妙に赤いものが見えてゴミかと思ったが、近づくとキツネノロウソクの群生だった。まだグレバがしっかり付いているので今朝のびたものだろう。なるべく深呼吸しないように気をつけて撮影する。 もう歩き疲れて車に戻ろうとしていたとき、樹種が分からない立ち枯れた木に白いきのこが生えていた。一見してブナハリタケだろうと思って近づくとずいぶん様子が違う。この仲間をあまり知らないので、これはきっとサンゴハリタケなのだろうと判断して撮影をした。確か食菌だったから試してみようと採取した。ところが帰ってから図鑑や他のHPをチェックするとサンゴハリタケではない。 カサの上面にも毛のようなササクレが覆っているので、これはフサハリタケということになりそうだ。もしそうなら青森県や新潟県などで記録がある極めてまれな種類なので、ひとまず採取したものは乾燥して確かめることにした。 |
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