今日はどこまで行ったやら・・・


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2008年
8月30日(土)

八菅山いこいの森
神奈川県愛川町
 昨夜のうちに富士山東麓へ行っているハズだった。準備をしている時は星空が見えていたが、ちょうど出かけようとする頃はげしい雷雨になり出鼻をくじかれた。未明には富士山でも豪雨になったようで、強行していれば眠れなかったに違いないと、やや負け惜しみ気味に納得。
 1週間前、きのこ一家のUさんに八菅山のハイカグラテングタケの情報をいただいた。そう何日も待ってくれる訳がないと思いながら、また生えているかもという淡い期待で行ってみた。
 雨に打たれて傷んでいるきのこがほとんどだったが、今日はあちこちできれいなハリガネオチバタケが群生していた。このスタイルならどんな豪雨でもきっと平気なのだろう。
 もう1種たくさん見かけたのは、まるでアンパンが落ちているような感じのノウタケで、幼菌からただいま噴火中という老菌まであった。
 ハラタケ属の大きなカサが目に留まるのだが、成菌はどれも傷んでいた。ザラエノハラタケがちょうどカサを開きかけているいい瞬間を見つけた。ローアングルで撮ると、まだほとんど色づいてないヒダが見えた。
 ドクツルタケの仲間もたくさん出始めたが、ちょっと雰囲気の違うカサを見つけてよく見るとコトヒラシロテングタケだった。カブラ状に膨らんだツボに同心円の環がくっきり見えていた。
 早めに切り上げて高麗山のハイカグラテングタケの場所もチェックしようと戻ったら、また強い雨が降り始めた。思わず天を見上げて「雨はもういいよ」と愚痴が出た。
 ※明日から3日間、遅めの夏休みを取って遠征を計画しているので次の更新は9月2日(火)以降になります。なお、このため8月31日は9月の初日に入る予定です。
2008年
8月24日(日)

高麗山・地獄沢
神奈川県平塚市
 日本が亜熱帯気候になった象徴とも言うべき「ゲリラ雷雨」が今年も頻発しているが、短時間に集中的に豪雨があってもあまりきのこの発生を促さないようだ。大量の雨水は地表を川のように流れ去り、地中に生きる菌糸たちにとって慈雨とはならないのだろう。
 今にも降りだしそうな空をうかがいながら地獄沢へ向かったが、地獄の入り口に着いた頃にはその「今にも」通り雨が降り始めた。せっかくだからと傘を差して歩いてはみたが、予想通りまったくきのこの姿が見えない。
 草の間からわずかに見えた白いものを拾い上げると、枯葉に生えた小さなきのこだった。よく見ると柄に白い粉状の鱗片が見える。シロコナカブリは針葉樹に多いから別種かも知れないが、ごく近いことは間違いないだろう。
 階段を登っていると白い粉の塊が目に留まった。ツクツクボウシタケがよく出る場所だったが、ハナサナギタケにも似ているので掘り出してみた。
 この内容では更新はできないな・・・と、車に戻りかけると、朽ちた木から1本だけきのこが生えていた。よく見るとカサの表面に白っぽい斑点が見える。これはヒョウモンウラベニガサだ。やや珍しい種類なので記録することにした。
 という訳で本日見かけた全3種をアップすることとなった。昨日からの雨はかなり長雨になりそうだから、その後の「きのこ爆発」に期待が持てそうだ。
2008年
8月17日(日)

