今日はどこまで行ったやら･･･

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２００５年１０月３０日（日）びわ青少年の家神奈川県平塚市	まず、いつものように立ち入りの許可をもらいに管理事務所へ寄る。あいさつのついでに「今日は何もないでしょう。」と無意識に言葉が出た。昨日の高麗山の印象からそんな気がしたのだが、やはりここはきのこの種類が多いところなのか、小型ながらもなかなか興味深い種類が見られた。　最初に見つけたのはベニタケ属のツギハギハツだった。あまり見かけない種類で、表面の「ツギハギ」がはっきりしないとヒビワレシロハツとの見分けが難しい。これには黄褐色のツギハギ模様がはっきり見える。　今までに何度もアクイロウスタケの群生を見ている斜面に、今日も真っ黒いカサが広い範囲に群生していた。被写体になりそうな形のいいものを探してアングルを決めているときに、奇妙なことに気づいた。カサの下面にほとんどシワ脈がない。もう一度それぞれのカサをチェックすると、どれも肉薄でもろい。なんとこれはクロラッパタケではないか。全く同じ場所に同じように群生しているのは、何か因果関係でもあるのだろうか。　オレンジ色の小さなきのこを踏みそうになって、慌てて飛びのいてよく見ると、前にもこの場所で見たハダイロガサだった。カサが平開してしまうと分かりにくいが、ヒダが強く垂生して柄の根元が細くなるのが特徴。　シダの茂る急な斜面に、とてもいい状態で２本並んでいるきのこを見つけた。カサ表面の褐色のササクレ状鱗片やしっかりしたツバ、黒褐色になったヒダを見るとザラエノハラタケになるのだが、それにしては小型過ぎるのとツバより下にあまり綿屑状のササクレがない。「？」を付けることにする。　次に見つけたのもツエタケなのだが「？」が付く。どうやらツエタケにもいくつかの種類があるようなことを聞く。これはカサが白く褐色の細かな網目模様が見える。普通のツエタケとはかなり様子が違うので、確かにこれは別種とされてもうなづける。　最後にまた気になるきのこが見つかった。コナラの樹下に広く散らばって生えていたが種名が分からない。ヒダを見るとどうやらチチタケ属らしいので、傷つけてみると透明の液がにじんだ。姿からはクロチチタケに近い種類だと思えるのだが、クロチチタケは高山帯の針葉樹林で乳液は赤変する。クロチチダマシは乳液が白い。　たくさんのきのこが見つかるのは嬉しいのだが、スパッと同定できない種類が多いと気分がスッキリしないものだ。





２００５年１０月２９日（土）高麗山神奈川県平塚市	毎年、季節が大きく変化したときに風邪を引いてしまうが、やはり今年も例外ではなかった。幸い熱はないのでこのところ気になっていたルリハツタケの観察に出かけた。　駐車場からポイントへ坂を下っていくが、ほとんどきのこが出ていない。雨もタップリ降ったはずだが、もう里山のきのこが終ってしまったのだろうか。やっと散策路脇の柵から出ている黄色いカサを見つけた。これはイチョウタケだ。サケバタケとよく似た生え方をするが、カサの色がやや淡色でヒダがほとんど縮れないのが特徴。　こんな調子ではルリハツタケも見つからないだろう･･･と、半ば諦めながら歩いていた。ところが、ポイント近くになると次々に見つかる。小ぶりのものが多いがきれいなインディゴブルーは健在だ。色の濃いものはラピスラズリとそっくりの色をしている。　別のコースへと戻る道で、さっきは目に入らなかったクロハツを見つけた。今年、愛知県で痛ましい中毒事故があって以来、ニセクロハツがこのあたりにあるのかも知れないと気になる。これも時間をかけて変色を確かめてみた。約１０分で赤くなり、１時間後には黒くなっていたのでクロハツでいいようだ。　遊具のある斜面では珍しく何も見つけられなかった。わずかにちょうど撮り頃のホコリタケを見つけた。まだ胞子が成熟する前で、全体に細かなトゲが生えている。やがて頭頂部に小穴が開いて、黒い胞子を噴き上げるようになる。　午後からは雨の予報だったので、風邪っぴきには大敵と早々に退散することにした。駐車場を出てしばらく走ると、道路わきに大きなナラタケがカサを開いていた。とても形が良かったのでアングルを選んで撮影。　省エネ探索の割にはなかなか面白い内容だった。




