今日はどこまで行ったやら･･･

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２００５年　９月２５日(日) こども自然公園神奈川県横浜市（神奈川キノコの会勉強会）	幸い雨は降らなかったが朝から風が強く、この台風接近中の日に何人の「きのこ中毒？」患者が集まるかと気になったが、様子を見ながら遅れて来たメンバーも含めて２０人以上になった。　ところがやはり雨が降ってまだ間もない日では生えているきのこも少なく、やや寂しい鑑定会となった。　探索を始めて間もなく、いつも大きなきのこを見つけるＳさんが、やはりこの日も一番の大物となったきのこを見つけて教えてくれた。太い柄が株状になったボリュームのあるきのこだが、残念なことに食用には適さないムレオオイチョウタケだった。　雨に打たれて傷んだきのこが多い中、たくさん生えて目立ったのはヒメツチグリ科の仲間で、特に大きなエリマキツチグリはあちこちで群生を見ることができた。雨滴が当たって胞子を飛ばすという種類だから、雨が降っている時こそ元気に開いているのは当然のことなのだろう。　一見したところ平凡で特徴のないきのこが群生していた。このまま観察していては同定に悩みそうだが、採取してみればとても分かりやすい。地中に菌核を作って生えるタマムクエタケだ。　３連休の締めくくりに「ドキッと」する写真が撮れなかったのは残念だが、もうこれからは真夏日に戻ることもないと思うので、楽しみなピークシーズンになるよう期待したい。


２００５年　９月２４日(土) 高麗山・八俵山神奈川県平塚市	昨日と同じ場所？　まさか泊りがけ！　５分で行ける所だからそれはない。今日は台風１７号の影響で午後から風雨が強くなるとの予報だったので、外出はせずにＨＰの「資料館」の手直しを進めようと思っていた。ただ、昨日の探索でどうにも悔やまれることが一つあったのだ。　高来神社から八俵山へ戻る上り坂を少し急いだため、途中でさらにもう２本のモモエノトマヤタケを見つけながらやり過ごしてしまった。帰宅後、「きっと、もう見ることはないだろう」という思いが頭から離れず、今日、再挑戦する気になったという訳で、「これはもう病気だ」と我ながら呆れる。　昨日、幼菌だったアケボノドクツルタケがきれいな姿に伸びていた。付近の成菌のカサに赤い環があるので本種だろうと思う。　目的の~~モモエノトマヤタケ~~は昨日よりカサを少し開いた程度で、カサや柄の色は保っていた。念のために付近一帯を丁寧に探してみたが、他には生えていなかった。色が特徴というきのこはどんな種類であれ、写真の被写体としては手応えを感じる。ただ、その色を忠実に再現する点で苦労させられるのだが。 ※本種は検鏡していただいた結果、全く別種で、オオキヌハダトマヤタケに近縁であることが分かった。城川先生によるとそれより胞子サイズは大きいとのことだった。ひとまず、オオベニハダトマヤタケと仮称を付けておく。　帰りがけ、ふと斜面の上を見上げるときれいなビロードツエタケが、風に揺れていた。「揺れて」いては困るのだが、とても新鮮な姿に根気よく待って撮影。１０カット中、ブレなかったのは２カットだけだった。　明日は「会の勉強会」で天候が心配だが、きっと「同病」の人は少なくないのだろうと思っている。


