今日はどこまで行ったやら・・・


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2006年
11月26日(日)

高麗山・湘南平
神奈川県平塚市
 今月3度目の高麗山だ。どんな小型菌であろうと徹底的に撮ってやろうと、久しぶりに湘南平の遊具のある斜面から歩いた。曇り空で北風が強く、とても寒い中での探索になった。
 朽ちた倒木の周囲に出ていたのは真冬でも元気なニガクリタケだった。まだ胞子が落ちていない新鮮なもので、鮮やかな黄色はいい被写体になってくれる。
 植込みの下には開いたばかりのツチグリがあった。湿度に応じて外皮を開閉し、閉じるときには自ら胞子の詰まった内皮を押すらしい。ちょうど手前の2枚の外皮が内皮を押しているように見える。
 階段の裸地には橙色の小さな円盤が密集して生えている。アラゲコベニチャワンタケだが、クローズアップで撮影するとまるで食虫植物のような姿だ。このまつ毛のような周囲の粗い毛も、風を感じるセンサーとか虫を感じて虫に胞子を吹き付けるためではないかと何かで読んだことがある。きっと想像を超える巧妙なメカニズムがあるのだろう。
 2週間前の高麗山でダイダイサカズキタケではないかと思ったオレンジ色のきのこを、今日はあちこちで幼菌の状態で見つけた。やはりこれはヤマケイ「日本のきのこ」に載っているダイダイサカズキタケだろうと思う。発生時季がこんなに寒くなってからだから、見つけられる機会が少ないのかも知れない。
 広葉樹の丸太にちょっと興味深いものを2種見つけた。一つは小さなカサが重なって生えているハカワラタケ。初め名前が分からずに、丸太を転がしてみて驚いた。裏側はきれいな紫色をしている。
 もう1種はシワタケの幼菌。白いカサを作り始めているがほとんどの部分は背着していて、よく見るとちょっと不気味な模様のシワヒダができている。カサになっている下の面ではすでに放射状の網目ができ上がっていた。
 最後に少しだけ地獄沢を覗いてみると、堰堤の上の倒木にきれいなヒラタケが群生していた。通りがかりの3人連れの人たちを驚かせてしまったが、きのこを探している様子だったので教えてあげた。
2006年
11月25日(土)

伊豆・一碧湖
静岡県伊東市
 昨夜のうちに今日の行き先は一碧湖だと決めた。目当てのきのこが少しあったからだ。ところが、今朝の出発が少し遅くなってしまい、慌てて出かけたのがいけなかった。現地の駐車場に着いてから、こともあろうにカメラのメモリーを忘れてきたことに気づいた。さらに悪いことに、いつも持っている予備の128MBメモリーも前回で使ったので一緒に置き忘れた。残る予備メモリーは32MBだけ。仕方なくNikonのE5000だけにして、ポイントを絞って歩くことにした。
 昨年と同じ切り株に同じようにクヌギタケが生えていた。季節や環境で様ざまに姿を変えるきのこなのでなかなか同定が難しいが、ここに生えるタイプは典型的で分かりやすい。
 今日一番の目当てはシモフリシメジだったが、小さいものがほとんどで数も少なかった。これでは「狩り」をする気にもなれず、撮影だけにした。
 そして昨年見つけたナラタケのポイントへ行ってみると、ここにもまた小さな幼菌だけが少しだけ出ていた。高さは2〜3センチだが、この大きさならちゃんと成菌に育つのかもしれない。
 いつもシイタケやエノキタケがあるポイントでは、シイタケの幼菌が並んでいた。他にキクラゲやコガネニカワタケもあったが、ここでメモリーが尽きた。変なニオイがすると思ったら、スッポンタケの残骸もあった。
 画質を1ランク落とせばよかったと気づいたのは、帰路の途中だった。
2006年
11月23日(木・祝)

高麗山・子供の森
神奈川県平塚市
 様ざまな探索候補地が次々に浮かんでは消え、遠征したところで徒労に終るだろうと思えた。「迷ったら高麗山」という座右の銘(?)を持っているので、今日は子供の森を歩いてきた。
 いつもは行かない公園の下の斜面に入っていくと、大きなムジナタケの株に出あった。落葉をかき集めて捨てられた付近に生えている。最近よく見かけるので晩秋にも発生のピークがありそうだ。
 すぐ傍の朽木の間には、か細いきのこがいくつも生えていた。この時季よく見かけるニオイアシナガタケだが、消毒薬のようなニオイにはかなり強弱があって、これはカサを指先でつぶしてしばらく経ってからニオイを感じた。
 切り株のあちこちにナラタケの幼菌を見つけたが、この季節に見る幼菌は大きくなることはないようだ。幼菌のままで干からびて冬を越しているのをよく見かけるが、どうしてこんな時季になってきのこを出すのだろう。
 この斜面にはたくさんのサクラの木が立っているが、その根際や倒木上にさまざまな硬質菌を見ることができる。普段の季節なら新鮮な状態でもやり過ごすことが多いが、今日はいい被写体になってくれた。
 サガリハリタケは遠くからでも細かい針が見えてすぐに同定できた。一部分をクローズアップで撮ると、まるで鍾乳洞を見ているような錯覚に陥る。幼菌や新鮮な状態の成菌は全体に透明感のある乳白色だが、乾燥したり老菌になると褐色が強く透明感もなくなる。
 もう1種はこれもごくごく平凡なヤケイロタケだ。一本の落ち枝にカワラタケと一緒になって生えて、まるでせめぎ合いのような光景をよく見かける。管孔面が焼け焦げたような煤色に見えるのでこの名前は分かりやすい。
 今年は紅葉が遅れているようで、ここのモミジもまだ緑一色だった。ヤマボウシだけがきれいに色づいていたので、季節の記録に撮っておいた。
2006年
11月19日(日)

