今日はどこまで行ったやら・・・ |
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2007年 11月25日(日) 高麗山・地獄沢 神奈川県平塚市 |
この季節になると高麗山の地獄沢で、気にかかるきのこが1種類ある。他の場所では見たことがない種類で、図鑑やネットでもほとんど見かけないきのこだ。「日本のきのこ」(ヤマケイ)にだけ載っているダイダイサカズキタケだが、今日は期待通り何ヵ所かで見つけることができた。 最初は急な斜面に干からびた3本を見つけて撮影。その後も数ヵ所で色の鮮やかな幼菌を撮ったが、去年見たような大きな成菌は見つからなかった。 前に階段の脇に生えたヒロヒダタケを見つけた場所に、今度は反対側の脇に1本だけ生えていた。まだカサが開き切ってない状態だったが、しっかりした柄が長く伸びていた。 沢に倒れ込んだ大きなタブノキに、何ヵ所もマユハキタケが群生していた。タブノキの太い老木や枯れ木にしか生えないという、ちょっと変わった子嚢菌の仲間だ。 湿り気の多い地面から生える小さな白いカサを見つけた。柄もカサも綿屑のような微毛に覆われて、カサの中央付近だけ褐色を帯びている。ヒダヒトヨタケモドキだ。幼菌と並んだ姿が良かったのでローアングルで何枚も撮った。 朽ちた落ち枝に大きなムラサキゴムタケが出ていた。大きいと言っても直径は1.2センチだったが、このきのこはなかなかこの大きさを見つけられない。色も黒っぽかったり褪せてしまったりで、きれいな紫色もそう多くない。 高麗山でまたエノキタケを見かけなくなった。数年周期の大きな波があるのかも知れない。 |
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2007年 11月23日(金・祝) 七沢自然保護センター 神奈川県厚木市 |
早くも北日本では大雪となり本格的な冬に突入してしまったが、寒さが苦手でも嬉しいことはある。ヤマビルのいる所へは行きたくないと封印していたポイントに、安心して無防備で行くことができる。当然きのこも少ないが贅沢は言えない。 泥沼のような軟弱な地面にムジナタケが生えていた。背が低くて柄が細い、やや貧弱な姿だった。薄暗い場所だったので気づかなかったが、柄の根元に小さな幼菌も顔を覗かせていた。 白っぽいカサに目が留まり近付いてよく見ると、柄の上だけが白くて次第にオレンジ色になっていた。すぐにスギエダタケだと分かったが、撮影後に引き抜いてみて驚いた。まるでツエタケのように地中深く柄が伸びている。かなり深い所の埋もれ木から生えていたようだ。 針葉樹の材を積み上げた所に 風は強くないのだが気温が低く、底冷えする寒さだった。そんな時季でもあちこちで元気な姿を見かけたのはニガクリタケだった。樹種を問わず季節を問わず、本当に強いきのこなのだと実感する。 |
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2007年 11月18日(日) 伊豆・一碧湖 静岡県伊東市 |
日本が冬になったら南半球のニュージーランド辺りへ撮影に行けばいい・・・などと夢のようなことを考えながら、せめて少しでもと南国伊豆の一碧湖へ向かった。ほんのわずかな距離の違いだけだ!? 木枯らし一号がすさまじく吹き荒れて湖面全体に白波が立っていたが、さすがに南国だけあってほとんど寒さを感じなかった。 歩き始めていきなり丸いものが目に留まった。直径は3センチほどで表面にひび割れ模様が見える。コツブタケかと思ったが切断してみるとジャガイモタケだった。断面はすぐに紫色に変わり、ゆっくりと黒くなっていく。図鑑を見てクラマノジャガイモタケかと思ったが薬品臭は全くない。この2種の違いはどうも釈然としない。 湖畔の散策路沿いにシモフリシメジが生えるポイントがあり、チェックしてみるといくつか見つけることができた。年々数が減ってきているようなので、もう出なくなるのかも知れない。 その近くのコナラの根際にはナラタケの小さな株が生えていた。これも毎年同じところに出るようだが、まだ木が元気なせいかなかなか大きな株にならない。ローアングルで近接撮影をしたので大きく見えるが、高さは5センチほどしかない。 ほとんど垂直に近い斜面からムササビタケが疎らに生えていた。丁寧に付近を探すと3本が縦に並んだいい姿を見つけた。