今日はどこまで行ったやら・・・ |
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2007年 6月24日(日) 真鶴半島自然公園 神奈川県真鶴町 (神奈川キノコの会勉強会) |
神奈川キノコの会の「野外勉強会」が始まった。第1回の今日は真鶴半島自然公園で行われた。クロマツやスダジイ、クスノキなどの巨木がたくさんあり、さながらジャングルのような雰囲気を感じるところだ。 午後からは雨になる予報だったので鑑定時間を早めることになった。短時間の探索であまり多くを観察することができなかった。 クロマツのたち枯れた木にたくさんのヒトクチタケが生えていた。すでに朽ちてボロボロになったものから、生えたばかりで真っ白な幼菌まで、はるか高いところまで点々と並んでいた。 枯葉の間から生えている小さな灰色のカサが見つかった。条線がはっきりしていて、一つはカサが反り返って開いている。ヒダサカズキタケとかサカズキホウライタケに似た外観をしているが、明らかに地面から生えている。ヒダは白かったが採取して鑑定場所へ持ち込んだ頃にはややピンク色になっているように見えた。検鏡していただいた結果、胞子が角ばっていることが確認できてイッポンシメジ科であることが分かった。図鑑には載ってない種類なので名前までは分からない。 採取された中から1種、南方系の珍しい種類を記録撮影しておいた。コガネカワラタケという名前だがカワラタケとはまったく似ていない。全体に黄褐色で環紋がありやや粗い管口を持っている。 ちょうど解散の頃から雨足が強くなり、無事に「第1回」が終了した。 |
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2007年 6月23日(土) 藤沢少年の森公園 神奈川県藤沢市 |
長かった「梅雨の中休み」が終わり、ようやく梅雨らしい雨が降ったと思ったらもう晴れてしまった。しかし、きっと目新しいきのこが出ているに違いないと、久しぶりに「少年の森」を歩いた。 公園に入るなりマテバシイの枯葉が積もる斜面に、数種類のきのこが見つかった。たくさんあったイロガワリは老菌で被写体にならなかったが、新鮮なケショウハツもいくつか生えていた。桃の実を連想させる表面の色合いが特徴で分かりやすいが、カブトムシのニオイがすることでも決め手になる。 付近にテングタケ科のきのこが出ていた。やや小型ながらしっかりしたテングツルタケだった。カバイロツルタケによく似た色合いだが、カサの上のイボや柄の段だら模様で見分けられる。 湿気の多い草むらにヒョロッと頼りなく立つきのこがあった。長い柄の真ん中辺りにリングのような白いツバが見えた。クサアジロガサだ。これを見つけるととても嬉しい気分になる。このツバの位置が何とも言えずユニークな表情を作っていて、写真のモデルとしてとても絵になるきのこだ。 午後になると気温がぐんぐん上がってきて、歩いているだけでもバテてしまう。もうあまりいい被写体もないだろうと駐車場へ向かっていると、積み上げられたマツの材上に形のいいカサが見えた。とても標準的なスタイルのミドリスギタケだった。今日の締めくくりにじっくりと撮影して、納得の終了とした。 |
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2007年 6月17日(日) 高麗山・八俵山 神奈川県平塚市 |
久しぶりに高麗山の尾根筋を歩いてみることにした。もうそろそろ「夏きのこ」が出始めているかもしれない。 今日いたるところで見かけたのはハイイロイタチタケだった。小型のものが多かったが、とてももろいきのこなので撮影できるタイミングは短い。あまり群生することはないが、数本まとまって生えるといい被写体になる。 朽ちた枝に2種類のきのこが同居していた。1種はカサの上に特徴的なシワがあるのですぐにカサヒダタケだと分かるが、もう1種は難しい。一見イッポンシメジ科のような感じだが、材上生なのでこれはウラベニガサ科になるのだろう。図鑑ではそれらしいものは見つからなかった。 まだ新しい落ち枝からはヌメリツバタケが2本出ていたが、カサの上にゴミがいっぱい付いていて取れないので撮影を諦めかけた。ところが、ヒダの面はとても新鮮で日に透けてきれいだった。ヒダに乱れはないからモドキではないことがよく分かる。 落ち葉の間から見慣れないカサが出ていた。明るい褐色で放射状に濃淡の模様が見える。ナヨタケ属のような雰囲気もあったが、撮影しているうちにヒダがピンク色になっていることが分かった。イッポンシメジ科のウスキモミウラモドキだろう。カサの濃淡は模様ではなく部分的に乾いているのだろう。 今日いちばん興味深かったのは地面から生える中型のきのこで、見た瞬間にベニタケ属と判断した。カサの色からクサイロアカネタケではないかと思ったが、採取してみてビックリ、ヒダが長く垂生している。どうやらこれはアンズタケの仲間だろうと分かるまでに、かなり時間がかかった。新鮮なものはきれいな赤紫なので とても梅雨のさなかとは思えない、風の爽やかな日だった。もうそろそろ「中休み」をやめてもらいたいのだが・・・。 ※昨日のサンゴハリタケをサンゴハリタケモドキに訂正しました。 |
