今日はどこまで行ったやら・・・ |
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2007年 5月27日(日) 高麗山・湘南平 神奈川県平塚市 |
「神奈川キノコの会」の総会は平塚市博物館で10時から始まるので、地の利を生かして朝の短時間だけ高麗山の湘南平を探索した。 太い倒木の上に形のいいカサが並んでいて、表面のササクレや中央の窪みからアミスギタケだとすぐに分かった。ところが後で写真を見て何となく違和感を感じた。よく見ると根元で柄が枝分かれしている。時どき奇妙な生え方をするきのこを見かけるが本種では初めて見た。 前回と同じイヌシデの樹下に数個のヒロハシデチチタケを見つけたが、やはり他の樹には出ていないようだった。幼菌もあったのでこれから多くなるのだろうか。 撮影しながらふと目を上げると、同じイヌシデの根の下から生えるナガエノチャワンタケが目に留まった。胞子を噴き出しているのが観察できたが、うまく撮影することはできなかった。 毎年、ヒロハシデチチタケと同じ環境に生えるベニタケ属が今年も生えていたが、未だに名前が特定できない。カサには粘性があり傷つくと赤味を帯びるようだ。柄は真っ白で幼菌ではヒダも白いが、カサが開くとヒダが黄土色に変わる。何冊もの図鑑を開いて見るのだが、近いものも見当たらない。 逆に、どんな小さな幼菌でも簡単に同定できる種類を見つけた。これも毎年この付近に生えるイロガワリだ。特にこの場所のものは柄が鮮やかな黄色で、わずかに触れただけですばやく変色してしまう。青変というよりほとんど黒変に近い変色をする。 2時間ほどの探索だったが、さすがに「雨後のきのこ」は元気が良くて撮影を楽しませてくれる。 |
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2007年 5月26日(土) 芝公園 東京都港区 |
このところ週の後半に雨が降ることが多いので、週末のきのこ探索には都合がいい。今週は昨日の金曜日にたっぷりの雨が降り、週末は晴れて気温が上がるという理想的な展開。・・・そんなときに限って「土曜出勤」というタイミングの悪さ。仕方なく久しぶりに芝公園を歩くことにした。 かつては足の踏み場がないほどヒトヨタケの仲間やツバナシフミヅキタケが群生したウッドチップの一帯は、まるでウソのようにきのこの影がない。ここはクスノキの大木があり、一面に枯葉が積もっている。しゃがんでみると樟脳のニオイが鼻をつく。これでは菌類は苦手だろう。 わずかに小型のコザラミノシメジと、弱々しいイタチタケを見つけるのが精一杯だった。 明日は「神奈川キノコの会」の総会があるので、その前に早朝の高麗山でも歩いてみよう。 |
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2007年 5月13日(日) 高麗山・地獄沢 神奈川県平塚市 |
湘南平の遊具のある斜面には、サクラに混じってイヌシデがたくさんある。ちょうどこの時季はシデの樹下に出るヒロハシデチチタケのシーズンなので、きっとたくさんあるだろうと行ってみた。 ところが、最初に見た樹にやや干からびた数個があっただけで、付近のイヌシデをくまなく探したが見当たらなかった。イヌシデを見つけてはその周囲を回っていると、スダジイでカンゾウタケを探しているようで可笑しかった。今年は少ないのかも知れない。 昨日の歩き疲れで、地獄沢へは車で行こうと戻りかけると、樹種の分からない朽ちた切り株にまだ出始めの硬質菌を見つけた。硬質菌はもういい・・・と思ったが、見かけない外見が気になって撮っておくことにした。肉厚でやや柔軟な肉質。上面には荒い毛が生えている。裏は針状になっていて、やや甘いニオイがした。ニクハリタケの仲間にしては大き過ぎるので図鑑を見ると、アセハリタケという種類によく似ている。ほとんどの図鑑にないので珍しいのかも知れない。 地獄沢の入り口へ回って、すぐにイヌセンボンタケの群生を見つけた。真っ白な幼菌はとても撮りづらいが、被写体としては面白いので何カットも撮る。この群生を撮っていると「梅雨が近い」と感じる。 堰堤の上にはヌメリツバタケがあるだろうと期待したが、わずかに2本と幼菌が1個だけ。これももっと雨が多くならないと出ないようだ。 昨日とは違って、紛れもないムジナタケを見つけた。かなり柄が長く「アシナガ・・・」と付けてやりたいほどだ。真っ黒になる前のヒダはわずかに紫色を帯びて、不思議な色を見せている。 苔むした針葉樹の材から、今年もサマツモドキが生えた。遠目が利くのはありがたいもので、かなり遠くから赤紫のカサを見つけた。まだ小さいものだけだったが、苔をバックにいいコントラストで存在感がある。 今日は狭いポイントだけでほとんど歩かなかったが、それでも撮影を楽しむことができる季節になってきたようだ。 |
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2007年 5月12日(土) 函南(カンナミ)原生林 静岡県函南町 |
