今日はどこまで行ったやら・・・


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2008年
5月25日(日)

霧降の滝
平塚市博物館

神奈川県平塚市
 今日は平塚市博物館で「神奈川キノコの会」の総会があるので、早朝の1時間だけ付近の里山を歩いてきた。幸い雨がほとんど止んでいたがきのこはほとんどなくて、イヌセンボンタケだけがいい状態で見つかった。それも泥跳ねで汚れていたのでマシな部分だけ撮影した。
 総会では会の30周年記念として県立「生命の星・地球博物館」学芸員の出川洋介先生の講演があり、菌類全般のとても興味深い内容を聞くことができた。
 終了後、博物館の植え込みの中できれいなイタチタケをみつけた。
 一時は土砂降りの激しい雨も降ったりしたが、久しぶりにきれいな夕焼けも見られた。そろそろ関東の入梅も近いか・・・。
2008年
5月24日(土)

富士山南麓
静岡県富士宮市
 昨日、東京は真夏日になった。そろそろ富士山北麓の樹海を歩きたいと思ったが、ここ10日ほどまとまった雨が降らなかったので保水力の乏しい溶岩樹海では期待できない。そこで2週間前に行った南麓へ向かった。
 大きな切り株にクヌギタケが生えていた。数は多くなかったがとても新鮮で苔をバックに浮き立っていた。
 遠くの倒木の黄色いカサが目に留まった。近づいてよく見るとカサの中央に褐色の鱗片がある。ナラタケの仲間だがこんなにカサが黄色いのはキツブナラタケということになるのだろう。付近をよく探したがこの3本だけしかなかった。
 しばらく歩くと、今度もナラタケのようなきのこがブナの倒木に生えている。しかしカサの中央に鱗片はなく、全体に白っぽい。どうやらこれはカオリツムタケのようだ。後でニオイを確かめると、少し甘ったるいニオイがあった。
※リンクHP「遊々きのこ」のフジタケさんからのメールで、氏も以前に撮影され、「北陸のきのこ図鑑」に仮称「ミヤマフミヅキタケ」で掲載されている種に似ていることが分かった。ニオイだけで強引に同定してしまったが、カサの色や柄の特徴が確かにカオリツムタケではない。
 前回よりさらにコガネヌメリタケの数が増えていたが、すでにカビに包まれてしまっているものが多かった。丁寧に探すといい色の株が一つだけ見つかった。何とかヒダの赤い縁取りを撮ろうと思ったが、まだ幼菌であまりクッキリしていなかった。
 今日唯一の地上生きのこは柄の長いナヨタケ属だった。カサが乾いて白っぽくなっていて柄が細く表面が平滑だから、これはナヨタケそのもので良さそうだ。
 前回ブナの倒木に生えていたミミナミハタケ属のきのこはずいぶん数が増えていた。カサに放射状のシワがあり、柄が著しく繊維状に隆起している。この特徴ならキツネナミハタケという種類にも当てはまりそうだが、北海道だけの記録とある。やはりミミナミハタケでいいのだろうか。※後日、キツネナミハタケと同定された。
 午後は雨の予報だったので霧が出ることも期待したのだが、時おり小雨が降るだけだった。
2008年
5月18日(日)

高麗山・ケヤキの広場
神奈川県平塚市
 とうとう汗とやぶ蚊に悩まされる季節がやって来た。しかし、これからがきのこの顔ぶれが多くなるのだから愚痴は言うまい。高麗山では時おり吹き抜ける涼風がとても心地良かった。
 やはりここでも倒木の周囲にはウラベニガサがたくさん生えていて、ちょうど今がピークなのだろう。カサが湿っている時はやや褐色が強く、乾くと光沢のある灰色になるので一見別種のようだ。
 太いタブノキの倒木にナラタケが群生していたが、どれも傷んだ老菌で写真にならなかった。唯一、大きな空洞の中にいい状態のものがあったが、今度は暗くて撮影ができない。何とかレフ板を使って撮った。
 そのすぐ近くで高さが2センチほどの灰色のきのこを見つけた。落葉から生えているようだったが種名は分からない。多分クヌギタケ属だと思うが自信はない。とてもいい状態で、写真のモデルには好ましいきのこだ。
 ケヤキの広場では小さなベニヒダタケが苔をバックにいい色を見せていた。カサの中央がシワ状になっているのでヒイロベニヒダタケと見分けが難しいが、カサの縁には条線が見える。すぐ横の数本の成菌にはもっとはっきり条線があった。
 探索も終盤になった頃、イヌシデの樹下にヒロハシデチチタケを見つけた。初め枯葉に紛れて擬態しているような幼菌を見つけて、これはうっかり見落とすところだった・・・と思ったら、すでにもっと大きな1本を踏み潰していた。
 新緑の季節を過ぎるといよいよ梅雨に入る。度が過ぎて洪水になったり、全く降らずにカラ梅雨になったりせずに、適度な雨量を期待したい。虫が良すぎるか。
2008年
5月17日(土)

