今日はどこまで行ったやら・・・ |
2008年 10月 |
2008 | 2007年へ | 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 | 2009年へ |
2008年 10月26日(日) 富士山南麓 静岡県富士宮市 |
昨日は仕事だったので終わってから夜出発で富士山へ入った。夜中に富士山を走るとよくシカを見かけるが、昨夜はシカの他にタヌキ2匹、イタチ1匹、そしてヘッドライトを浴びて白い四角いものが車の上をかすめたが、あれはムササビだったに違いない。クマ以外ならいろんな動物に出会うのは楽しい。 早朝、1600m付近を探し始めたがほとんどきのこが見つからないので、急いで西臼塚まで下りた。 気を取り直して歩き始めるとすぐにムキタケが見つかった。ブナの倒木に生えた小型のカサだが、ローアングルで撮ると密に並ぶヒダと太短い柄が見える。 しばらく歩くと大粒の雨が降り出した。そして間もなく風が強くなり、嵐のような横殴りの雨になってしまった。急いで車に避難して様子を見ていると、すぐに雨が止んだかと思うと陽が差し始めた。青空も広がったので撮影続行。 緑色のカサが雨を受けて光っていた。2本並んだきれいなモエギタケだった。雨の前ならこれを見つけることはできなかったかも知れない。 朽ちた倒木にサーモンピンク色の小さなカサが見えた。よく見ると表面にトゲ状の毛が生えている。シワタケの幼菌だ。裏側の面は管孔からシワ状まで変化があるが、幼菌の時はしっかり管孔を作っていることが多いようだ。 大きなブナの樹下にはウスキブナノミタケがたくさん生えているが、なにしろ小さくてまばらに生えているから絵にならない。何とか数本がまとまっているのを見つけて撮った。長い柄が絡まっているようで面白い。 背の低いアセタケの仲間が2本並んでいい表情だった。例によって地面を掘ってローアングル撮影。強い雨のせいで泥跳ねを付けていたので刷毛で落としたが、きのこが小さいのでうまく取り切れなかった。 気候が不順なせいか紅葉の進み方がちぐはぐな感じがする。カラマツは黄色くなる前に散り始めていた。 |
|
2008年 10月19日(日) 高麗山・地獄沢 神奈川県平塚市 |
ほとんどの場合、探索場所の選択は直前の直感を頼りに決定するが、どこへ行ってもきのこがないような気がする時がある。今回もそれに近かった。そうなれば「地獄に落ちて」極小菌でも撮るか・・・となる。 案の定、地面はほとんど乾き切っている。しばらく歩いてやっと、朽ちた枝から生える1本の幼菌を見つけた。高さ2.5センチのハイイロイタチタケだった。カサを開く前に干からびている。 ずいぶん前にツチスギタケを見つけたポイントを丁寧に探すと、わずかながら小さなカサを広げていた。カサの直径が1.5センチほどしかないが、ササクレの様子やカサの鱗片が白いのでツチスギタケ間違いないようだ。 少し山へ登ってみると落葉の間にクサウラベニタケが点在している。3本まとまっているのを見つけて撮っていたら、なんとすぐ横のボロボロ状態の1本が動いている。どんな虫が犯人なのかと興味津々で撮影。 同じ斜面一帯にはウラベニホテイシメジも入り混じって生えていた。中にはほとんど見分けがつかないのもあり、最も中毒事故が多いとされるこの2種の「名人泣かせ」ぶりに納得。 スギだと思われる大きな間伐材が積まれている場所があり、今回もかなり朽ちた材から小さなサマツモドキが生えていた。カサの鱗片の大きさから何度も疑問を持つのだが、図鑑で検索する限りでは発生場所から考えて本種に行き着く。 すぐ傍の間伐材の隙間には大きなハラタケ属のきのこが大発生をしていた。恐らくハラタケモドキだろうと思うが、この仲間には図鑑にない種類が多くて難しい。最もきれいな状態の成菌と幼菌がちょうど太い木の真下に生えていたので、頼まれもしない引越しの手伝いをしてローアングルで撮影した。ヒダの色がちょうどココア色になりかけの大きなカサだった。 とうとう10月も下旬に入る。まもなくクリスマスだ年末だと騒がしくなる。何という月日の速さか。 |
|
2008年 10月18日(土) 富士五湖周辺 山梨県富士河口湖町 |
