今日はどこまで行ったやら・・・


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2007年
4月30日(月・振替休日)

藤沢・少年の森公園
神奈川県藤沢市

高麗山・湘南平
神奈川県平塚市
 「少年の森」では何かイベントをやっていて駐車場は満車。それでも幸運なことに1台分の空きがあり停めることができた。装備を整えてカメラのメモリーカードをフォーマットして、いざ出陣と勇んで歩き始めたが、カメラの電源をONにしたのはそのときだけ。ひたすら歩いて、目を皿のようにして、意識を地面に集中するのだが、極小菌の1個も見つけられずスゴスゴと退散。
 こうなれば「苦しい時の地獄頼み」といきたいが、地獄沢は一昨日歩いたばかり。そこで高麗山の最近歩いてないコースを頼みの綱とした。
 マツの朽ちた切り株にかろうじて見つけた2本だけのヒメカバイロタケ。これでは更新は無理か・・・と、思っていたところへ独特の網目模様が目に留まった。
 貴重なきのこ発見にじっくり撮影。それにしても「何を悩んでいるのだろう」と思ってしまうほどの愉快な姿だった。なぜか高麗山のアミガサタケは素直に伸び上がらない傾向がある。
 すっかり歩き疲れた一日だった。
2007年
4月29日(日・昭和の日)

富士山南麓・西臼塚
静岡県富士宮市
 今年から今日の祝日の名前が「みどりの日」から「昭和の日」に変わった。それを祝うかのように見事な晴天になった。3連休の中日なら渋滞も少しはましだと予測して、今年初めての西臼塚へ行ってきた。
 いつも立ち寄るコンビニの横にウッドチップを敷き詰めた広い公園があり、大きなサケツバタケが生えるのでチェックしてみた。まだ少し早いようだったが、それでもたくさんの幼菌が頭を出していた。まだ栄養状態がいいのかどっしりと重量感のあるタイプだ。
 西臼塚の散策路をたどると、あちこちの倒木にヒメアジロガサモドキが見つかる。針葉樹、広葉樹を問わず、苔むした材上にいくつも見ることができた。褐色の細い帯のようなツバが特徴だが、ほとんど見えないときもある。
 ブナの大木がある公園ではよく似た色のカサを見つけたが、覗き込むと柄が太くて白い。これはツチイチメガサだ。付近を探すといくつも大きなカサが見つかり、バランスのいい生え方を選んで構図を決めた。富士山では普通より大型になる種類が多いが、これも里山とはずいぶん違う直径8センチ以上もあるものがあった。
 緑青ぐされになっている落ち枝を持ち上げてみると、形のいいロクショウグサレキンが見つかった。なかなかきのこを出さないのでクローズアップで撮っておいた。
 駐車場に戻る途中で別のヒメアジロガサモドキを撮っていると、突然携帯電話が振動。なんと、駐車場で愛車「竹ベンツ」を見つけた「遊々きのこ」のフジタケさんからだった。さっそく情報交換をしたが、お互いに似たような内容に苦笑。
 場所を変えて一緒に探索することにした。標高を下げて溶岩樹海を歩いたが昨日にわか雨があった割に乾いていて、やっと大きなシイタケを発見。直径10センチ以上もあったがまだ新鮮な状態だった。
 今年もまたいろいろ情報交換をよろしく・・・と話して別れた。
2007年
 4月28日(土)