藤沢少年の森公園
神奈川県藤沢市
 先週からは一変して季節が冬になった。まだ、かじかむほどの寒さではないが、朝から冷たい小雨が降り続いている。しばらく行ってなかった藤沢市の「少年の森公園」を歩いてきた。
 やはりもうこの季節では大きなきのこは見つからない。やっと見つけたのはカサの直径1センチほどの小型菌。柄が細くてまばらに毛のような鱗片が付いている。ケコガサタケのようだが、この仲間を同定するのは肉眼では無理がある。
 半分地面に埋もれた木片に「緑青腐れ」が見られた。子実体が出ていないかと拾い上げると、ヒメロクショウグサレキンがたくさん生えていた。この神秘的な色合いが好きで、いつも超クローズアップで撮ってしまう。低地ではヒメ・・・の方が普通に見られるようだ。
 小さいきのこを探す「きのこ目」になっていたので、あやうく見過ごしそうになったが、高さ10センチにもなる大きなムジナタケが立っていた。早春にもよく見かけるきのこだからとても発生時期が長い。とても新鮮だったので食菌だから試してみようと考えたが、散策路脇の木のすぐ傍だったので「片足を上げた犬」の映像が浮かんでやめた。そのかわりヒダのまだら模様をしっかり撮影した。
 前にエノキタケをたくさん見つけたポイントへ行ったが、まだ早いのか少しだけしか生えてなかった。いかにもエノキタケらしい幼菌を見ることができた。
2006年
11月12日(日)

高麗山・地獄沢
神奈川県平塚市
 天気予報で「木枯らしが吹いて雪が降りそうなほど寒くなる」と言っていたので、ダウンジャケットを着て歩いたら、ここ平塚ではそよ風ほども吹かず日差しも暖かで汗をかいてしまった。寒くなかったのだから強い不満はないが。
 いつものように地獄沢から歩くと、いきなり面白い被写体を見つけた。ミッキーマウスだ。落ち枝の端にアラゲキクラゲが二つ生えていた。ちょうどV字型に開いているのでそう見える。とても新鮮で「アラゲ」がはっきり確認できた。
 堰堤の上ではいくつかの種類が見られたが、形がいいのはヒラタケぐらいだった。ほとんどが幼菌で大きく開いたものは見つからなかった。まだこれからがシーズンだから期待したい。
 一方、今年はナラタケをあまり見ないと思ったら、今ごろ幼菌がたくさん出ている。ずいぶん遅いようだが、今ごろから大きくなるのだろうか。かなり黄色い幼菌もあったのでキツブナラタケかと思ったが、普通のナラタケも黄色い幼菌があるので多分違うのだろう。
 そろそろツチイチメガサが出ている頃だろうと探すと、予想通りにいくつか見つけることができた。柄の中ほどにツバを付ける独特のスタイルで、ちょうどツバができたばかりの幼菌もあった。
 道の脇に明るいオレンジ色のカサを見つけた。ちょうどユキラッパタケをオレンジ色にしたような姿に見えたが、覗き込むと細い柄があった。撮影しながら記憶をたどってみたが、図鑑でも見た覚えがなかった。どうやら「日本のきのこ」に載っているダイダイサカズキタケに似ているが、ひとまずヒダサカズキタケ属としておく。
 「けやきの広場」へ向かう上り坂で、一面に黄色い葉が落ちていた。見上げるとムクノキの大木が立っていた。そして落葉の間にウラベニガサが生えていた。なんとも色合いが良かったので、アングルを変えながら何枚も撮った。「秋色」の写真が撮れた。
 今日、道の上にヒメヤママユという蛾の羽が落ちていたが、その模様をよく見るとまるでチャワンタケを思わせるような紋がある。立体的に見える陰影まで付いているが、いったい何のための模様だろう。
2006年
11月 5日(日)

