今日はどこまで行ったやら・・・


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2006年
12月24日(日)

七沢森林公園
神奈川県厚木市
 「ヒルの居ぬ間の」第3弾は、今年の夏まで毎月のように通っていた「七沢森林公園」だ。あっという間にヤマビルがはびこって、10月末の勉強会でも被害者が続出したと聞いた。いくら予防策を講じて吸血をまぬかれたとしても、三脚やカメラにまで這い登って来るので撮影に集中できない、という理由で足が向かなかった。
 「ヒルの居ぬ間」はきのこもない・・・ことは当然だから、たとえ硬質菌でも手を抜かずに撮ろう、と考えていたら、立ち枯れた木に白い背着菌が広がっていた。ルーペで表面を見ると細かな針がビッシリ並んでいる。オロシタケだ。とてもいい状態だった。
 沢沿いの斜面を探してみると、今度は淡い赤紫色の背着菌があった。これも色がなかなかいいので撮影。どうやらスミレウロコタケのようだ。そして同じ枝に赤錆色のツヤのない硬質菌もあったので、後で調べれば分かるだろうと撮っておいた。表面は細かなコブ状でそれぞれに子嚢殻のような粒が見えた。フィールドブックス(ヤマケイ)に載っているタイシャコブタケというのに酷似している。
 せめて1種くらいはどんなに小さくても、カサと柄のあるきのこを撮りたいと探していると、階段のところに1本だけ細長いきのこがあった。高さは2センチほどしかなくてカサが白いので、いつもなら「失敗!」とすぐに諦めるのだが、今日はしつこく撮影しなおした。ニオイがまったくなかったので、小型のアシナガタケだろう。
 「沢のさんぽ道」を下ると、ジャゴケの間からさらに小さなきのこが生えていた。ずいぶん小さなケコガサタケだと思いながら近接撮影をしたが、図鑑で調べるとヒナコガサの方が似ていることが分かった。
 この公園のシンボル「森のかけはし」に巨大リースが飾られていた。世間はクリスマスだったのだ。
2006年
12月23日(土・祝)

飯山観音
神奈川県厚木市
 「ヒルの居ぬ間に探索」の第2弾はここ飯山観音だ。道沿いのあちこちに「ヤマビルに注意!」の立て看板があると、これだけ寒くなってもちょっと気にかかるものだ。
 沢沿いを歩いて、枝に生えている褐色のカサを見つけた。エノキタケにしては粘性がない。ヒダを覗き込むと黄色い。カサをいっぱいに開いたニガクリタケだった。その後も何ヵ所かで見つけて撮影した。
 サクラだと思われる枝に青い背着生のきのこを見つけた。コウヤクタケ科のアイコウヤクタケだ。カミウロコタケに少し似ているが、本種は厚みがなく周縁部に白い部分が見られる。色が青味が強いことでも見分けられる。
 ツバキの花が落ちていると、つい探してみるのがツバキキンカクチャワンタケだ。やはり出ていた。ひょっとすると年中生えているのかも知れない。
 この時季にきのこを探すこと自体に無理があるのだが、それにしても見つかる種類が減って寂しいものだ。
2006年
12月17日(日)

高麗山・地獄沢
神奈川県平塚市
 また季節が後戻りをしたようで、未明に雨が降って風も強かったがダウンジャケットを着て歩くと少し汗ばむほど暖かかった。「きのこ型きのこ」はもう期待できないので倒木をメインに探し歩いてみた。
 かなり朽ちてしまって樹種が分からなかったが、久しぶりにイタチナミハタケを見つけた。初めキヒラタケかと思ったがカサの縁に毛はなくて、ヒダを確かめるとまるでノコギリそのものと思うほどのギザギザが見えた。以前はハラタケ目ヒラタケ科に分類されていたが、現在はヒダナシタケ目に移されミミナミハタケ科となっている。
 近くの倒木にはオレンジ色の小さなカサがたくさん付いていた。下側の面はヒダではなく薄歯状の針がビッシリ並ぶニクウスバタケだ。いろんなアングルで撮っていると、また通りがかりの人に「珍しいんですか?」と声をかけられた。以前にも本種で同じ質問をされたことを思い出した。
 少し雨が降ったのであちこちでキクラゲの仲間が元気だった。アラゲキクラゲは少々乾燥していても絵になるが、キクラゲは雨の後でないといい写真は撮れない。まだ小さいものが多かったがすぐに大きくなるだろう。
 ハラタケ目の種類としてはいわゆる「冬の定番きのこ」と呼べる3種を見つけることができた。
 最初は年中見ることができるニガクリタケ。紫褐色の胞子を飛ばし始めた本種らしい姿を撮ることができた。
 続いては倒木の上に生えたヒラタケ。らしくない形にちょっと考えてしまうが、ヒダが柄に沿って長く垂生しているのですぐに分かる。カサの一端にコブのような突出が見えるのも本種によくある特徴だ。
 最後はやはりエノキタケ。探索中に数ヵ所で小さなものを見かけていたが、一番最後に背の高い立派な株を見つけることができた。
2006年
12月10日(日)

