今日はどこまで行ったやら・・・


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2006年
 4月30日(日)

伊豆・一碧湖
静岡県伊東市
 気候が大きく変わらない限り里山で見つかるきのこは、どこへ行っても似たような種類になってしまう。そこでまた、少しは気温が高いような気がする伊豆半島へと足が・・・というか、ハンドルが向いた。
 きっと何か、中型より大きいきのこが見つかるに違いないと意気込んで歩き出したが、どうしたことか極小菌すら見つからない。やっとの思いでカメラを向ける気になったのは、コナラの倒木に生えた新鮮なクロハナビラタケだった。今まで干からびて硬くなったものしか見てなかったが、これは柔軟で出始めたばかりという感じだった。見た目にあまり差がないのは残念だが。
 散策路から外れると深々と枯葉が積もっているため、なかなかきのこが見つからないが、葉の間にわずかな赤い色が見えたので確かめると、2本並んだドクベニタケだった。撮影後にチェックするまで種名は分からなかったが、カサの表皮が剥がれやすいのと極めて辛いので同定できた。
 大きな切り株にカワラタケがたくさん生えていて、その上に1本だけ違う種類が出ていた。まるで花びらのように周囲が裂けているが、カサのササクレを見ればすぐにアミスギタケだと分かった。
 前回で幼菌が3個あったシイタケのポイントへ行ってみると、今度は立派な成菌が1本だけだった。肉厚でちょうど食べ頃だったので、これはいただくことにした。
 そのすぐ横に真っ白い毛だらけのカサが並んでいた。とても新鮮なスエヒロタケだ。ごくありふれた食用にもならないきのこなので見向きもされないが、写真の被写体としてはかなり優れたモデルだ。特にヒダがきれいに揃っているものはついつい何枚もシャッターを切ってしまう。
 期待したほどの内容ではなかったが、散策には最高の気候だったので気持ちよく歩くことができた。午後早くに伊豆で地震があったらしいが気づかなかった。そう言えば地震の話をしながら歩いている人がいた。
2006年
 4月29日(土・祝)

高麗山・湘南平
神奈川県平塚市
 ゴールデンウィークが始まったと言うものの、暦どおりの休みだから普段の週末と変わりない。今日は午後から天気が悪くなると言うので最も近場の高麗山を歩くことにした。
 湘南平に車を停めてまずヤマグワの樹に向かう。相変わらずショカツサイのきれいな紫は満開だったが、キツネノワンはほとんど老菌しかなかった。キツネノヤリタケの方はまだいくぶん元気だったが、前回に比べると短いものが多い気がする。
 昨日の雨を受けて色が鮮やかになった雑草の間から、数本の白いきのこが出ていた。長い柄に白い鱗片が付いているのでザラエノヒトヨタケのようだ。カサがやや反り返った1本の根元には、まだ毛むくじゃらの幼菌が並んでいる。2003年に伊豆の一碧湖で見たのとそっくりの情景だった。
 尾根筋を歩いていると、少し古くなったアミガサタケが1本だけ生えていた。未だに群生を見つけたことがないが、この仲間を見つけることが苦手だった昔と比べれば飛躍的な進歩と言いたいところだ。さらに駐車場から車を出してすぐに、運転しながら大きなアミガサタケも見つけられた。
 予報どおり昼からは雨が降り始めた。全国的に行楽日和という中でなぜか関東だけに雨が降っている。冬の雪とは逆の現象が起こっているようだ。
2006年
 4月23日(日)

七沢森林公園
神奈川県厚木市
 午後からは雨が降るという予報だったので、早めに出発して七沢森林公園を歩いた。このところ天気予報はよく的中(?)しているので素直に従った方がいい。
 きのこが少ない季節は当然ながら歩き方も遅くなり、探索の目もとても丁寧になる。ところが今日はそうして探してもまったく見つけられない。斜面を登り尾根伝いに歩いて、ついに最後の頼みの綱「沢のさんぽみち」へやってきた。
 するとどうだろう、いきなり大きなアミガサタケが目に飛び込んできた。やや傷んではいるが散策路をバックにいい雰囲気に撮れた。
 続いてはフジイロチャワンタケモドキの群生。地面の苔の間や朽ちた針葉樹から、それこそ数え切れないほどひしめき合っている。これも図鑑では「モドキ」しか載っていない。チャワンの中のゴミを刷毛でかき出すと盛んに胞子を噴き出すが、風にはあまり反応しなかった。
 さらに進むと湿った斜面から小さなコガサタケが数本生えていた。どれも少し古くなっていたが、とても新鮮な幼菌が1本あったのでローアングルで撮った。
 そしてそのすぐ傍には、さらに小さな赤いきのこが生えていた。今までにも数回見たことがあるが名前が分からなかった。ところが高さが1〜2センチしかないきのこを超クローズアップで見ていると、ベニカノアシタケにそっくりだと気づいた。富士山では10センチくらいまで柄が伸びるきのこだが、里山ではこんなに小さくなるようだ。
 もう出ていないだろうと思っていたヒメコンイロイッポンシメジは、まるで名残を惜しむように小さなものが3個だけあった。最も大きいものでカサの直径1センチ。これも超クローズアップでヒダの部分を拡大してみた。
 結果が分かっていれば沢沿いのコースだけを歩けばよかったのだが、そういう手抜きをしないことがいい結果に結びつくのだ・・・と、自分に言い聞かせる。午後は予報どおり雨が降り始めた。
2006年
 4月22日(土)