高麗山・地獄沢
神奈川県平塚市
 毎年、ゴールデンウィークの頃はまとまった雨も数日ごとに降って、気温も次第に上がってくるので、ついどこにでも目新しいきのこが出ている錯覚をしてしまう。まだ朝夕は肌寒いくらいだから、そう期待通りにはいかないものだ。そこで、のんびりと散歩のつもりでホームグランド高麗山を歩くことにした。
 地獄沢の沢をかなり遡ったところで、一本の大きな落ち枝にキクラゲとアラゲキクラゲが入り混じって生えていた。キクラゲは少し古いものだったので、新鮮な状態のアラゲキクラゲを撮影した。雨さえ適度に降ってくれるといつもいい被写体になってくれる種類だ。
 堰堤の上ではオオゴムタケの幼菌を数個見つけた。こげ茶色のビロードに包まれてどことなく動物のような印象がある。梅雨の頃にはあちこちに大きな姿を見せるだろう。
 頭が毛むくじゃらの幼菌が1本だけ生えていた。このスタイルは多分ザラエノヒトヨタケだろう。柄が長く伸びてカサが開いた後は、カサの周囲が反り返るようになるきれいなきのこだ。ウッドチップ上では群生もするが、草の間などに単独で生えていることが多い。
 木を積み上げた所でカサが淡いクリーム色の幼菌を見つけた。クローズアップで撮ってみると、ササクレの多い白い柄にヌメリのあるカサが確認できた。この場所で何度も見ているヌメリツバタケの幼菌のようだ。ずいぶん早い出始めのように思う。
 幼菌ばかりが目に付くのでなんとか「ドキッと」するような種類がないものかと探していたら、やっと少し大きな成菌を見つけることができた。カサに光沢があり肉色のヒダをしていることから、小型タイプのハルシメジではないかと思う。ただ周囲にバラ科の樹木が確認できなかったことと、カサの色が白っぽいので疑問が残る。
 花や虫はこの時季からいろいろな種類が活発な姿を見せるが、きのこはやはりこの季節には反応が弱い。
2007年
 4月22日(日)

逗子・神武寺
神奈川県逗子市
 いまや完全に定着してしまった「三浦半島は相性が悪い」を、なんとか打破しようと神武寺の山を歩いてみた。会の勉強会でも希少種がよく見つかる所だから、何か面白い発見があるかも知れないと思った。
 たっぷり雨が降ったのでシダ類の繁茂する沢沿いは、まるでジャングルのような雰囲気があるが、昨日の予報以上に風が強いおかげで蒸し暑さはなかった。
 朽ちた倒木の上に1本だけウラベニガサが出ていた。すでにやや老菌に近いがヒダはまだ明るいピンク色だった。群生することがあまりない種類なので絵としては迫力に欠ける。
 尾根筋はさすがにほとんどきのこがなかったが、ふと気になって入った細い脇道で見慣れない種類を見つけた。紫褐色の吸水性の強いカサでヌメリはなく、柄は白っぽい繊維状でやや紫色が見える。どうやらフウセンタケの仲間だと、慎重にローアングルで撮影。採取してみるとサザナミニセフウセンタケによく似ている。2年前の4月にも七沢で群生を見ているから、この時季にも顔を出す種類なのだろう。
 神武寺の境内で休憩していると、太い切り株の根元になにやら赤い点がいくつも見えた。よく見ると落ち枝に生えた小さなベニカノアシタケだった。ルーペで見てもヒダがよく見えないほど小さい。
 車に戻るため同じ道を下山したが、来るときしっかりチェックしたはずのスダジイの老木に赤い点を見つけた。「まだ出てないだろう」という先入観がいけなかったのだろう。根際の枝穴・・・いわば「フシ穴」に生えたカンゾウタケだが、なんのことはない、こっちの眼がフシ穴だったのだ。
 この季節にしてはまずまずの発見だったので、「苦手意識」が払拭できたような気がしている。今後の探索にも期待したい。
2007年
 4月15日(日)