旧武川村周辺
山梨県北杜市
 もう何年も同じ場所へ繰り返し行っていると、そろそろあれが出ている頃か・・・などと、だんだん「御用聞き」のような気分になって探索していることに気付く。そこで今日は知人の案内で、今は北杜市になった旧武川(むかわ)村まで遠征してみた。
 シーズンに向けての下見のつもりだったので期待はしてなかったが、それにしてもほとんどきのこはなかった。何ヵ所か歩いて目に付くのは倒木に生えたウラベニガサだけだった。小型のものがほとんどだったが、しっかりした新鮮な状態だった。
 もう1種はチシオタケだが、これもいい状態は1本だけで群生はなかった。
 面白そうなポイントはいくつかあったので、夏以降にはきっと賑やかになりそうだ。
2008年
5月11日(日)

富士山東麓・南麓
静岡県小山町・富士宮市
 朝、もうほとんど雨は止んでいた。そこで何が狙いという訳でもなかったが、久しぶりに富士山東麓のふじあざみラインへ行ってみたくなった。気温が低くなる予報は分かっていたが、富士山では五合目付近でまた雪が積もったようだ。ポケットに入れたままになっていた手袋が役に立った。
 ふじあざみラインの標高1,200メートル付近は北風が吹き抜けてとても寒く、しばらく歩いてもカメラを向けたくなるものが見当たらない。やっと立ち枯れた木の幹にコガネニカワタケを見つけた。
 ここは諦めて急いで南側へ移動することにした。するとまたも雨が降り始め、森の中は濃い霧に包まれてしまった。写真としてはこの方がいい雰囲気なのだが、それはいい状態のきのこがあってこそだ。やっと、小さなヒメアジロガサモドキを見つけてローアングルで撮ったが・・・。
 倒木の隙間にクヌギタケらしいカサを見つけたが、幅が狭くてカメラが入らない。何とかコンパクトデジカメを押し込んで撮ることができた。
 太い倒木上には先端がオレンジ色になったきのこが生えていた。姿はカノツノタケなのだが、こんな色になることもあるのか。雨が影響しているのかも知れない。
 帰路の高速で20台ほどのフェラーリに次々に追い抜かれた。何ごとかと思ったら富士スピードウェイでギネス挑戦のイベントがあって、490台ものフェラーリが集まったらしい。
2008年
5月10日(土)

高麗山・子供の森
神奈川県平塚市
 いつまでもそう都合よく雨が降ってはくれない。今週は土日ともに雨の予報だ。さらに輪をかけて初夏から冬へ逆戻りになるという。確かに朝から子供の森を歩くと、吐く息が白く手がかじかむ。5月も中旬になってこんな言葉を書くとは思わなかった。
 花のようにきれいに十字型に裂けたカサを見つけた。ウラベニガサだと思ったがよく見るとスギから生えている。それならクロフチシカタケになるので、ヒダの縁取りを確かめた。ところがルーペで覗いても全く縁取りがない。もう1本あった小さい方にも縁取りがない。しかたなく「?」を付けておく。
 次は広葉樹に生えていたが、今度はカサや柄の表面に黒褐色のササクレがある。これはクサミノシカタケだ。採取してみると柄が硬くて特有のクセのあるニオイがある。あまり見かけない珍しいきのこだ。
 ヌルデタケの面白い生え方を見つけた。普通は一個ずつ広く散らばってたくさん並ぶのだが、これは一ヵ所から八方へ広がっている。数えてみるとちょうど8個だった。
 もう1種きれいなウラベニガサ属のきのこを見つけた。カサの表面がビロード状で、中央がオリーブ色を帯びた灰褐色になりわずかにシワがある。周囲は明るい灰褐色ではっきり条線が見える。ビロードベニヒダタケに特徴が合うが、図鑑に画像がないのでよく分からない。
 ウラベニガサくらいしかないだろうと思ったが、意外にもそれ以外のウラベニガサ科3種を見つけた。
 ※前回、地獄沢で見つけたヘラ型不明種は、今日もほとんど同じ状態だったので、さらに観察を継続することにする。
2008年
5月 6日(火・振祝)