湯河原・幕山公園
神奈川県湯河原町
 例年より1〜2週間も早くハルシメジが出始めたという噂が聞こえてきた。そう言えばサクラの開花も関東は早かった。遅れを取ってはいけないと、湯河原の幕山公園へと出かけた。
 広い斜面に梅林が広がるが、見たところまだ葉も少ないように思う。「早すぎたか?」と探し始めると、なんといきなり数個のハルシメジを発見。これなら足の踏み場もない状態かと期待を膨らませ、急斜面の散策路を急いだ。
 ところが遠目が聞くはずの「きのこ目」にまったく飛び込んでこない。手を抜かず丁寧に探してみたが、やはりまったく見つけられない。やっと見つけたのはやや古くなったアミガサタケの1本だけ。
 孫を連れて山菜を採っているオバサンに聞いてみたら、「きのこは無かったねぇ、見つけても怖いから採らないけど。」とのこと。どうやら今年は「かなり気の早い一群」がいるということのようだ。
 仕方なく諦めて車に戻る途中、ウッドチップを敷き詰めた広場でカサが小豆色の幼菌を見つけた。直径は1.5センチしかないがきれいな色が目に付いた。ローアングルで構図を決めていると、カサの下に何やら尖ったものが見える。なんと裂けたツバだった。こんな幼菌でも極めて簡単に同定ができた。その名の通りサケツバタケだ。いずれこの写真は別のコーナーで登場することになるだろう。
2006年
 4月19日(水)

富士山南麓・西臼塚
静岡県富士宮市
 今日は振替休日を取っていたので気になっていた富士山の西臼塚へ行ってきた。平地は20度を越える陽気になっていたが、さすがに標高1,400mになると風は冷たくて冬が終ったばかりという感じだった。
 きっとあるだろうと予測できた種類が、やはりすぐに見つかった。ブナの倒木上にいくつもカサを並べていて、独特の波打つ形が分かりやすいオツネンタケモドキだ。管孔面も真っ白いものが多かったので、名前の通り晩秋から年を越して生えるようだ。
 もう1種、元気にたくさん生えていたのはヒメアジロガサモドキだった。目立つ特徴があまりないきのこだが、柄の上部にある帯のようなオレンジ色のツバが決め手になる。猛毒のコレラタケに近縁なのできっとこれも危険に違いない。
 面白い形の幼菌を見つけた。光沢のあるカサと独特の明るい灰褐色からヌメリツバタケモドキだと分かったが、カサが開く前の内被膜が面白い形をしている。撮影後にヒダをチェックしたらやはり細かなシワがあった。
 なぜか「モドキ」が3種も続いてしまった。
 ここはブナの大木が多いので地面にはブナの実が無数に落ちているが、その殻斗に小さなチャワンタケがこれもまた無数に生えている。このシロヒナノチャワンタケは今まで何度撮影しても真っ白に飛んでしまってうまく撮れないでいた。何とかチャワンの大き目のを探して撮ったが、やはり「極小で純白」というきのこはきれいに撮るのは難しい。
 富士山の春はやはり大型連休あたりになるのだろう。
2006年
 4月16日(日)