室内勉強(映写)会
神奈川県平塚市
(神奈川キノコの会勉強会)
 今日は、毎年この時季に恒例の「神奈川キノコの会」の室内勉強会が平塚博物館で行われ、今回も今年撮った写真から50点あまりを映写させていただいた。その中で、城川会長からご指摘いただいた3種について、ここで報告と訂正を掲載します。
 5月21日に高麗山で撮ったチャヒラタケ。やっと新鮮な状態の本種が撮れたと大喜びで掲載したが、チャヒラタケの仲間はそんな生易しいものではなかった。検鏡しても同定が難しく、写真のものはチャヒラタケそのものではないとのことだった。
 9月23日に富士山・高鉢で撮ったイヌセンボンタケ。これは自分で写真を見ても様子が違うことは感じていた。所どころに写っている小さな幼菌が褐色をしている。さらに成菌のカサや柄が平滑で微毛がない。大きさや生え方がそっくりな別種があるということが分かった。
 10月8日に高麗山で撮ったキツブナラタケ。確かに黄色いナラタケなのだが、ツバの質や周囲に黒いフチドリが残る点で本種ではないことが分かった。これまでにも何度か高麗山で観察記録があって、「コマヤマナラタケ」という仮称で記録されている種類だった。
 最後に9月24日の四季の森公園での勉強会で採取され、ずっと気になっていた不明菌について城川先生から発表があった。初めて見るきのこで似た種類も思いつかなかったが、ハラタケ科シワカラカサタケ属であることが判明した。
※上記の3種についてはなるべく早期に掲載箇所の訂正をします。
2006年
12月 9日(土)

七沢自然保護センター
神奈川県厚木市
 今日は午後になるほど気温が下がる予報なので、午前中だけ歩くことにした。朝から冷たい雨が降り続くあいにくの天気だが、今までヤマビルを避けて行かなかった七沢へ久しぶりに向かった。これを「ヒルの居ぬ間に探索」という(?)。
 今まで何度かナメコを撮ったポイントへ向かったが、すでに材が朽ちていて何も出ていなかった。付近をよく探すと見慣れない小さなカサが見つかった。暗褐色のササクレがあり、柄の根元にも同じ色の鱗片が見える。ハイイロイタチタケかと思ったがカサの様子が違う。ナヨタケ属の雰囲気だが不明としておく。※おそらくコムジナタケだと思われる。
 ゴミを捨て固めたような場所に明るい赤褐色のきのこが出ていた。どうやらチャムクエタケモドキのようだ。冬の終わり頃に見かけることが多いきのこだが、こんな時季にも生えるようだ。
 切った木を積み上げてある所には、硬質菌を中心にさまざまな種類が見られるが、針葉樹と広葉樹ではどうしても広葉樹の方に関心が向く。丁寧に探してみると、やはりこの季節ならではのエノキタケが生えていた。大きな群生ではなかったが、雨に濡れたカサが強いヌメリで光っていた。
2006年
12月 3日(日)

四季の森公園
新治市民の森公園
神奈川県横浜市
 「四季の森公園」で2回のきのこ写真展を行ったが、次はちょっと趣向を変えて「硬いきのこの実物展示」をすることになった。来年2月に展示する予定なので今から展示用の標本採取をしなければならない。そこで定点観察会の今日は午前中だけ四季の森公園を探索した。
 硬質菌のいい状態のものを探すことは普段やらないが、この時季はきのこが少ないのでちょうどいい。
 コナラの枯木にネンドタケがたくさん生えていたが、その近くではよく似たホウネンタケも見つかった。少し紫色を帯びた褐色で、最初は小判型に平たく付いていて色の特徴が分かりやすい。
 苔の生えた切り株に環紋のきれいなカワラタケが出ていた。カサの色に変化が多く、褐色系のものから濃い紫色まで同種とは思えない幅広さがある。ここには青い色のものが多かったが少し褐色も混じっている。
 斜面の草に隠れているいい状態のツチグリが見つかった。開いた星型の外皮にきれいなひび割れが見える。新鮮な頃は内皮の表面が銀色に光って見える。
 午後は「新治市民の森公園」へ移動していつものように観察をした。駐車場の付近にはニオイオオタマシメジがたくさん出ていたが、まだきのこを出していないので被写体になりにくい。その付近には2箇所でハタケシメジが見つかった。秋の気温が高かったせいか、こんな遅い季節まで元気な生え方をしている。
 いつもハタケシメジが群生するポイントも見てみたが、そこではシーズンが終ったようで生えてなかった。そのかわり、落ち枝の間からコキララタケが数本生えていて、ちょうどカサを開いたいいスタイルのものを撮った。
 予報ほど気温が下がらないようなので、まだしばらくは里山で撮影が楽しめそうだ。
2006年
12月 2日(土)

富士山南麓・西臼塚
静岡県富士宮市
 今日は穏やかな天気のようなので、車が入れるうちに今年最後の富士山を歩いてきた。午前中の気温が2〜3℃と真冬の寒さだったが、風が弱く日ざしは暖かだった。
 もう何も見つからないことは覚悟していたが、あわよくばムキタケでもあればとブナの森を歩いた。やっと目に止まったのは倒木のうろの中に生えたセンボンクヌギタケだった。カサの色が白っぽいことも多いがこれはかなり濃い灰色をしている。
 ウラジロモミの林床にはミイノモミウラモドキが散生していた。あちこちで見かけたのでかなりの数が出ているようだった。春先にもよく見かけるので2度の発生ピークがあるようだ。
 大きな倒木にやや黄色味のあるヒラタケ型の群生を見つけたので、ムキタケかと期待したがちょっと小さくて色が濃すぎる。近づいてよく見るとカサに細かな毛の生えたキヒラタケだった。これも冬に元気な種類で、他に何もないときに撮影を楽しませてくれる。
 尻の真っ白な若いシカを3頭と可愛いリスを1匹見ただけで、散策中は誰とも出会わなかった。こんなモノズキは私だけか・・・。
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