三脚を斜面に貼り付けるようにして大きく撮ってみた。 いつもシイタケやエノキタケが生えるポイントへ行ってみたが、なんと大きなスッポンタケの卵がいくつもあり、ちょうど頭を出したばかりの1本を見つけた。これから柄を伸ばすところで、まだあまり強いニオイを放っていなかった。他の卵が成菌になるころにはきっと付近一帯に異臭が漂うに違いない。 周遊の散策路も終点に近付いたころ、地面に白っぽいカサをいくつか見つけた。その内の1本にはすぐ横に幼菌も2本立っている。幼菌のカサには白い毛が生えていて、老菌のヒダは黒褐色になっていた。ナヨタケ属のようだがそれ以上のことは分からない。 今年の紅葉はかなり遅れているのか、湖畔のモミジはまだほとんどが緑色のままだった。 |
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2007年 11月11日(日) 藤沢・少年の森公園 神奈川県藤沢市 |
昨夜遅くにまた雨が降り出したが、今朝にはもう止んで空は明るかった。里山のきのこも終盤に入ったことだろうと、久しぶりに藤沢市の「少年の森」へ行ってきた。 歩き始めてすぐに苅草を積み上げた所に紫色のカサを見つけた。ムラサキシメジにしては少し水っぽい感じがしてヒダを見ると、やや疎らに並んでいる。これはコムラサキシメジの方らしい。普通はもう少し小型のことが多いが、これだけ大きいと確かに一見しての区別は難しい。 しばらく探すと今度はムラサキシメジが見つかった。大きさはほぼ同じだったがヒダはかなり密になっている。付近にはまるでダルマのような姿の幼菌も生えていた。 散策路の脇に置かれた太い倒木から、きれいなヒラタケが群生していた。やや反り返ったカサがいっぱい並んでいる。様ざまにアングルを変えて撮ってみた。 道の真ん中に立った木の根際に大きな黄色いカサを見つけた。よく見ると表面の所どころに黄色い粉が見えた。これはずいぶん背の低いコガネタケだ。付近にはまだカサが開いてない2本があったが、これも柄が短くていい被写体とは言えない。 枯葉の間からウラベニガサが2本生えていた。昨日見つけたシワのあるウラベニガサ属はフジタケさん(HP「遊々きのこ」)に教えていただき、青木氏仮称の「シワベニヒダタケ」に似ていることが分かった。今日のこれは埋もれ木から生えたウラベニガサそのもののようだ。 今日はあちこちでエノキタケを見かけたが、最後に「野外広場」で見たものは見事だった。倒れ掛かった木にアラゲキクラゲと一緒に群生していた。代表的な「冬きのこ」で、里山もそろそろ冬の顔に変わってきた。 |
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2007年 11月10日(土) 不明菌の続報 高麗山・子供の森 神奈川県平塚市 |
先月28日に甲州市で見つけた不明菌を「ヒメムキタケ属?」として載せたが、少し分かってきたので続報をアップしておく。最初にフィールドブックスの「ニセシジミタケ(仮称)」によく似ていることに気づき、その学名「Tectella
patellaris」をネット検索してほぼ間違いないと分かった。 今は仮称ではなくニセシジミタケとなっているが属名にはまだ和名がないようだ。(ニセシジミタケ属として問題ないと思うが)幼菌が内被膜に覆われる特徴も写真で確認できた。日本ではかなりまれな種類のようで、観察記録が少ない。 今日は朝から冷たい雨が降り続き、風も強くかなり寒いので撮影は諦めていたが、昼を過ぎると雨が止み空が明るくなった。それならと高麗山の子供の森公園をちょっとだけ歩いてきた。 いきなり階段で見つけたのはクリゲノチャヒラタケだった。白っぽくて「クリゲ」に見えないが大きくなるとこんな感じで、カサの表面をルーペで見ると暗褐色の毛が見える。 もう1種見慣れないカサが階段に生えていた。ややオリーブ色を帯びたような黄褐色のカサで、ヒダの面は硫黄色の部分が見えた。これは大きくカサを開いたニガクリタケだ。付近には色鮮やかな幼菌も群生していた。 コナラを積み上げた所にはシイタケの幼菌が生えていた。頭を出したばかりの小さなものもいくつかあったので、しばらくは元気に生えるのだろう。真冬でも見られるきのこだ。 シイタケを撮影しながらその後ろに並ぶカサが目に留まった。カサの直径が2〜3センチで中央にはっきりシワが見える。ヒダは密に並んでわずかにピンク色を帯び、柄から離れている。ウラベニガサ属のきのこだが初めて見る種類で名前が分からない。※「遊々きのこ」のフジタケさんからメールをいただき、青木氏仮称の「シワベニヒダタケ」によく似ていることが分かった。情報ありがとうございました。 手がかじかむほどの冷たい北風が吹き、時おり雨も落ちてくる。もうすっかり冬になってしまったようだ。 |