松岩寺・霧降の滝
高麗山・湘南平

神奈川県平塚市
 冷たい雨が降りしきる中、傘を片手にきのこ探し・・・「酔狂ここに極まれり」などと呟きながら、前から菌友に勧められていた「松岩寺霧降の滝」を歩いてきた。とても良い所で楽しみな探索地がまた一つ増えた。特に「霧降の滝」から先の渓流沿いの道はほとんど起伏がなく(!)歩きやすい。
 大きな朽ちた切り株の下に空洞ができていて、その中に1本だけ紺色の小さなきのこが生えていた。コンパクトデジカメの片手撮影だから、こんな暗い場所では思うように撮れない。何枚か撮ってモニターを見るとヒメコンイロイッポンシメジらしいことが分かった。
 しばらく進むと砂地の斜面に見覚えのある姿を発見。近づいて頭部をよく見ると細かな斑点が見える。冬虫夏草だ。この姿はオオセミタケに違いないと、撮影後に掘ってみた。4センチ近くもある大きなアブラゼミの幼虫から生えていた。付近にはさらに数個見ることができた。
 帰り道でついでに高麗山の湘南平へ寄った。前回、ヤマグワの樹下を見るつもりで行こうとしたが、花見客の渋滞に阻まれてしまったからだ。今日はさすがに駐車場はガラガラだった。
 やはりここの大きなヤマグワでもキツネノワンがピークを迎えている。樹下にはショカツサイのきれいな紫の花が満開だが、その根元に無数に群生していた。そして、よく探してみるとキツネノワンに混じってすでにたくさんのキツネノヤリタケも出ていた。
 他にも狙いをつけていたアミガサタケとハルシメジ(桜型)は見つけることができなかった。
2006年
 4月15日(土)

木もれびの森公園
神奈川県相模原市
 そろそろ富士山あたりも行ってみようかと昨夜から作戦を練っていた。ところがまた冬に逆戻りして、1000m以上では雪になるかも知れないとTVが言っている。それではと予定を変更して伊豆方面へ向かった・・・が、出発5分で渋滞につかまった。ナビ嬢が到着は午後2時になると言う。めまぐるしく予定を変更して相模原の木もれびの森へ行くことにした。
 雨がたっぷり降った2日後だからと期待したが、やはり気温が下がったのではきのこは少ない。地面に生える小型のきのこを見つけて、カサの色や形からアクニオイタケだろうと思った。埋もれ木からでも生えているのだろうと、撮影後に採取すると地下には何もない。そしてニオイもない。よく見るとヒダが肉色をしていて、柄が繊維質で捻じれている。どうやらミイノモミウラモドキのようだ。
 朽ちた切り株に鮮やかなオレンジ色の粒を見つけた。直径が数ミリなのでよく見えないが何かの幼菌だろうと撮影。採取しようとつまむと、つぶれてオレンジ色の液が出た。粘菌(変形菌)のマメホコリのようだ。
 広い公園内のあちこちでアシナガイタチタケを見ることができた。カサが大きくて柄の短いのもあったので、イタチタケも混じっていたかも知れない。それにしても名前の通りアンバランスなほどに柄の長いものが多く、ゴミを取り除くにも息詰まるほど慎重にやらないと倒れてしまう。
 もう1種、たくさん見かけたのは散策路のウッドチップに生えたオオカバイロヒトヨタケだ。これもまたとても柄が長いが、こちらはカサが軽いせいか簡単に倒れるようなことはない。ほとんど液化しないカサなので、萎れていてもシルエットがきれいだ。
 午後遅くには曇って風も強くなり、ますます気温が下がっていく。毎年今ごろに春は足踏みをする。
2006年
 4月10日(月)

ハナヤスリタケ・改め
発掘&検鏡結果
 先月から高麗山で観察している極小きのこを外見から「ハナヤスリタケ」だと同定したが、掘り返してみてもツチダンゴを確認できないでいた。そこで、最近「地下生菌」の調査をされている中島さん(リンクHP『東京山案内人』)に場所を伝えて調べていただいた。
 今日、早速調査された結果、やはりツチダンゴには行き当たらず、検鏡されたところ子嚢胞子に7つの隔壁があることが判明。ハナヤスリタケではなくテングノメシガイ科のきのこであることが分かった。
 図鑑等で調べると「ナナフシテングノメシガイ」がもっとも近いと思えるが、思い込み同定に反省してテングノメシガイ属にとどめておく。胞子の隔壁がはっきり分かる写真を送っていただいたので掲載させていただく。
 同じ子嚢菌といえどもまったく科が違うきのこが、どうしてこんなにそっくりな形なのかとても不思議だ・・・と、早合点の言い訳。
 中島さん、ありがとうございました。地下生菌の調査にはお役に立てませんでしたが、とても興味深い結果に感謝しています。
2006年
 4月 9日(日)