もう5年ほど前だろうか、「原生林」という魅力的な名前に惹かれて入り口まで行ったが、強い雨のために探索を断念して帰ったことがある。その後も時々思い出すのだが行きそびれて、今日やっと歩くことができた。とてもいい気候にしては訪問者が少ないと感じたが、後でその理由が分かった。 歩き始めてすぐに倒木上のコガネヌメリタケを見つけた。他でもいくつも見つけていい形もあったが、ほとんど乾いていてカサが白っぽくなっていた。やはりこのきのこは蛍光オレンジでヌメリがあるのが本来の美しさだ。 次も倒木上に大きなカサを発見。一見したイメージはムジナタケなのだが、カサも柄も毛はなく材上生だから違う。ムササビタケということになりそうだが大きすぎる。別の場所ではいかにもムササビタケというのを見つけたから、これはナヨタケ属ということにしておく。※後日、ハゴロモイタチタケと分かった。 そのムササビタケは大きな倒木の下側に群生していた。カサの直径2〜3センチのものが重なるように生えている。 この森はブナなどの巨木が多いが、立ち枯れた木もたくさんあって根元にはナラタケも生えていた。春のナラタケはあまり大きな群落にはならないようで、今日も他では見つからなかった。 まだ材上生の種類が多いが今日初めての地上生きのこ、アシナガイタチタケを見つけた。老菌も含めて10本ほどあったが、まばらに生えていて絵にならない。新鮮な2本だけをモデルに選んだ。 フサヒメホウキタケがたくさん出ている倒木があった。もっとも大きな塊を選んで撮影。古くなると褐色になってしまうが新鮮なときは、真っ白でとても美しい。垂直に伸び上がる形がとても印象的なきのこだ。 草やササに埋もれてきれいなキララタケが生えていた。カサの表面にまだ淡い黄色が残る幼菌で、キララ(雲母のこと)の由来となる細かな鱗片がしっかり残っている。草を取り除くにも細心の注意が必要なきのこだ。 散策路の後半はブナの巨木があるコースだったが、その根の周りに赤褐色のカサをいくつも見つけた。なぜか落ち枝の下側に生えているものが多いのでヒラタケ型のように見えたが、よく見ると中心に柄があって地面から生えている。標本撮影をしようと採取したら真っ白い乳液を出した。乳液はほとんど味がなくわずかに渋味を感じる。ニオイもほとんどなく、かすかな香辛料のニオイがした。図鑑で調べるとどうやらニセヒメチチタケらしい。 いよいよ野山が賑やかになって撮影が楽しくなってきたが、この原生林の散策路は急斜面を周回するように作られていて、どうコースを選んでみても半分は急な上り坂になってしまう。小さな子供の家族連れや中高年の散策にはちょっとキツイものがある。久しぶりにたっぷり歩かされた「軟弱者」中年はきっと筋肉痛に悩まされるに違いない。 |
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2007年 5月 4日(金・祝) 霧降街道 神奈川県平塚市 |
昨日のドライブ(?)疲れで今日は遠出をやめて、地元の霧降街道を歩くことにした。 ムササビタケやウラベニガサがいくつか見つかったが、どれも老菌で被写体にならない。かなり歩いてやっと見つけたのは小さなきのこ。おそらくコガサタケだろう。なんとカメラをセットしてシャッターを切ろうとしたその時、弱いそよ風だったにもかかわらず大きい方の柄が折れた。枝や枯葉を取り除くときに傷つけていたのかも知れない。 次に見つけたのも似たようなスタイルのきのこだが、こちらは褐色ではなく灰色が強い。撮影後のニオイチェックでニオイアシナガタケだと分かった。カサを指先でつぶすと独特の薬品臭がした。 スギの根元に明るい褐色のカサを2つ見つけた。名前が思い浮かばないまま、構図を決めて撮影。カサも柄もあまり特徴がなく、決め手となる手がかりがない。チャムクエタケモドキに似てはいるのだが、ちょっと柄が長過ぎるような気もする。「特徴がない」というのも大きな特徴だと言えるのだが、小型菌では似たものが多いので同定には苦労する。 以前、ここの沢沿いの道で冬虫夏草のオオセミタケを見ていたので、今日も見つかるだろうと探してみた。ところが今まで見た付近では見つからず、かなり離れた場所で大きな1本が見つかった。いつも勘違いをしてしまうのだが、この仲間は地中に菌糸がある訳ではないのだから、前回と同じポイントを探しても見つからない。付近を広く探すと見つかることが多いものだ。今日は1本だけだったので掘り出すのはやめてそのままにして帰った。 |
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2007年 5月 3日(木・祝) 高麗山 神奈川県平塚市 |
愚かにも国道246号線を一路西へ向かい、西丹沢にある「21世紀の森」へ行こうとした。半分を過ぎた辺りだろうか、のろのろでしか進まなくなった。そこで急きょ進路を南に変えて、真鶴半島でカンゾウタケでも撮ろうと考えた。ところがこれも浅知恵で、西湘バイパスの手前で今度はほとんど動かなくなってしまった。 結局、西湘バイパスを東に向かい平塚に戻ってきた。何のことはない、かなり大回りをして高麗山にたどり着いた。時間とガソリンの無駄、さらに無為に空気を汚したことを大いに反省して、高麗山を探索した。 コナラらしき朽ちた倒木に大きなカサを見つけた。直径10センチほどもあるウラベニガサだ。前に子供の森で見かけたのと同様、カサに小さな穴がたくさんあいている。どんな虫がこういう穴をあけるのだろう。 枯葉に埋もれるようにしてモリノカレバタケが生えていた。やや乾き気味だったがちょうど今頃から出始めるきのこだ。 昨年の1月に見つけた奇妙な形の硬質菌をその時は「コフキサルノコシカケ」としたが、やはり多年生を確認することができた。今は関東圏ではより普遍種とされるオオミノコフキタケという名前にしておく。数えてみると一番下に一層増えていることが分かる。 これは来年も着実に層を重ねていくのだろうが、自分が「渋滞経験」を学習して層を重ねられるかどうかが、はなはだ心もとない。 |
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