高麗山・湘南平
神奈川県平塚市
 高麗山の湘南平はサクラの名所なので先週までは車でごった返していたが、ここ数日の猛烈な海風ですっかり散ってしまったのでやっと静かになった。しばらく歩いてなかった子供の森と「テングタケ通り」を探索してみた。
 子供の森は北側斜面になるのでまだきのこは少なく、かなり歩いてやっとウラベニガサを見つけた。ヒダの面はあまりきれいな肉色ではなかった。
 この斜面は諦めて南側斜面へ行こうとしたら、足元のチャワン型に引き止められた。直径3〜4センチほどでやや肉厚。地面に生えているのでオオチャワンタケかと思ったが、外側が全体に白く内側の表面も凹凸がある。となるとこれはカニタケの幼菌だろうか。断面のクローズアップを撮っておいた。
 湘南平には大きなクワの木があるので毎年キツネノ「ワンとヤリ」を見るのが楽しみだが、樹下には一面にショカツサイが咲くので訪れる人がスナップ写真を撮ることが多く、その後ろでガサゴソと這い回る訳にもいかない。人通りが途切れるのを待って遠慮がちに撮影したが、よく見るとショカツサイの根元には無数のワンとヤリが生えていた。
 自称「テングタケ通り」を歩いても今はテングタケの仲間が見られる訳ではないが、北側よりは面白いだろうと期待した。期待通りとは行かなかったがちょっと珍しいものを見つけた。階段のコンクリートの下からツチヒラタケが並んで生えていた。高麗山では初めて見たように思う。
 いくつかのアミガサタケを見つけたが、どういう訳かみんな頭を横に倒して生えている。おかげで幼菌と並んだ面白い写真が撮れた。何となく恐竜の頭のように見えて表情を感じる姿だ。
 サクラがなくなっても子供連れで来る人は多く、帰るころは駐車場に順番待ちの車が並んでいた。まずまずの収穫だったので早めにスペースを譲ることにした。
2007年
 4月14日(土)

富士山北麓
山梨県富士吉田市
 今年もまた、ちょっと気温が高くなったことにつられて、富士山を歩いてみたくなった。毎年この甘い読みで失敗しているのだが、それでもなお、今年は天候が不順だからいつもとは違うのではないか・・・と、懲りない。
 2箇所を歩いてみたが、やはり例年のごとくきのこはほとんど見つからない。今日もっとも多かったのはカサの真ん中が窪むカヤタケ型の小型菌で、散策路に沿って散生していた。カサの直径4センチくらいの大きなものもあったが、ほとんどが1〜2センチというサイズだった。図鑑によればコブミノカヤタケに似た感じだ。現地ではコカブイヌシメジの方が近いと思ったが、決め手の「桜餅のニオイ」がなくて粉っぽいニオイがしたので違うと判断した。ところが図鑑の記述では「時に無臭」もあるとのことなので、ここでは「カヤタケ属」としておく。
 もう1種、新鮮な姿だったのは黒いチャワン型きのこで、たぶんクロチャワンタケでいいのだろう。外見がよく似た数種類があるようなので確信は持てない。
 間違いなさそうなのは、この春に何度も見かけたチャムクエタケモドキだ。平地ではもう姿を消してしまったが、ここではまだ健在だった。
 やはり富士山が賑やかになるのは、平地で夏日が多くなるころからだろう。
2007年
 4月 8日(日)

高麗山・地獄沢
神奈川県平塚市
 昨日に比べると気温も上がり、すっきりと晴れて日差しが暖かい。まさに散策日和という一日だった。そろそろ面白そうなきのこが見つかると期待して、久しぶりに高来神社から八俵山へ向けてスタートした。
 しかし、最初に見つけたものはやはり小型のきのこで、落ち葉の間から長い柄を伸ばしていた。それでも昨日のキコガサタケに比べると倍以上の高さで約4センチ。カサの色も褐色が濃く条線があり、柄には縦の繊維模様に白い微粉が付いている。コガサタケのようだ。
 沢沿いの道に小さなチャワンを見つけた。見上げると遥か上空にヤマグワの枝が伸びているので、おそらくキツネノワンだろうと撮影後に掘り出してみた。やはり、真っ黒なクワの実から生えていた。今年初めてのキツネノワンに気を良くしていたら、なんと地獄沢のポイントでは足の踏み場もないほどの大発生が見られた。おびただしい数に圧倒された。そして、その中でたった1本だけのキツネノヤリタケも見つけた。
 八俵山に着く直前に、ヤマブキの花が落ちているのが目に留まった。ところが付近にはヤマブキがない。もう一度良く見ると、なんと4弁に裂けたキチャワンタケだった。付近に大きなものもあり、今日はあちこちでキチャワンタケを見ることができた。
 地獄沢では目新しいものは発見できなかったが、階段に差し掛かるとステップのところにウスベニイタチタケの幼菌が生えていた。ふと見ると脇にも成菌が1本だけ出ていた。
 探索も終わるころ「カエデの広場」で以前コガサタケを見たことを思い出した。そのポイントへ向かうと、なんと大きなチャワンタケが群生しているではないか。大きく平開したものは中央に著しいシワがある。地面から生えているのでこれはカニタケに違いない。2003年5月に七沢で見て以来の再会だ。
 そろそろ里山も賑やかになってきた。一雨ごとに「個性派」きのこが登場することだろう。
2007年
 4月 7日(土)