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2007年 6月16日(土) 富士山南麓・高鉢 静岡県富士宮市 |
「梅雨の中休み」という言葉があるが、2日目から休み続けてもいいものだろうか?もっとも、撮影目的にはとてもいい条件が揃ったから文句は言えないが、やはり適度な長雨もぜひ期待したいものだ。 で、久々に富士山南麓の高鉢まで足を伸ばした。途中立ち寄るコンビニの横にあるウッドチップを敷き詰めた公園では、まだ立派なサケツバタケの幼菌が出ていた。高さが8センチほどもある大きな幼菌なので、ローアングルが撮りやすい。 今日は高鉢駐車場の付近を歩いたが、最もたくさん見かけたのはクヌギタケの仲間だった。数種類あったがいい被写体になってくれるのは、やはりバランス良く群生するクヌギタケだ。 大きなきのこが見つからないので次第に「きのこ目」のスケールが小さくなって、地上に生える小さなヒトヨタケ属のきのこを見つけることができた。すでにカサの周縁が巻き上がった老菌だが、よく見るとカサの表面がベルベット状に毛が生えている。これはビロードヒトヨタケでいいのだろう。初めて見る種類だ。周囲を丁寧に探したが他には幼菌の1本もなかった。 朽ちた木の上に鮮やかな黄色の小型菌が出ていた。見覚えのない姿にしばらく悩んだが、ヒダをよく見るとアンズタケに似たシワヒダであることがわかった。ヒナアンズタケという名前は浮かんだが、地上生の菌根菌のはずだからこの生え方はおかしい。アンズタケ属には入ると思うのだが種名は分からない。 駐車場より上の斜面ではこれ以上期待できなかったので、下の斜面を歩いてみることにした。そろそろキイロスッポンタケが出ているはずだ。 残念ながら群生を見ることはできなかったが、色の鮮やかな1本だけ撮影できた。何度見ても不思議な色をしている。数ある黄色いきのこの中で、最も純粋な黄色ではないだろうか。不快なニオイも気にならず、しばらく眺めてしまっていた。 かなり歩き疲れて、帰りの渋滞も避けたいので、もうそろそろ引き上げようと車へ向かっていると、道に横たわった倒木から生えている白い塊が目に飛び込んできた。初めて見る直径5センチほどの ※翌17日、「遊々きのこ」のフジタケさんから、同じサンゴハリタケを撮ったとメールをいただき、樹種が針葉樹(ウラジロモミ)だからサンゴハリタケモドキの方だと教えていただいた。初めて見たので疑いを持たなかったが「日本新菌類図鑑」にも別名の「クマガシラ」として記載がある。特徴も符合するので訂正します。ありがとうございます。 もうすでに各地で給水制限が始まっているようだが、決してきのこのためにということではなくタップリの雨が欲しいものだ。 |
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2007年 6月10日(日) 高麗山・地獄沢 神奈川県平塚市 |
昨夜から激しい雷雨になり今朝にはもう雨は止んでいた。出かけようとしたが念のためネットで天気を調べると、なんと雨雲が西から迫ってきている。しばらく様子を見ていると、案の定、強い雨と雷がやってきた。 その雨も昼ごろには止んで日が差してきたので、地獄沢だけ歩いてみることにした。実はもうそろそろ姿を見せるはずの種類が気になったのだ。 地獄沢に入ってそれはすぐに見つかった。一面にヤブミョウガの大きな葉が地面を覆っているので、うかつに歩くとマムシを踏んでしまう危険性がある。傘で払い除けながら進むと、落ち枝に小さな赤いチャワンが見えた。梅雨ごろにピークを迎えるシロキツネノサカズキだ。トゲトゲの白い毛がとてもいい表情を作っているきのこだ。 もう1種、スギの落ち枝に生えている小型菌を見つけたが、まったく名前が分からない。よく見ると子実体とは別に、まるでムチのような長い菌糸をいくつも伸ばしている。橙色で先端が白くなるのは子実体の柄と同じなので、多分同じ種類だと思う。 さらに別の落ち枝にはヌナワタケの幼菌も生えていた。柄に透明の粘液が付いていてゼリー状に見える。カサにもヌメリがあるとハイイロナメアシタケになるが、雨で濡れているだけでカサに粘性はなかった。全体が白い小型菌で、しかも柄のヌメリを写真に撮るのはとても難しいが、なんとか写すことができた。 階段の木の脇に大きなカサが反り返っていた。粗いヒダが真っ白に光って見える。ヒロヒダタケだ。杭を固定している金具が邪魔だが、これは取り除くわけにはいかない。これはこれで面白いシーンだ。 立ち枯れた木の枝に灰色の小さなカサが並んでいた。ヒメムキタケだ。まだカサの直径が1センチ足らずだが、ゼラチン質のカサ表皮が独特の雰囲気を持っていて分かりやすい。 短時間の探索だったが、やはり雨の後は瑞々しさがあっていい表情が撮れる。 |