高麗山・地獄沢
神奈川県平塚市
 高麗山まで車で5分しかかからないが、知らぬ間に途中のコンビニが2軒とも閉店していた。おかげで昼食のオニギリを買うためにずいぶん遠回りを強いられてしまった。気を取り直して探索を始めたら、いきなり3匹のシマヘビがお出迎えだ。冬眠から覚めて日向ぼっこだろうか、まだ動きが鈍い。苦手な人はクリックしないように。
 枯葉が積もった陽だまりの中に小さなカサがいくつも見えた。同定に悩むタイプの小型菌だが、これはコガサタケで良さそうだ。新鮮だと条線が見えるが少しでも乾くと消えてしまう。
 あちこちのHPでキツネノワンが載り始めた。まだヤマグワは新芽を出したばかりで花の時期には早すぎるが・・・と、半信半疑で探してみると、あるある、たくさんのチャワンが群生している。胞子を飛ばして次の花に着くのであれば、ちょっと気が早すぎるのではないか?そして、キツネノヤリタケはもっと遅い時期なのかいくら探しても見つからなかった。
 高麗山にはニリンソウの群生地がいくつもある。今が盛期と花を咲かせていたので、どうしても根元が気になる。かなり丁寧に探してみたが、アネモネタマチャワンタケは見つからなかった。
 先月、尾根筋で小さなハナヤスリタケを見つけたが、「神奈川キノコの会」でも過去に観察記録がない極めて「珍菌」であることが判明したので、その後の経過観察をした。前回7ミリ程度だった地上部は3センチあまりに成長していた。当然、ツチダンゴの顔も見たいのだが掘り出すのが下手で確認できなかった。※後日、検鏡していただいた結果「テングノメシガイ属」だと判明した。
 斜面にきれいなカサを見つけた。地面からほぼ水平に柄を伸ばしている。半ば乾いた粘性のないカサの様子や、柄の中ほどにツバが残る姿はツチイチメガサだろう。季節を問わず生えるきのこのようだ。
 目に飛び込んでくるような大きさのきのこは、まだもう少し先のようだ。
2006年
 4月 8日(土)

真鶴半島
神奈川県真鶴町
 毎年のことながらこの時季の探索場所選びには困ってしまう。里山は飽きたから深い森を歩きたいと富士山に決めていたら、また冬に戻ってしまったのでもう少し後にすることにして真鶴半島へ行った。
 気の早いカンゾウタケでも見つかればいいのだが・・・。
 車を停めてすぐに新鮮なキクラゲを見つけた。こんな少しを採取しても仕方がないとやり過ごしたが、結局このくらいのものを数ヵ所で見つけたから採ればよかった。
 以前にアクニオイタケの大群生を見たマツの倒木は、すっかり苔に覆われて腐朽が進み、その上に少しだけ生えていた。カサの形が変化に富むので見分けが難しいが、カサをつぶしてニオイをチェックすれば簡単に分かる。
 枯葉の間から1本だけヒトヨタケの仲間が生えていた。柄に細かな毛が生えていてカサの肉が薄く反り返っている。柄の下の方ほど太くなっているのでザラエノヒトヨタケでよさそうだ。この仲間は日に透けるカサの裏がとても美しいので、いつもローアングルからヒダを撮る。
 もう1種ヒトヨタケの仲間を見つけた。こちらはカサの色が褐色で表面に細かな鱗片が付いている。よく見るとカサの中央の鱗変は褐色で尖っている。コキララタケのようだ。これもヒダのクローズアップを撮っておいた。
 やはりまだ、気の早いカンゾウタケはなかった。
2006年
 4月 2日(日)

四季の森公園
神奈川県横浜市
 今年の秋も定点観察をしている仲間で「四季の森きのこ写真展」を催す予定になっているため、今日はいつもの「新治市民の森」の観察を午後に回して、8名の参加者はまず「四季の森公園」へ向かった。
 それはちょうどこの時季にウワミズザクラの樹下に出るトガリアミガサタケを撮るためだ。ソメイヨシノが満開になり、コブシの白い花が見られる頃にたくさん生える。
 狙いは的中した。名前の通り先端の尖った7〜8センチのトガリアミガサタケが、ウワミズザクラを取り囲むように散生している。よく見ながら注意して歩かないと、とても見つけにくい迷彩色になっている。
 ここに生えるタイプは、イチョウの樹下に出るオリーブ色になるものとは色が違って、頭部の窪んだ部分が明るい褐色になると思っていたが、別のウワミズザクラの樹下ではそのオリーブ褐色のタイプが出ていた。メンバーに聞くとさっきの場所でも両方あったと言う。少し乾くと明るい褐色になるようだった。
 ここでも針葉樹を使ったと思われる柵材に、フクロシトネタケがたくさん出ていた。まだ大きくなったものは少なかったが、やはりここでも日当たりの良い場所に生えている。普通、直射日光を嫌うものが多いはずのきのこで、これはちょっと変わった性質のように思う。陽光を何かに利用しているのかもしれない。
 昼食後はいつも通り「新治」を探索したが、やや干からびた「ツバキン」ぐらいしか被写体がなくて、雨も降り出してしまったので早々に切り上げた。幸運にも夕刻からの激しい春の嵐には遭わずに済んだ。まさに「花散らし」の嵐だった。
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