高麗山・霧降の滝
神奈川県平塚市
 神奈川県はこのところ雨に恵まれてない。そこで今日は雨でも晴れでも探索を止めようと思っていた。ところが曇りで気温25度・・・これなら空振り覚悟で歩いても汗は出ない。2時間だけのつもりで高麗山へ行った。
 やはり地面はカラカラに乾いているが、わずかに湿り気のある所にヒトヨタケの仲間が散生している。カサの中央に褐色の鱗片があるのでヒダヒトヨタケモドキでいいのだろう。
 斜面に白い粒がたくさん付いていた。良く見ると中が黄色い漏斗型になっている。前にも見かけたエツキヒメサカズキタケだ。何とか絵になる写真を撮ろうと探すのだが、小さくてなかなかいい形がない。ま、こういう姿のきのこだから仕方がないのか。
 2時間経ってもまだ暑くならないので、次は沢沿いを歩いてみようと霧降の滝へ向かった。空気中の湿度が違えばそれなりにきのこの状態も違うだろう。
 すぐに小型のキヒダタケが見つかった。カサが反り返ったのや平らなものがあったが、どれも新鮮でヒダの黄色が鮮やかだった。
 沢沿いの腐朽の進んだ埋もれ木から黄色いカサのきのこが2本生えていた。第一印象は「オリーブサカズキタケではないぞ!」と思ったが、いろいろ調べてみた結果、やはりオリーブサカズキタケが最も近い。「?」を付けてちょっと期待を残しておくことにする。
 階段に生えたジャゴケの間から、これまたサカズキ型の黄色いきのこが生えていた。カサの直径が1センチほどの小さなものだがとても新鮮な状態だ。クローズアップで撮ってモニターで拡大すると、どうやらヒダではなくシワ状になっている。ヒナアンズタケだった。シワヒダの間に脈連絡がないこと、杏のような果実臭がないことでアンズタケと区別できる。
 1本だけ黄色いアセタケが生えていた。カサの表面は繊維が放射状に裂けていて、柄にも同色のササクレがある。黄色いアセタケは種類が多くないのだが、図鑑では絵合わせできなかった。
 そろそろ気温も上がり始めたので引き上げようとした時、最後にいい被写体が見つかった。高さが4センチと小型だが、とてもいい状態のイボコガネテングタケだ。まれな種類なのでしっかり特徴を記録しておいた。
 「空振り」どころかかなり面白い内容だった。そして不思議なことにほとんどが黄色いきのこだった。黄色が乾燥に強いという何か特性でもあるのだろうか。
2008年
8月16日(土)

富士山南麓
静岡県富士宮市
 昨日の夕方、四国沖の熱帯低気圧が台風になって東へ進む・・・などという物騒な予報が出たので、夜からの富士山行きは中止しようと思った。ところが夜になっても月が煌々と輝き、雲の動きも極めて穏やかだった。やはり行くことに決めた。
 激しい雨音で起こされるかと思っていたら、嬉しいことにウグイスの声で目覚めた。好天で風もなくとても清々しい。
 歩き始めていきなり、赤紫の大きなカサが目に飛び込んできた。サマツモドキだ。今日はあちこちで新鮮な群生を見かけた。カサの直径は時に20センチを超えることもあり、根際に群生する様子は迫力がある。
 今日たくさん見かけたもう1種はコガネヤマドリだった。発生の期間が長いようで晩秋まで見かけるきのこだ。どっしりしたスタイルはカメラ向きで、並んで生えていることも多いからいい被写体になってくれる。
 もうちょっとで見落とすところだったが、枯葉にまみれてウスイロカラチチタケが生えていた。乾いているとまだらになった微粉状のカサだが、濡れると強いヌメリが出る。傷ついた部分が赤くなっているのも特徴で、乳は白くやや辛味がある。
 撮影しながらふと横を見ると、枯葉から生えている小さな赤いきのこが目に留まった。高さ2センチという極小菌だが、カサも柄も真っ赤でとてもきれいだ。多分ホウライタケ属の仲間だろう。ヒダはやや白っぽくて真っ赤な縁取りがある。
 ブナの倒木に黄色っぽいモエギタケ科のきのこが生えていた。今までに何度か見ているが種名がよく分からない。モエギタケの近縁種でチャモエギタケというのに似ているが、「チャ」というより「キ」モエギタケと呼びたい色をしている。
 樹皮の剥がれ落ちた立ち枯れに見慣れないきのこが生えていた。やや湿り気のある微粉状で黄色っぽいまだら模様がある。裏を覗き込んだら独特のヒダが見えてすぐに分かった。サケバタケだ。木の下側に背着することが多いので、こういう生え方だとピンと来ないものだ。
 ちょうど1年前、すばらしいハナガサタケが並んでいた同じ倒木に、今年も幼菌が生えていたが、数も少なく柄の長いスタイルだった。それでもこの華やかなササクレはとてもきれいだ。
 台風11号は明日にも温帯低気圧になりそうだが、幸い今日の行程にはほとんど影響がなかった。
2008年
8月10日(日)