２００５年　９月２３日（金・祝）高麗山・八俵山神奈川県平塚市	暑さは「彼岸まで」なのだから中日の今日まで暑くてもイイという理屈になるが、それにしても異常なほどに蒸し暑かった。マイフィールドにしている高麗山のルリハツタケがそろそろ出始める頃かと探してみたが、まだきのこが少ない端境期で、生えているのも夏きのこが多かった。　ほぼ垂直に近い崖の上に大きな白いきのこが見えた。テングタケ科だろうと思ったが種名が分からない。あまりの立派な大きさに登らずにはいられなかった。それは幼菌も含めて５～６本の大きなシロオニタケだった。足場が悪くいいアングルに撮れなかったが、幼菌はクローズアップで撮れた。　ルリハツタケは見つからなかったので、さらに東へと尾根筋を歩くことにした。不思議なことに湘南平の南斜面はきのこが少ない･･･と、急ぎ足で通過しようとしたら、カサが大きく裂けた赤褐色のきのこがあった。手がかりの特徴が少ないので種名が分からないまま写真を撮ったが、標本用に抜いた１本の柄がまるでツエタケのように地中に延びている。「ああっ、アカチャツエタケだ！」こういう分かりやすい名前のきのこは嬉しくなってくる。　八俵(ﾊｯﾋﾟｮｳ)山まで来ると、その先の谷を渡る小さな橋が老朽のために通行止になっていた。仕方なく高来神社へと下るコースをとった。なんと、これが幸いしたのか珍しい種類を見つけた。カサや柄にはっきり淡ワイン色のような赤味が見えるアセタケ属のきのこだ。これは「神奈川キノコの会」でも、ホームページでも大先輩の山口義夫さんが、２００３年に見つけた~~モモエノトマヤタケ~~に違いない。氏のＨＰでは高麗山での発見だったので、ぜひ一度見たいものだと思っていたきのこだった。 ※本種は検鏡していただいた結果、全く別種で、オオキヌハダトマヤタケに近縁であることが分かった。城川先生によるとそれより胞子サイズは大きいとのことだった。ひとまず、オオベニハダトマヤタケと仮称を付けておく。　そしてまた、歩き疲れて車へ急いでいる途中で、気になるきのこを見つけた。キツネノカラカサ属には違いなさそうだが、柄の根元に濃いオレンジ色の部分があってヒダも淡いオレンジ色をしている。図鑑では同定できなかった。　爽やかな秋の風を期待したのだが、見事に裏切られて汗だくになった。それでも空には一面にウロコ雲が広がっていた。



２００５年　９月１９日（月・祝）高麗山・地獄沢神奈川県平塚市	今日は他の用事で外出したついでに、コンパクトデジカメだけを提げて地獄沢を覗いてみた。ところがウッカリ半袖シャツで来てしまったものだから、立ち止まって数秒で、１０匹ほどのやぶ蚊にまとい付かれてしまう。そこで、車にあった「かゆみ止め薬」のニオイが強いので、忌避効果に期待して腕や首に塗ってみた。目に沁みるほどの強いニオイは結局なんの効果もなく、やはりこれは刺された後の薬だと納得。　それでも何とか「地獄の入り口」だけを探索したら、いきなりたくさんのショウロダマシを見つけた。直径は１センチ前後が多いが、１個だけ長径３センチの大きなものがあった。切ってみると柄の肉に強い赤変性があることが分かった。　沢に横たわる倒木にはきれいなウスヒラタケが生えていた。キノコバエは飛び交っていたが、まだ全く傷んでいない新鮮なものだった。　コナラの根際に小さな赤い幼菌を見つけた。柄の透明感のある色からアカヤマタケ属だろうと思うが、こんなに小さくては種名は分からない。　もう少し歩きたかったが、いい被写体を見つけても蚊が多くて撮影する気になれないので、早々に引き上げてきた。


２００５年　９月１８日（日）『四季の森写真展』神奈川県横浜市「四季の森公園」新治市民の森神奈川県横浜市	毎月「新治市民の森」で定点観察を行っているメンバーが、同じ横浜市の「四季の森公園」で「きのこ写真展」をすることになり、今日、その作品搬入のため四季の森公園のビジターセンターへ集まった。テーマは「四季の森の四季のきのこ」で、今までに同公園内で撮影した写真に各自でコメントを付けて展示した。（１０月１５日（土）までの４週間展示していますので、「四季の森公園」へご訪問の折はぜひビジターセンターへ立ち寄りください。）　午後はいつも通り「新治市民の森公園」で定点観察を行った。少し地面は乾き気味だったが、小型菌を中心に思った以上の種類を見ることができた。　その中から興味深い３種を取り上げてみる。まず、いつも何種類かのイグチの仲間を観察できる斜面で、関東へ来てから初めて見るキクバナイグチを見つけた。関西の公園や里山ではごく普通に見られる種類だが、関東では見たことがなかった。分布域が広がっているのだろうか。　倒木に黄色いカサが何層にも重なっていて、今までにも何度か記録していたサケバタケが、今日はとても新鮮な状態だったのでユニークなヒダの面を撮影した。よく観察するととても自然界のものとは思えない、奇抜なデザインのヒダを見ることができる。これも表面積を増やすための進化だろうか。　観察を終了して駐車場へ戻ると、植え込みの間にきれいなテングタケがいくつか生えていた。２種に分けられたテングタケの小型の方だから、これが今までどおりのテングタケということになるようだ。