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2007年 6月 9日(土) 伊豆・一碧湖 静岡県伊東市 |
昨夜の天気予報では関東一円に激しい雷雨があるとのこと。各地の天気マークはほとんど「傘」だったが、伊豆半島にだけ「日・雲」マークが付いていた。となればもう行き先は決まったも同然。 途中で何度も強い雨に降られながら一碧湖に着くと、やはり明るいうす曇りで撮影にはいい状態だった。 歩き始めてすぐにきれいなきのこを見つけた。一見してハラタケ科だと分かるが、ツバの色と根元の鱗片が気になった。ハラタケモドキの名前が浮かんだが、やはり細かな部分で違っている。そして標本撮影の際に、ヒダに強い赤変性があることが分かった。ハラタケ属までしか分からない。 ※2008年1月20日の室内勉強会でハラタケ属ではなくテングタケ属であることが分かった。 広葉樹の落ち枝に円盤型の硬質菌を見つけたが、また名前が分からない。カサにやや厚みがあり裏面は真っ白で、オツネンタケモドキにしては色も肉質も違う。撮影後に管口面をルーペで見たら、微細な孔口がきれいに並んでいる。どうやら 丁寧に探してもほとんどきのこが見つからなかったが、コースの終盤でやっといい姿を発見。ずいぶん密集した生え方のムジナタケだ。柄が細くて弱々しい感じだが、毛に覆われたカサと黒い胞子の付いたツバが特徴的だ。 結局、伊豆半島でも雨はよく降り、ほとんど傘を差しての探索になった。 |
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2007年 6月 3日(日) 新治市民の森 神奈川県横浜市 |
昨日のような最悪の状態ではないとしても、まだ梅雨に入る前の里山公園ではさほどいい被写体は見つからないだろうと思っていた。ところが、「きのこ目」の数が違うこともあって、かなり撮影が楽しくなる種類が見つかった。 立ち枯れた木の根元に黄色いカサがいくつも開いている。ナラタケなのだがずいぶん黄色いカサだ。カサの中央に褐色の鱗片があることや白いツバが見えるので、やはりナラタケそのものでよさそうだ。 毎年すがたを見せるクロノボリリュウタケは、今回ずいぶん数が増えてきた。雨のせいで柄に泥跳ねを被っていて、刷毛で掃除をしても柄に溝があるのでなかなかきれいにならない。丁寧に探すと高さ数ミリの可愛い幼菌も見つけることができた。 昼食を摂る広場でもいくつかの種類が観察されたが、被写体として面白かったのは朽ち果てた木から1本だけ出ていたベニヒダタケだった。鮮やかな黄色のカサにきれいな条線が並んでいる。遠くからも目を引くきのこだが、近づいてよく見た時のハッとする美しさは格別だ。 姿勢を低くして撮影しながらふと目を上げると、数メートル先の草むらにベニタケ科のような感じの灰色のカサが見えた。よく見ると2本並んだハタケシメジだった。普通は塊になって群生するので、あまり「らしく」ない生え方だがスタイルはなかなかいい。 探索も終盤になって写真映えのする種類が見つかった。太い丸太のあちこちから真っ赤なカサが広がっている。ヒイロベニヒダタケだ。カサが開いてピンク色のヒダが見えるのもきれいだが、やはりこのきのこの魅力は真紅の幼菌だろう。肉眼ではほとんど見えないがカサ表面にある細かなシワや、周囲の黄色いラインがとても美しい。 これからしばらくは平地の公園や里山の方が、写真向きのきのこがたくさん出会えそうな気がする。 |
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2007年 6月 2日(土) 大志戸・木の実の里 山梨県甲州市 |
秋の頃は、被写体探しよりついつい「きのこ狩り」になってしまうこの山で、今頃はどんな種類が見られるのだろうか。また、週の後半にたっぷり雨が降ったので、期待して遠征してみた。 結果を先に書くなら「惨敗」。あんなにいろんな種類が見られるポイントで、これほど何もないということがあるのだろうか。 車を停めた駐車場の脇に朽ち果てた切り株があって、それに新鮮なホウロクタケと1本だけのウラベニガサが出ていた。 結局、撮影したのはその2種だけで、丹念に探索したコースでは完璧と言えるほど何もなかった。あえて「プラス思考」するなら、今後この時期の探索候補地からは除外すべきだと分かったことが成果だ。 |
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