高麗山・地獄沢ほか
神奈川県平塚市
 今日は幸運なことに曇り空で、気温もかなり低めだった。しかし、まとまった雨が降ってないので高麗山はどこもカラカラだった。こういう時に頼れるのが地獄沢だが、今回はあまりいい結果ではなかった。
 散策路の脇にきれいなチギレハツタケが2本並んでいた。ヒダは真っ白で柄が根元に向かって細くなっている。柄にかすかな色を持つのも本種の特徴だ。ずっと前から疑問だった図鑑の表記にある「白い歯」の意味がやっと分かった。
 きのこが少ない時にやたら目に付くのが落ち枝に生えたツヤウチワタケだが、今日はちょっと見過ごせない生え方を見つけた。ほんの10センチほどの短い枝にバランスよく並んで生えていて状態もとても良かった。
 毎年、堰堤の上で見かけるニクアツベニサラタケの白色タイプが、今年も真っ白な姿で生えていた。ゴミを取り除くときにちょっと触れると、ゆっくりと白い胞子を噴き上げた。隣にあるものもそれに誘発されたのか、続いてゆっくり胞子を飛ばした。両方で5秒間以上も白いもやがかかった。
 まだ時間も早く暑くならないようなので、ダメモトで子供の森公園も歩くことにした。
 しばらく何も見つからなかったが、遠くに明るい褐色の大きなカサを見つけた。直径7〜10センチのカサが何段にも重なっている。こういう生え方はカイメンタケだろうと思ったが、裏を覗き込むと一面針のようなものが垂れ下がっている。イボタケ科の初めて見る種類かと期待したが、標本撮影をしてみると針ではなく管口が柄に沿って長く伸びていることが分かった。やはりカイメンタケのようだ。
 もう引き上げようと歩いていると、さっき通ったはずの斜面にキヒダタケが生えていた。本種らしいカサの反り返り方だったので、魚眼でローアングルに撮ってみた。
 きのこはとても少なかったがまずまずのシーンは撮れたので、やはりこれからも「高麗山詣」を続けることにする。
2008年
8月 9日(土)

伊豆・一碧湖
静岡県伊東市
 この暑い中、南国伊豆へ向かうのは気が進まなかったのだが、やはり「降雨情報」をチェックすると一昨日の昼に伊東市で強い雨が降っていたので期待した。
 ところが着いて歩き始めてみると地面はほとんどカラカラに乾いている。木陰では湿っている所もあるが、短時間の雨量では1日の晴天で乾いてしまうようだ。
 やっと見つけたのは小振りのボタンイボタケだ。裏面のオレンジ色がはっきりしなかったので初めて見るイボタケかと喜んだが、図鑑で確認するとやはりボタンイボタケになるようだ。
 カサを開き切ったところのツルタケが立っていた。これはきっと一昨日の雨で生えたに違いない。
 早々に一碧湖を諦めて天城高原の付近まで足を伸ばしてみたが、どこも乾き切っていてきのこの気配もない。ずいぶん歩いた割に成果の少ない日だった。
2008年
8月 3日(日)