２００５年　９月１５日（木）ペンションきのこ長野県須坂市峰の原菅平牧場・四阿山長野県真田町	昨夜から降り始めた雨は、朝になっても濃い霧を伴って降り続いていた。そして驚いたことに、昨日とは打って変わって肌寒いほどの気温だった。もう１日後だったら良かったか・・・と、考えたところで仕方がない。気の早いきのこが出ているかもしれないと、朝めし前の探索に出かけた。　白樺の樹の近くにきれいなベニテングタケの幼菌が、二つ並んで生えていた。昨夜の雨に誘われて顔を出したのだろう。カサの赤い色がとても鮮やかだ。　その傍に、これも鮮やかな黄色のナギナタタケが生えていた。これだけ束になっていることが少ないのでいい写真が撮れた。　朝食は８時から。肌寒い朝にアツアツの芋粥がとても美味しくて、体の中から元気が湧き出てくる。雨が止んで晴れ間も見え始め、風も穏やかになってきたので「きのこ探索」を急ぐことにした。　チェックアウトを済ませ、探索ポイントのアドバイスをいただいて出かける時、「クマが多いから気をつけて」･･･！　原則は一人の予約を受けないという理由がよく分かった。　車を菅平牧場へ移してそこから四阿（アズマヤ）山へ向かう。とは言っても山登りではないから１，８００ｍ辺りで適当な斜面を見つけて探索を始めた。　すぐに目に飛び込んできたのは、背の高い真っ白なきのこ。柄にはくっきりと段だら模様があるので、これこそドクツルタケそのものではないだろうか。　もう１種、白っぽいきのこが並んでいた。カサにわずかだが紫色が見えて、ヒダが褐色になっている。ウスフジフウセンタケだ。付近を見渡すとこのウスフジフウセンタケと、昨日からよく目にするツバフウセンタケがいたるところに生えている。どうやら美味しくないきのこだから残っているようで、すでに何人かの「狩人」が入っているらしい。　しばらく歩いて、やっときれいなショウゲンジを１本だけ見つけた。群生するきのこなので付近をくまなく探したが、どうやら「見落とし」の１本だったようだ。　諦めて別の斜面に移ろうとした時、苔むした樹の根元に黄色いきのこを見つけた。カサの表面にササクレ状の粗い鱗片が付いていて、カサにも柄にも全く粘性がない。どうやらこれはキッコウスギタケのようだ。図鑑では北海道に分布となっているが、各地の山で確認されているようだ。　そろそろ帰途につく時間なので車に戻ろうとした時、白い小型のきのこが目に入った。当然「狩り」目的なら気にもかけないのだろうが、状態がいいと見過ごせない。姿はチシオタケによく似ているがカサが真っ白なので、センボンアシナガタケのように思うのだがやや柄が白っぽいのが気になる。　雨が降って気温が下がったので、この週末の３連休あたりから面白くなるに違いない。