２００５年１０月２３日（日）七沢森林公園神奈川県厚木市	全国的に秋晴れのいい天気が続いた先週だが、秋雨前線の影響で関東地方は週の前半まで雨続きだった。ようやく金曜あたりから青空が見え始めたのでこの週末はどこへ行っても「きのこ爆発」に違いない・・・という時に限って土曜出勤。満を持して「足の踏み場もない」はずの七沢へやってきた。　最初に入った斜面で、いきなり大きなウラベニホテイシメジに出会った。カサの直径１５センチもある大きなものが数本生えていた。そしてその周辺に小さなクサウラベニタケがたくさん生えている。うっかり採取すると混じってしまう危険な状態だ。　期待に反してきのこが少ないが、立派なヒトヨタケ属が並んで生えていた。大きさだけで同定するのは乱暴だが、こんな大きなヒトヨタケ属はミヤマザラミノヒトヨタケだろう。毛むくじゃらの幼菌は面白い被写体だ。　尾根筋を歩くとカサにゴミをいっぱい付けた黄色いきのこが見えた。例によって直感同定でカキシメジかキヒダマツシメジのどちらか、と決め込んで下側へ回り込んだ。ところが、はっきりクモの巣膜があって赤錆色の胞子が落ちている。となるとフウセンタケ属になりそうだが、カサに粘性があって全体が黄色い、株立ちの生え方をするフウセンタケがあっただろうか。図鑑では名前が分からなかった。　沢筋へ降りてくると、あちこちに真っ赤なチャワンが見える。ベニチャワンタケだが、下面の白い毛の有無でベニチャワンタケモドキを区別することは無理があるように思うので、ベニチャワンタケということにしておく。　同じように落ち枝に生えるチャワン型で、きれいなアズキ色をしたニクアツベニサラタケも出ていた。　一気に秋になり、そして一気に冬になってしまうのだろうか。もう少し撮影を楽しませて欲しいものだが・・・。　※１０月２５日（火）の「報道ステーション」（ＴＶ朝日系）で「毒きのこ」関連の特集が予定されていて、当ＨＰのきのこ写真が使用される予定です。




２００５年１０月１６日（日）新治市民の森神奈川県横浜市	明け方までには止むはずだった雨が、探索を始めても降り続いていた。レインギアや傘をさしてのきのこ探しで、あまりカメラを出したくないと思っていたが、しばらく歩くと初めて見るきのこが見つかった。　カサも柄もそしてヒダも紫色でカサの中央が窪んでいる。雨に濡れているので分かりにくいがカサの表面に粘性はない。柄は繊維質でヒダには赤錆色のような胞子の色が見えていた。フウセンタケの仲間だろうということは分かったが、種名は全く分からなかった。　そしてもう１種、同定できないきのこが見つかった。カサの直径が１０センチ以上にもなる大きなきのこで、カサと柄が茶褐色でヒダが白い。ヒダが垂生しているのでヤギタケのようなイメージもあったが、カサが黒っぽくなくて繊維状のカスリ模様も見えないので、やはりこれはカヤタケ属のきのこなのだろう。　２年前、尾根筋の竹林にカラカサタケがたくさん出たので、もうそろそろ生えているかも知れないと行ってみると、道のすぐ横に立派な幼菌が立っていた。カサの鱗片が雨で流れていたが、これは大きなカラカサタケだ。普通の雑木林にも見られるが、竹林の中でもよく見かけるのはどういう訳なのだろう。　毎年ハタケシメジを見つけるポイントがあるが、今年はそこから少し離れた斜面にたくさん生えていた。なかなか見分けるポイントがはっきりしないきのこなのだが、柄が根元で枝分かれしている「株立ち」の生え方で、ヒダの幅が狭くて極めて密なのが特徴。いくつも群生している中にカサの色がやや黄色い一群もあった。カサの色以外は同じ特徴だった。　定点観察では久しぶりに昼食が３時近くまでずれ込むほど、きのこの多い日だったが、写真の被写体として華やかな種類が乏しかった。