新治市民の森公園
神奈川県横浜市
 恐れていた「猛暑の里山で乾いた地面を探す」ことが現実になった。なるべく木陰でなおかつ小川沿いのコースを選んで歩いたが、ほとんど気休め程度にしかならなかった。それでもいい状態のきのこが見つかると、ひとしきり撮影会が始まる。
 乾いた枯葉の間から、この公園では初の観察となるボタンイボタケが出ていた。まるでカビに侵されたような外見だがこれでとても新鮮な状態で、裏面には小さな粒がビッシリ並び周縁部が鮮やかなオレンジ色になる。
 散策路の脇材から小さなきのこが2つカサを並べていた。高さは1〜1.5センチで、小さい方のカサは中心部から乾き始めていた。ローアングルでいい雰囲気には撮れたが種名は分からない
 地面から生えるとてもいい状態のきのこを見つけた。カサは明るい褐色で中央から細かなシワが広がり、柄の上部にはココア色の胞子をタップリ載せたツバがある。どうやらヤナギマツタケのようで、付近の木の根から生えているのだろう。
 小さなイタチタケがいくつか見つかったが、その中にとても写真向きなスタイルのものがあった。落ち枝から生えている2本がとてもバランス良く、表情のある写真を撮ることができた。
 とても形のいいアケボノオシロイタケが針葉樹の倒木から生えていた。横に長く棚状に生えることが多いが、この付近のものはすべて単独で半円形のカサを広げていた。
 全くきのこがないことも覚悟していたが適度に被写体もあり、猛暑と乾燥の割には楽しい観察会だった。
2008年
8月 2日(土)

富士山北麓
山梨県富士河口湖町
 梅雨が明けると大きな高気圧が日本列島を覆い、毎日うだるような暑さが続く。地面はカラカラに干上がっているからきのこが生えるとは思えない。しかし、極めて局地的ではあってもあちこちで夕立はあるようで、ネットで「降雨履歴」を調べてみると31日(木)の午後と1日(金)の未明に富士山でまとまった雨が降ったらしい。
 そんな情報に期待して富士山の北麓を歩いてみると、確かに地面はかなり潤っていた。そして幸先よく、ちょっと珍しい種類のルリハツタケを見つけた。カサの色はあまり鮮やかではないがヌメリのある新鮮なものだった。ヒダの方は濃いブルーで、傷つけると青インクのような乳をにじませる。
 去年と同じ場所に大きなチチタケが生えていた。ほとんどカサを開き切って虫食い状態のものが多かったが、幼菌も見つけてローアングルで撮った。
 今日いちばんよく見かけたのはコガネヤマドリだった。と言うより「狩り」の対象外なのだろう。図鑑で食毒を書いてないことが多いのと、無毒なのだがあまり美味しいというウワサも聞かないせいか。大きさや色、さらにスタイルもかなり変化の幅が大きい種類だが、柄の上部にある網目が決め手になる。
 ウラジロモミの植林地で小さなきのこを見つけた。今までなかなかいい状態の写真が撮れなかったコナカラカサタケモドキだ。カサや柄に湿り気のある粉を被っていて、わずかに触れるだけでも指に付いてしまう。
 倒木の下側に見慣れない大きなカサが並んでいた。黄色いカサに黒っぽい粒点が放射状に付いている。ヒラタケ型かそれとも背着しているのかと覗き込んでみると、なんとしっかりした柄が伸びていた。となるとこの独特の色合いはキサマツモドキでよさそうだ。
 苔むした落ち枝から赤いホウキタケ型のきのこが生えていた。この仲間は専門家でも同定困難とされているから、外見だけのしかもこんな幼菌の状態では名前が分からない。ダメモトで図鑑を開いたが似たものさえ見当たらなかった。
 最後にとても分かりやすい種類を見つけた。似たスタイルの種類はいくつかあるが、内側がこんなに赤いのはウスタケだ。
 きのこは多くなかったがそれでも猛暑の里山で乾いた地面を探すことを思えば、汗が流れることもない快適な探索が楽しめた。
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