２００５年　９月１４日（水）ペンションきのこ長野県須坂市峰の原	１４・１５日に遅めの夏休みを取ったので、今まで行く機会のなかった「ペンションきのこ」へ行くことにした。　朝８時に出発して中央～長野～上信越の高速道路を乗り継いで、菅平に着いたのは２時半だった。高原のイメージでてっきり涼しいものと思っていたが、なんと３０度以上ある真夏日だった。　ペンションに到着して挨拶もそこそこに、少し探索をしてみたがとにかく暑くて歩くだけで汗が流れた。　短時間だけだったのでペンション付近の林の中だけを歩いたが、結構いろんな種類を見ることができた。ただ、高原らしいきのこというのはなかなか見つからなかった。　柄だけが長く伸びたカレバキツネタケがあちこちに出ている。雨が少ないせいかカサを大きく開いたものがほとんどなかった。　低地では見かけないきのこをやっと見つけた。カサが赤褐色でヌメリはなく、柄に独特の赤い帯を付けるツバフウセンタケだ。図鑑には、粉っぽいニオイが強くあまり美味しいきのこではないとあるので、オーナーの小宮山さんに聞いてみるとやはりペンションきのこでは使わないとのことだった。　もう１種、たくさん見かけたのはヤマイグチだった。大きくカサを開いて傷んだものが多かったが、芝生の中にきれいなものを見つけた。　夕食は先日始まったばかりの「きのこ鍋」で、奥さんは「まだきのこが少なくて・・・」と申し訳なさそうだったが、オニイグチモドキを初めて食べて、外見に似合わずとても温和な味に驚いた。その後は同宿の皆さんと「きのこ談義」に花が咲いた。そして夜には雨が降り出した。明日に期待が膨らむ。　翌日の内容については後日、更新する予定。


２００５年　９月１１日(日) 南郷・上の山公園神奈川県逗子市（神奈川キノコの会勉強会）	ここ１週間ほど、神奈川県各地の里山から聞こえてくるのはきのこが爆発的に出ているという情報だったので、今日の今月第２回目の勉強会には大いに期待した。　ところがどういう訳か期待に反してきのこが少ない。歩いていて目に飛び込んでくるきのこがほとんどないので、昨日の探索ペースとはずいぶん違う。　階段の脇にきれいなオレンジ色の細いきのこが群生していた。一見してヌメリガサ科のアカヤマタケ属か、あるいはキシメジ科のクヌギタケ属という印象だ。ところが意外にも後の鑑定ではイッポンシメジ属となっていた。以前にも採取されていての検鏡の結果とのことで、やはり肉眼的な同定は難しいだろう。　落ち枝から小さなきのこが１本だけ出ていた。カサの表面を見ただけですぐに種名が分かるありがたいきのこ、カサヒダタケだ。　その傍にイグチが１本生えていて、同じようにカサを見ただけでシワチャヤマイグチだと思ったが、鑑定の時に管孔に強い青変性があることが分かり、種名は同定されずにヤマイグチ属となった。　どうして同じような林相の里山で、こうもきのこの生え方に差があるのだろう。


２００５年　９月１０日(土) 七沢森林公園神奈川県厚木市	台風１４号が通り過ぎた後は、また南からの湿った空気で蒸し暑い日が続いた。ところが今度は里山にビックリするほどたくさんのきのこを発生させた。つくづく「きのこは読めない」と実感した。　ここ七沢森林公園にも「夏きのこ」が戻ってきている。今日あちこちできれいなアカキツネガサを見かけたが、１本だけカサの表面が極端にササクレたのを見つけた。他の特徴はアカキツネガサなのだが、こんなにササクレるときもあるようだ。　テングタケの黄色バージョン、ウスキテングタケも大きなものがあちこちに生えている。ここのウスキテングタケはカサが波打っていて、あまり整った形のものは少なかった。　逆にあまりに端正な姿でしばらく名前が分からないきのこがあった。斜面に形よく２本生えていて、カサが平たく広がり赤褐色の放射模様がある。良く見るとカサの上に白っぽいツボの破片を付けている。「なんだ、ガンタケか」と分かったが、いつも見るごつごつした姿とはずいぶん違う。　夏きのこの代表とも言える純白のテングタケ科、ドクツルタケの仲間はいたるところに生えていた。これだけたくさんだと少々姿が良くてもカメラを向ける気にならないが、「撮ってくれ」と言わんばかりに幼菌が並んでいると誘惑？に負けてしまう。　そしてもう１種、やり過ごせないきのこがタマゴタケだ。カサが開いて色が薄くなったもの以外は、必ずと言っていいほど気が付けば三脚を開いている。きれいな幼菌が並んでいればもう、いったい何枚シャッターを切るのかと自分であきれるほどだ。食菌としても優秀だが、モデルとしても一級品だろう。　尾根筋に見慣れない大きなきのこが群生していた。まだカサの開いてないものばかりで、撮影しながらも名前が浮かんでこない。カサの形や被膜の様子からハラタケ科ハラタケ属らしいことは分かるのだが、こんな色のハラタケ属を見たことがない。柄には白い粉状の鱗片が付いていて、しっかりと堅く重量感がある。とにかく標本撮影もして一部を採取した。　後で図鑑を調べたが最も近いと思われるのが、「まさか、まさか」のヒメマツタケだ。つまり、アガリクスと呼ばれているきのこ。「新菌類図鑑Ⅰ」の記述は外見的にピッタリ合う。もしそうなら、本日最大の「ドキッと」だ。