２００５年１０月１５日（土）神武寺神奈川県逗子市（神奈川キノコの会勉強会）	どういう訳か相性の良くない地域というものもあるらしい。いろいろ面白いきのこがたくさん出る所ということは話に聞くのだが、三浦半島へ行くといつもいいきのこに出会えない。勉強会でしか行かないから、みんな先に採取されてしまうということも理由の一つだとは思うのだが、今日などはかなり先頭を歩いていてもダメだった。　自分で見つけた中でカメラを向ける気になったのは、色鮮やかなベニチャワンタケだけだった。沢沿いに落ちた枝にたくさん並んで生えていた。裏面の白い毛のあるなしでモドキの付く別種があるとされているが、同じ枝に生えていても毛の有無が違ったりするのでよく分からない。　今日は１種だけのアップになってしまうのか・・・と、ガッカリしていたが、珍しい種類が２種採取されていたので掲載することにした。１種目は柄の色がとても鮮やかなオレンジ色をしたフタイロシメジ。柄だけを見るとまるでハナガサイグチのような蛍光オレンジだが、カサの中央が突出したハエトリシメジ型のきのこだ。神奈川県下ではこの神武寺以外では観察記録がないとのことだった。　そしてもう１種も以前、神武寺で発見記録のある珍種、トキイロツルタケ（仮称）だ。外見はツルタケそのものだが、柄に淡い赤味があり、ヒダにいたっては目を見張るほどの美しいトキ色をしている。図鑑「青森のきのこ」にバライロツルタケとして掲載されている種によく似ているが、ヒダの色がピンクではなくオレンジ色系であることと、ここまでカサが開いても色が濃いままなので、会での仮称のままで記録された。ぜひ、生えているところを撮りたいきのこだ。　午後は雨という予報は好都合に外れてくれたが、汗が噴出すほどの蒸し暑さには閉口した。


２００５年１０月１０日（月・祝）高麗山・子供の森神奈川県平塚市	朝早くから激しい雷雨で起こされたが、この天気では撮影に出掛ける気になれず、昨日のコウタケの乾燥を続けた。雨がよく降るので天日乾燥ができず除湿機を使って進めているが、概ねうまくいっている。やはり乾燥が進むと独特の醤油の香りが強くなってきた。　昼ごろ少し雨が止んで空が明るくなったので、高麗山の子供の森だけ歩いてきた。きのこはほとんど何もなかったが、さすがに雨が降るとエリマキツチグリが一斉に開くようだ。ほんの１ｍほどのスペースに密集していた。　裸地の斜面に小さなベニタケ属のきのこを見つけたが、淡い紫色がきれいだったので丁寧にゴミを取って撮影した。カサの表面は強い粘性があり条線がはっきりしている。ヒナベニタケだと思うのだが、図鑑によると分布は関西方面のようで学名もkansaiensisとなっている。これも分布域を広げている種類なのだろうか。　やや大き目のきのことしてはオオキヌハダトマヤタケが新鮮だった。柄が太くて白いタイプと、このように細くて黄褐色のものがあるように思う。「オオ」の付かないキヌハダトマヤタケは柄の根元がカブラ状に膨らむのでそれとは異なるようだ。　すぐまた空が暗くなり大粒の雨が降り始めたので、今日は早々に引き上げて連休最後は休養日とすることにした。