伊豆一碧湖
静岡県伊東市
 サクラが散り始め初夏の陽気になったかと思ったら、この一週間は真冬に戻ってしまった。東京では雪が舞う日もあった。こうなると少しでも暖かい所へと足が向くものだ。また、フェニックスの並木が恋しくなって伊豆へ行ってきた。
 ところがここも冷たい風が吹いて日差しが弱いので、肌寒い中での探索となった。もうトガリアミガサタケをたくさん見たので、そろそろ黄色いタイプのアミガサタケがないものかと斜面を丁寧に探したら、草の間から1本だけ小さなきのこが生えていた。高さが2センチほどしかない。どうやらキコガサタケのようだ。
 いつもシイタケなどが出る木を積み上げた所に、見慣れないチャワンタケが出ていた。内側はオリーブ褐色でツヤがあり、あまり凹凸はない。外側は淡い紫色を帯びている。材上生でかなりもろいのでチャワンタケ科ではないかも知れない。
 ここでも例年より多くのトガリアミガサタケが生えていた。やや古くなっていて頭部が黒いものが多いが、幼菌もあったのでまだ少しは見られるのだろう。魚眼レンズでちょっと遊んでみた。
 赤土の斜面に黒い小さなカサが点々と並んでいた。「こういう生え方はヒメコンだ。」と近づいてよく見ると、予想通り小さなヒメコンイロイッポンシメジだった。極小サイズが多い中に1本だけ直径が2センチ近いものがあったので、クローズアップでヒダの色を撮ってみた。ここまでカサが開くとヒダの色は、イッポンシメジ科特有の淡いピンク色を帯びる。
 歩き疲れて車に向かっていると、大きなエノキの根元に黄色い丸いものがいくつか見えた。「もしや・・・」近づいてみるとエノキを取り囲んで10本ほどの大きなアミガサタケが出ていた。スミレの傍にもタンポポの傍にもある。撮影中は小雨もパラついてとても寒かったので、日差しも弱く春らしいシーンにはならなかった。
 今年の気候は例年になく不順なため、きのこも生えるタイミングを計りかねているのではないだろうか。
2007年
 4月 1日(日)

新治市民の森
神奈川県横浜市
 恐らく一年を通じてもっとも快適な気候の一日だったのではないだろうか。日差しが暖かく、風も心地よい。ただ残念なのは、まだまだきのこの種類が少なくて、普段あまりカメラを向けない花や虫の写真の方が枚数が多かった。
 最初に見つかったのは1本だけのウラベニガサの幼菌。これだけなので本種かどうか確定的ではないが、独特の横方向に細かなシワのあるカサは本種によく見られる。
 そのすぐ傍には柄が長く伸びたコキララタケの老菌が立っていた。これもカサ表面の鱗片の様子だけで同定したが、うっかり材上かどうかのチェックをしなかった。カサの中央付近の鱗片が褐色でトゲ状になっていたので、キララタケではなくコキララタケの方でいいのだろう。
 昼食後はただ歩くだけの探索になって何も見つからず、もうほとんど諦めかけていた時、今日一番の「ドキッと」とも言える種類が見つかった。
 各種のイグチが出るため「イグチの斜面」と呼んでいるポイントで、明るい褐色の新鮮なきのこが出ていた。みんな口々に「ベニタケ科か?」「いや、違うのでは?」と言うもののなかなかはっきり分からない。3本生えていたものを撮影後に調べて、ようやくヒメワカフサタケであることが分かった。ヒダの色や柄の表面が粉状になっている様子、そして決め手になるクセのあるニオイ。図鑑には「秋」と記されているが、条件が揃えば季節はあまり関係ないのだろう。
 夕方からは「満開のサクラ」には気の毒な「花散らし」の強い雨が降り出した。今までとは違う「温かな雨」に、これからの期待が膨らむ。
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