高麗山・地獄沢
神奈川県平塚市
 4連休の最終日になってようやく快晴の一日になった。と同時に気温もグンと上がり歩いているだけで汗が出る。そして撮影の宿敵やぶ蚊という余計なものも出る。「連休疲れ」を残しては本業に差し支えるので、今日は地獄沢だけを歩いてきた。
 ぼろぼろに朽ちた材の混じる地面に、鮮やかな黄色いカサが並んでいた。ベニヒダタケだ。ヒダがピンク色になった時のカサの黄色との配色が独特で美しいが、これはまだ小さくてヒダもまだ白かった。
 次も小さなきのこでカサも褐色だったので、名前の分からない苦手なきのこかと思った。しかし何となく見覚えのある姿だ。数年前にここで採取して検鏡してもらったコザラミノシメジだ。大きさに幅があり大型のものは外見もかなり違うが、ヒダの白さは特に印象に残る。
 そろそろサマツモドキが出ているかと期待したが、去年遠目で発見した場所には見えなかった。それでも何となく気になったので傍まで行くと、反対側にきれいなカサを広げていた。やはり目に頼って手を抜いてはいけない。
 今日、山道を登っている時に奇妙なものを見つけた。地面から褐色の塊が出ていて、表面はビロード状のヘラのような形をしている。何かの幼菌かと成長後の姿を想像しても全く分からない。一つ切断してみたが中まで同じビロード状で組織らしきものがない。きのこではなくシダか何かの新芽だろうか。
2008年
5月 5日(月・祝)

富士山南麓
静岡県富士宮市
 里山にきのこの姿が増え始めると、どうしても富士山の様子が気になってくる。今日は天気が不安定らしいので朝早くに出発した。
 いつものコンビニで弁当を買い、いつものように隣の広い公園を一回りする。ほとんどきのこがなかったが、まるで人工のオブジェのような面白い模様のカサを見つけた。乾燥でひび割れたフミヅキタケだった。
 標高1,200メートルは気温10℃、上着を1枚着てちょうどよかった。歩き始めて足元を注視すると、おびただしい数のシロヒナノチャワンタケが生えている。ブナの実から生える小さな子嚢菌で、チャワンの周囲や柄に白い毛が生えている。ブナが豊作だったので熊が満腹なら嬉しいのだが。
 今日いちばんたくさん見られたのはコガネヌメリタケで、あちこちの倒木に群生を見つけた。しかし、なかなかオリーブ色を帯びたような鮮やかなオレンジ色のものが少ない。中には別種かと思うほどの灰色のカサまであった。なんとかいい状態のものを見つけてローアングルで撮った。
 何カットも撮って疲れたので休憩をしていると、次第に雲が厚くなり霧雨が降り始めた。休憩中に目に留まった倒木上のきのこを急いで撮影した。
 明るい褐色のカサで根元から放射状に細いシワが広がり、細かなササクレも見られる。ヒラタケ型でブナの材から生えているが、ヒダの幅が狭くてツチヒラタケにちょっと似ている。ヒダは鋸歯状に波打っているのでイタチナミハタケかと思ったが、カサの表面の基部に全く毛がない。ミミナミハタケ属だと思うが種名は分からない。※後日、キツネナミハタケと同定された。
 雨足は次第に強くなり傘をさして歩くようになったので、そろそろ車に戻ることにした。すると、またいだ倒木の傍に何やら黄色い網目が見えた。雨のせいでニオイを感じなかったが新鮮なキイロスッポンタケだった。雨に煙る森をバックに撮ったが、本種ではちょっとミスマッチか・・・。
 本降りになってしまったので急いで車に向かっていると、かなり遠くから目に飛び込んできたすごいきのこがあった。さほど太くないブナの倒木から巨大なアミヒラタケがいっぱい生えている。最大のものは幅35センチ。こうなると迫力を通り越して滑稽にさえ見えてくる。
 帰路はワイパーも役に立たない土砂降りになったが、それも通り雨ですぐに止んだ。
2008年
5月 4日(日)