２００５年１０月　９日（日）大志戸・木の実の里山梨県大和市	「今年はコウタケが豊作だ！」などという穏やかならぬ噂が聞こえてきた。コウタケファンの一人としては何としても撮影しておかなければならない。当然、過去に見た場所へ行ってみることにした。　早朝に出発して現地に着いたのが９時。途中はずっと雨が降っていたが、不思議なことに笹子トンネルを抜けるとウソのように道が乾いていた。　全体的にまだきのこが少ない状態で、小さなものを撮影しながらコウタケポイントへ来ると、ドンピシャ、狙い通りに大きなものが生えていた。撮影もそこそこに採取にとりかかったが、なぜか特有の香りがかなり弱い。コウタケにそっくりのシシタケというのもあるらしいが、香りや味に大きな差があるのだろうか。他の場所でも見つけたので柄の断面を確認してみたが、同じ株でも窪みの深さが違っていてよく分からない。　ここでは前にホウキタケと思われる赤いタイプを見つけたが、今日は種名のはっきりしない淡橙黄色のホウキタケの仲間がいくつも出ていた。採取後に捨てられているものをいくつも見た。　黄色いカサのきのこが１本だけあって、よく見るとカサの中央が突出して尖っている。ヒダが全体に白かったのでハエトリシメジだ。図鑑によるととても美味なのだが、食べ過ぎると悪酔いのような中毒を起こすらしい。殺虫成分を含んでいるからなのだろう。　今日はもう１種、食菌として好物のきのこを見つけた。和名はニセアブラシメジだがそんな不味そうな名前ではなく、通称のクリフウセンタケの方が響きがいい。黄色味の強い褐色のカサでヌメリがあり、柄が真っ白でしっかりしている。地中深く柄を伸ばしていて、しかも屈曲していることが多いので、採取には掘り起こす道具が必要だ。　同じ道を引き返してもビックリするきのこを見つけることがよくあるが、まさにその通りで、立派なムレオオフウセンタケを見つけた場所はホウキタケの仲間を撮ったすぐ近くだった。まだ幼菌に近いくらいのものだが、とても柄が太くて貫禄十分だ。　午後遅くにまた雨が降り出したので、今週くらいに一気に秋のきのこが出るのかもしれない。




２００５年１０月　８日（土）茅ヶ崎自然生態園「きのこ観察会」神奈川県横浜市	今年も横浜市の都筑区にある「茅ヶ崎自然生態園」で、恒例となった「きのこ観察会」が行われた。１０月にしてはまだ気温が高く蒸し暑い状態だったが、うまくまとまった雨も降ってくれたので、きっとたくさんのきのこが観察できると期待された。　観察を始めてしばらくは小さなきのこが多かったが、少し開けた斜面でシメジ型きのこが並んで生えていた。カサの表面は黄色っぽい褐色だったが、採取して裏を見てビックリ、鮮やかな藤紫色をしている。名前も覚えやすいウラムラサキシメジだった。周囲を探すとさらに弧を描いて並んでいて、きれいな菌輪の生え方も観察することができた。その他にはワタゲナラタケやニガクリタケなど、約３０種類が採取された。　ほんの１時間ほどの観察でもたくさんの種類を見ることができた。参加者みんなでよく観察しながら図鑑で名前を調べたが、多くの人が毒きのこのニガクリタケをキシメジだと思ったりで、やはり初心者が図鑑で調べることの危険さがよく分かった。　その後はこれも恒例となった「シイタケバーベキュー」で、子供たちも自分でホダ木から採って焼く。その美味しさは格別で、毎回、きのこが苦手だった子供が「おいしい！」と食べるようになる。　よほど参加者の皆さんの「日頃の行い」が良かったのか、解散をして後片付けをする頃、再び雨が降り出した。


２００５年１０月　６日（木）気になる赤いきのこ（先日の不明２種）	９月２３日に高麗山で見つけた「赤いアセタケ属」と、１０月１日に富士山で見つけた「赤いチャツムタケ属」としたきのこについて、興味深いことが分かってきたのでここに記録しておく。　まず、アセタケ属の方だが、発見場所が１００ｍほどしか離れていなかったこと、柄が赤いことが特徴的だったことから、２年前に発見されたモモエノトマヤタケだろうと判断した。しかし、写真で見る限りでは外見的にかなり雰囲気が違うことは感じていた。検鏡していただいた結果、全く異なる種類であり、オオキヌハダトマヤタケに近い種であることが分かった。今のところ該当する種の確定に至っていないので、ひとまず「オオベニハダトマヤタケ」という仮称を付けた。　もう１種、チャツムタケ属だろうと思った方は、翌日の勉強会で城川先生に見ていただいたところ、ヒダの色が明るいオレンジ色のままなのでキシメジ科かも知れないと言われた。意外に思いながらも後日「新菌類図鑑Ⅰ」のキシメジ科のページを繰っていたら、なんとそっくりのきのこを見つけた。「ヒメチシオシメジ」というサマツモドキ属の種類だ。深山の針葉樹腐朽木に生えてまれ、とある。まだ検鏡の結果は伺っていないが、これは間違いなさそうだ。