新治市民の森公園
神奈川県横浜市
 昨夜から神奈川県南部では強い雷雨となり、未明には天気が回復して爽やかに晴れた。いくら待望の雨でも急に降ったのでは今日の定点観察に期待は持てないだろうと思った。連日の探索で少々疲れ気味だったので、今日はコンパクトデジカメだけにしようかと考えていた。
 ところが車を停めた駐車場に早くもいい被写体を見つけた。イヌタデのピンクの花に囲まれてきれいなナヨタケの仲間が立っていた。ナヨタケ属のきのこは顕微鏡でも正確な判断が難しいらしいので、とても肉眼での同定はできない。
 散策路の階段にちょうどカサを開き切ったところのイタチタケが出ていた。これもナヨタケ属だが、このカサの色や周囲に付いている被膜の破片などからイタチタケと考えていいだろう。今ごろの季節は紅葉した葉がいい演出をしてくれる。
 朽ちた木にきれいな赤いカサを見つけた。いつ見てもこのヒイロベニヒダタケは華やかさがあって、撮影していても楽しくなってくる。比較的地味な種類が多いウラベニガサ科ではトップクラスのいいモデルだ。
 この公園にはハタケシメジが群生するポイントがあるのだが、今日はかなり離れた場所で新鮮な一群が生えていた。きっと土壌の質や環境がハタケシメジに合っているようなので、これからも乱獲しないように注意しながら見守りたいものだ。
2006年
11月 4日(土)

真鶴半島自然公園
神奈川県真鶴町
 別になんのアテがある訳でもなかったが、少しは雨でも降ったか、少しは気温が高いかなどと考えながら真鶴半島へ向かった。通行止めになっていた道がもう補修されていることだろうという期待もあった。
 駐車場から歩けど歩けどまったく何も見つからない。やっとのことで見つけたのはイヌセンボンタケの群生だった。今日は結局いたるところでイヌセンボンタケを見つけたから、恐らくその数は「千本」より二桁ぐらい多かったに違いない。仕方がないので半ば意地になって、様ざまな構図で切り取ってみた。
 枯葉の間からやや乾き気味のきのこが1本出ていた。カサの色や模様からナカグロモリノカサだろうと思う。この仲間もよく似た種類がいくつかあって、図鑑に載ってないのもあるので同定は難しい。
 今年の1月に「崩落の危険」のため通行止めになっていた道は、まだ何も変わっていなかった。いろいろいいポイントがあるコースなので残念だ。少々ヤケになってどこかに「とんでもないきのこ」でもないものか・・・と歩いていたら、大きなスダジイの根元に気になる形のきのこが生えていた。かなり傷んではいるがこれはどうやらマイタケのようだ。先端部分はほとんどなくなっていたが、しっかりした柄の部分は残っている。ニオイもやはりマイタケのそれだった。
 その後はきのこ目がすっかりマイタケモードになってしまったが、結局見つけることはできず、この時季の締めくくりに相応しいムラサキシメジを見つけた。
2006年
11月 3日(金・祝)

泉の森公園
神奈川県大和市
 もう11月、今年も残すところあと2ヵ月を切った。まだ気温は寒いほどにも下がってないが、探索をしていてもほとんどきのこが見つからない。開始してしばらく何もないと今日の更新は諦めるか・・・などと考え始めるが、それでも半日歩けば何なりと見つかるものだ。
 遠くからイグチらしいカサを1個見つけた。よく見るとカサに細かなひび割れがありその下に薄紅色の層が見える。キッコウアワタケのようだ。管孔が鮮やかな黄色の新鮮なものだった。
 いつもいろんな種類を見つける一角では、小さなヒトヨタケ属のきのこが2本並んでいた。カサが扇状になっていて中央にはオレンジ色の円が見える。どうやらヒメヒガサヒトヨタケだと思うが、似た種類もあるので確信はない。根元にごく小さな幼菌もあっていいシーンに出会えた。
 午後もなかなかいい被写体が見つからなかったが、通りがかった夫妻と話すうちにその人が散策路脇にきのこを見つけてくれた。これもイグチのような雰囲気で、覗き込んでみると柄の上端が黄色い。イロガワリだ。この時季としてはなかなかいい被写体だ。お礼を言ってさっそく撮影。
 さらに進むとヌメリの強い褐色のカサがいくつも並んでいた。カサの欠けた部分からはツバがハッキリ見える。このところあちこちで見かけるツチナメコのようだ。最近小さなものが多かったが、この様子からはかなり大きくなりそうだった。
 道の脇に枝をたくさん積み上げたところで、とてもいい状態の小さなきのこを見つけた。見たところニオイアシナガタケに見えるが、撮影後に確かめると思ったよりしっかりしていて全くニオイがない。種名は分からないがクヌギタケ属には違いなさそうだ。高さ3センチほどしかないが超クローズアップで撮る。
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