新治市民の森公園
神奈川県横浜市
 恒例の定点観察会は明るい曇天で気温は20℃前後という、絶好の観察日和となった。
 観察を始めてすぐに茂みの中でスジオチバタケが見つかった。高さが3センチほどでカサの溝線があまり乱れてないきれいなものだった。少し撮り頃を過ぎていて紫色の溝線がしっかり見えなかったが、それでも他の種類にない独特の表情を持つきのこだ。
 少し離れた場所でイタチタケのきれいな状態を見つけた。カサを開きかけた幼菌の株と開き切った成菌の株があり、どちらもカサの表面に白い鱗片をたくさん付けていた。
 池ぶち広場ではウスベニイタチタケの成菌と幼菌が並んで生えていた。よく群生を見るきのこだが、残念ながらここではこのペアだけだった。カサが乾くと色がかなり薄くなってしまうが、これはまだとても新鮮で濃い紫色が印象的だった。
 ほとんど泥に埋もれた状態の朽ちた木に小さな白いカサを見つけた。慎重に取り出すと数本のヌナワタケが生えていた。真っ白い小さなカサと透明なジェルが層になっている柄を、質感を出して撮影するのがとても難しい。未だにこのきのこの満足な写真が撮れてない。
 一方、ずっと撮りたいと思っていた種類をメンバーが見つけた。もう探索も終盤で駐車場へ向かっている時に、それは積み上げたコナラの材に生えていた。淡い紫色とその独特のスタイルが魅力的なアラゲカワキタケだ。干からびたものは時どき見かけるのだが、新鮮な状態にはなかなか出会えなかった。
 この他にもたくさんの種類が見られるようになり、里山がようやく賑やかになってきた。
2008年
5月 3日(土)

伊豆・一碧湖
静岡県伊東市
 この週末の前にも関東地方にまとまった雨が降った。それで「魔がさした」とでも言うのだろうか、大型連休真っ只中に伊豆半島へ向かってしまった。しかし「ガソリン騒動」の影響か往復ともあまりひどい渋滞に遭わずに済んだ。
 歩き始めてすぐにヒノキの根元に栗色のきのこを見つけた。カサの直径は2〜3センチで中央が色濃く周縁部が白っぽい。柄が細いので気になるがこれはエセオリミキではないだろうか。
 朽ちたコナラの切り株からクヌギタケの仲間が生えていた。雨に濡れて光っていたので思い切りクローズアップで撮った。後でニオイを確かめたがほとんど無臭だったのでアクニオイタケではない。
 太い落ち枝の下側に明るい褐色のカサを見つけた。カサにヌメリがある。なんとエノキタケではないか。冬を代表するきのこがこんな季節に生えることもあるのか。柄の表面にビロード状の密毛があるので間違いない。
 真っ黒い硬質菌を見つけて、気になって管口面を見ると全体に黒から灰色をしていた。これはクロサルノコシカケのようだ。初めて見る種類だ。横幅は15センチ以上もあるずっしりと重いきのこだった。
 もう1種初めて見る種類があった。広葉樹と思われる落ち枝に淡い黄色の透明な粒が生えていた。見たところキクラゲ類か子嚢菌類になると思うが、ルーペで観察すると短い柄を持っているものもある。ミズベノニセズキンタケに近い感じがするので子嚢菌の仲間ではないだろうか。
 明日は定点観察会で仲間が集まるので、今日の不明菌を調べてもらうことにしよう。

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