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2007年 11月 4日(日) 新治市民の森公園 神奈川県横浜市 |
先週は適当に雨も降り気温もかなり下がったので、里山もずいぶん顔ぶれが変わっただろうと期待しながら定点観察を始めた。すると、駐車場のすぐそばでいきなりいい被写体が見つかった。 今までこの駐車場の付近では柄の短いコガネタケが多かったが、ニオイオオタマシメジが増えた影響か全く出なくなってしまった。今回は少し離れた場所に柄の長い「らしい」幼菌が生えていた。コガネタケ「らしい」写真を初めて撮ることができた。 同じ駐車場に以前群生していたオニタケもずいぶん数が減って、今日は数本生えているだけだった。ハラタケ科の中ではヒダの色が黒くならないキツネノカラカサ属のきのこだが、その中ではかなり大きくなる種類でカサを開いた姿は迫力がある。 いつもハタケシメジが出るポイントでは、まだ出始めたばかりの幼菌がいくつも見つかった。灰色のカサに白いカスリ模様があるので地面に同化して見つけづらい。事実いくつかの株を踏み潰してしまっていた。きっと次の雨を待って一斉に大きくなるのではないだろうか。 雑草が生い茂る広場でとてもいい状態のムジナタケが見つかった。カサを三角に開いてヒダがまだ明るい灰色をしている。カサの表面は名前の通りいかにも動物のイメージで、周縁部には被膜の名残のような繊維の帯が見えた。 イグチの仲間が多く出る斜面ではさすがにもうイグチの姿はなかったが、立ち枯れた大きな木の根元からきれいなウラベニガサが生えていた。カサの表面が黒っぽいタイプで、反面ヒダはまだピンク色を帯びる前の白い状態だった。 思った以上にいい状態のきのこがあって、何よりもはっきりと種名が同定できるものが多かった。不明種に悩むのも面白いが、こういう日もスッキリして気分がいいものだ。 |
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2007年 11月 3日(土・祝) 富士山南麓・西臼塚 静岡県富士宮市 |
先月はほとんど山梨県の大志戸林道へ遠征したため、富士山へは一度しか行かなかった。もう車で入れるチャンスも残り少ないので、久しぶりに西臼塚へ行ってみた。 苔むして樹種も判別できないような切り株に、点々と取り囲むようにセンボンクズタケが束生していた。たくさんの柄が密着していてカサを広げる姿は独特だが、木のウロなどから生えると別種かと思うほど姿が違う。 倒木にまるで保護色になっているような濃いオリーブ色の、小振りのムキタケが生えていた。あまり本種らしい写真にはならなかったが、これはとても美味しいきのこなので大き目のを少しいただくことにした。 ※2014年頃、ムキタケとは別種であることが分かり「オソムキタケ」と名付けられた。 すると、そのすぐ近くに、今度はシイタケが二つ並んでいた。カサを開きかけたちょうど食べ頃だったので、これも採取することにした。 火口への斜面を登っていくと、広葉樹の倒木に新鮮なヤニタケが出ていた。厚みのある丸いカサは柔らかく、これも幼菌の時だけ食用になるのだが今回は撮影だけにした。 ブナの太い倒木にはブナハリタケが群生していた・・・と言ってもかなり狭い範囲だけで、迫力のある写真にはならなかった。撮影している間も甘い香りがただよい、たくさんの虫が集まっている。きのこ狩りでは喜ばれる種類だが、ちょっと古くなるとあまり食欲の湧く姿ではなくなる。 針葉樹の倒木に並んでいた白いカサがきれいな状態だったが、これは種名が分からない。ちょうどクヌギタケを白くした感じなので 朝早くからは「諦めの悪いきのこ狩り」の車が多く、少し遅くなると「気の早い紅葉狩り」の車が押し寄せてきた。今日は祝日なので帰路の渋滞を避けるために、早めに探索を切り上げた。 |
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