２００５年　９月　４日(日）富士山・太郎坊静岡県御殿場市（神奈川キノコの会勉強会）	９月には「神奈川キノコの会」の野外勉強会が３回行われるが、その最初の今日は富士山の南麓・太郎坊での探索。天気が心配で何度か暗雲に覆われたりしたが、何とか終了まで雨は降らなかった。　探索を始めてすぐに、ここも例外ではなくきのこがとても少ないと分かった。ただ、いたるところできれいな姿を見せていたのはキイボカサタケだった。数は多いのだがほとんどが単生なので、なかなかいい被写体が見つからない。やっと、２本並んでカサの反り返ったものがあったので撮影。　高地らしいきのこが見つからない中、ようやくカラマツシメジを見つけることができた。アカゲシメジやクダアカゲシメジなど、よく似た種類がいくつかあって外見だけでは同定が難しいが、鑑定会での同定に従ってカラマツシメジとした。　何とか絵になる華やかなきのこがないものかと探すと、とても小さいながらコケをバックに真っ赤に輝くきのこを見つけた。カサの直径が８ミリほどの小型菌だが、日が当たると本当に輝いているように見える赤さだ。ヒダが白くて柄に垂生しているのでベニヒガサのようだ。何とか白いヒダを写そうとカメラを地面にめり込ませたが、ここまでが限界だった。　もう１種、色のきれいなきのこを見つけた。イッポンシメジ属にはこのタイプで似た姿のきのこが何種類もあって、とても肉眼だけでの同定は困難だ。鑑定会でもススタケ（に近い？）とされていたが、ススタケが掲載されている図鑑を持っていないのでよく分からない。　解散ごろには異口同音に「まだ早いのかな」と呟きながら、三々五々引き上げていった。



２００５年　９月　３日（土）びわ青少年の家神奈川県平塚市	９月に入っても残暑が厳しい。いや残暑という感じではなく、まだ真夏が続いているような気候だ。まとまった雨も数日降ってないので、あまり期待せずに探索を始めた。　まず最初に見つけたのは、ちょうどカサを開き切ったところのミイノヒガサタケだった。カサの表面はキツネノカラカサやワタカラカサタケに似ているが、カサ表面周辺部が白く条線が見える。　ほとんどきのこが見つからない中、階段の材木に新鮮なカワラタケがたくさん生えていた。どこにでもある平凡なきのこだが、ちょうどこの頃はカサの周囲にくっきりと白い縁取りがあるので、被写体としてはたいへん美しい。コントラストを強めて写真にするとなかなか趣のある作品ができあがる。　そのすぐ近くの地面からは小さな白いきのこが出ていた。カサの表面は灰色でツヤがなく、ヒダがやや赤味がかって少し柄に垂生している。垂生がやや弱いがこれはイッポンシメジ科のヒカゲウラベニタケのようだ。柄がカサの中心から少しズレていることや、粉っぽいニオイがすることなど、特徴は図鑑の記述にピッタリだ。　今日はきれいなカワラタケだけで終わりかと思っていたら、なんとハラタケ科の群生に出会った。このところよく見る種類で、ザラエノハラタケによく似ていて柄にたくさんの綿屑状鱗片を付けている。ところがカサの表面は繊維状の鱗片ではなく平板な小鱗片が同心円状に付いている。幼菌のヒダは白っぽいクリーム色だが、カサが開くとハラタケ属独特の黒に近い紫褐色になる。　そして今日も、探索終了まぎわに「ドキッと」なきのこを見つけた。キヌガサタケだ。この季節に？と疑問に思ったが、梅雨の頃と秋の２回発生するのでそれほど不思議ではない。むしろ竹薮から遠く１０ｍ以上も離れた場所だったので、そのほうが不思議だった。