２００５年１０月　２日(日) 四季の森公園神奈川県横浜市（神奈川キノコの会勉強会）	確かに、前回の「勉強会（９／２５）」のときに「もう真夏日に戻ることはない」と書いてしまったが、見事にはずれた。今日の横浜は午後になって３０度になっていたらしい。　公園内はどこも乾燥していてきのこがあるような感じではなかった。しかも、尾根筋を歩くコースにしたから、歩けど歩けど何も見つからず汗が流れるだけだった。　やっと低地へ降りて、枯葉の積もった斜面を探してみると、どういう訳か狭い範囲の斜面に数種類が次々に見つかった。まずスタイルのいい新鮮なきのこが目に飛び込んできた。カサが滑らかで柄がしっかりしている。ヒダを見るとピンク色になっていたのでイッポンシメジ科のアズキクサウラ（仮称）だと分かった。　数種のアセタケ属や少し傷んだヤナギマツタケなどを撮りながら、ふと斜面の下を見ると、きれいなカラカサタケの幼菌が立っていた。幼菌と言ってもこの場合は高さ１５センチ近くもあるので、被写体としても迫力がある。　かなり腐朽の進んだ倒木にとても新鮮な小型のきのこが生えていて、いつもの調子で一見しただけで「ムササビタケだろう」と思った。ミラーを使ってヒダの色を確認すると、なんとほとんど真っ白でわずかにピンク色が見えた。カサにも独特の放射模様があるのでこれはウラベニガサ属の仲間だった。後の鑑定会でも種名の同定には至らなかった。　採取された中でちょっと珍しくて印象に残った種類があったので、記録として撮影しておいた。ヒナツチガキモドキというヒメツチグリ属のきのこで、ヒナツチガキよりかなり大きくて外皮の色もかなり違うが、やや紫がかった白い菌糸マットの上に生えている点で似ている。めったに見かけない珍しい種類とのことだった。　いつもの菌友グループで軽い食事と雑談をして暗くなってから別れたが、なんとまだ涼しくならない。この調子では今夜は熱帯夜になりそうだ。これでは日本の季節がどうなってしまうのか、大げさでなく心配だ。



２００５年１０月　１日(土) 富士山南麓・高鉢静岡県富士宮市	もう何年も行ってない富士山の高鉢を歩いてみたくなった。ちょうど１，６００ｍあたりに駐車場があるが、トイレがとてもきれいになっていて驚いた。これならビバークするにも快適な場所だろう。　散策を始めてすぐにシロナメツムタケを見つけた。カサのヌメリがとても強く、チャナメツムタケと同じスギタケ属の美味しいきのこなので、試してみることにした。　大きな倒木に真っ赤な小型のきのこを見つけた。第一印象はミドリスギタケなのだが、カサも柄も赤いので別種に違いない。図鑑で探したところアカタケというのが最も近いが、図鑑に比べるとヒダの色が明るいのでちょっと疑問が残る。やはりこれは、チャツムタケ属のきのこなのかも知れない。種名はハッキリしないが、被写体としてはとても映えるきのこなのでいろんなアングルで撮った。（キシメジ科サマツモドキ属のヒメチシオシメジと分かり、10月6日に掲載）　朝早くから「きのこ狩り」の人たちがたくさん入っているようで、少し古くなったチャナメツムタケなどが捨てられていた。こうなると、「狩り」の対象にはなりにくい種類しか期待できないが、さすが富士山はありふれたきのこでも生え方が違う。倒木にビッシリ並んだクヌギタケは、きのこそのものは小さくてもスケールが大きい。こういうシーンは里山ではめったに見かけない。　昼食の休憩に苔むした溶岩帯を選んで適当な場所に座ったら、なんとすぐ傍にきれいなムラサキホウキタケが生えていた。直射日光が当たって撮りにくそうだったので、ゆっくり食事を済ませてから撮影した。　大きなきのこや優秀な食菌はほとんど見つけられなかったが、新鮮な小型のきのこは何種類も生えている。しかし、それらはなかなか種名が分からない。　しばらく歩いてやっと、種名の分かる食菌を見つけた。カサが黄色くて中心はほとんど黒に近い。ヒダは白いのだが周縁の部分だけが黄色く染まっている。この特徴はアイシメジのものだ。１本しかなかったが、採取したシロナメツムタケの仲間に入れることにした。