今週はあいにく(?)秋晴れの日が続いた。朝夕は肌寒さを感じるようになってきたので、きっときのこの顔ぶれも変わったに違いない。何か目新しいものに期待して富士五湖周辺を探索してきた。 アカマツの多い林ではまだヌメリイグチが出ていた。梅雨明けの頃から晩秋までずいぶん発生時期の長いきのこのようだ。 散策路のすぐ脇に見慣れない白いきのこが立っていた。カサの直径7センチあまりある大きなきのこで柄も白くて太い。カサの中央が盛り上がりわずかに赤みを帯びている。ヒダが粗く垂生しているので、どうやらアケボノサクラシメジのようだ。初めて見るきのこなので付近を探してみたが、この1本だけしかなかった。 コナラの倒木や落ち枝からたくさんのアカチシオタケが生えていたが、やや老菌が多くなんとか新鮮なものを探して撮った。柄の色がとても鮮やかで目を引くきのこだ。 さらに進むと斜面の上の倒木に何やらきれいな群生を見つけた。登っていくととても新鮮なヌメリスギタケだった。付近の倒木にもたくさん生えていたがすでに老菌だった。カサや柄に細かな鱗片が並び、カサの表面と柄の鱗片にヌメリがある。 そこからさらに高度を上げていくと、どうしたことかパッタリときのこの姿が消えてしまった。丁寧に探しながら登っていくのだが、みごとなほどに何一つ見つからない。 仕方なく諦めて車に戻り帰り支度をしていると、車のすぐ傍の枯れ木の根際に群生するきのこがあった。クリタケだろうと思ったがよく見るとカサ表面に綿毛がなく、カサの中央が高くなっている。センボンイチメガサだった。 富士五湖周辺はまだ紅葉が始まったばかりで緑の葉が多かった。 |
|
2008年 10月13日(月・祝) 茅ヶ崎、自然生態園 神奈川県横浜市都筑区 |
恒例となった「茅ヶ崎公園、自然生態園」での「親子きのこ観察会」に今年もきのこサポーターとして参加した。 穏やかな天気に恵まれて、30数名の参加者は2班に別れて探索開始。きのこの発生があまり多くなかったのが残念だったが、それでも子供たちは元気いっぱいで探していた。「これもきのこ?」と驚いていたヒメツチグリの仲間なども、黒い胞子を噴き出す様子に興味津々のようだった。 サポート役なので写真は撮らなかったが、開始前にちょっと珍しいシーンを見つけた。ほとんど背着からわずかな棚状のカサしか作らないことが多いカミウロコタケが、きれいな半円形のカサを作っていた。黄褐色の明瞭な環紋になることを初めて知った。 |
|
2008年 10月12日(日) 高麗山・大堂 神奈川県平塚市 |
高麗山を歩くのがずいぶん久しぶりのような気がする。この時季に1ヵ月も空けるのは今までなかっただろうと思う。 はやり気になるのはルリハツタケで、まずそのコースから歩き始める。すぐに目に留まったのは真っ白いきのこで、平開したカサは直径7センチで中央が窪んでいる。柄が中空で縦に走る繊維紋がある。キシメジ科だと思うが属は分からない。 倒木にワタゲナラタケが生えていた。今日はこの後あちこちでワタゲナラタケを見かけた。高麗山全体にこれだけ菌糸が広がっていることに改めて驚いた。 ポイント付近では「きのこ目」をルリハツモードに切り替える。なにしろきのこらしからぬ色なので、意識して注視する必要がある。そしてやはり、枯葉に埋もれた青いカサを見つけた。直径約9センチのとても新鮮な状態だ。 撮影しながらこの美しいブルーをどう形容しようかと考え、ふと「高麗山の宝石」と呼ぶに相応しいと思った。 そしてなんと、ラピスラズリの次はルビーのようなきのこを見つけた。不思議な模様をした 定点観察をしている横浜の新治市民の森で仮称種となっている、コゲチャイトキツネノカラカサと同種だと思うきのこが生えていた。カサの表面が大きくひび割れて、周縁部ではやや赤みを帯びている。これほど離れた場所で生えるということは、種として確立していると言えるのだろう。 朽ちた倒木や枯れ枝を積み上げた所に、赤褐色のきのこが生えていた。カサの直径は5〜6センチで、表面は平滑、目立った特長がない。ヒダは極めて密で白く、周縁部で少し角度のある様子にピンと来た。これは 今週は適度に雨が降ったため、里山がなかなか賑やかだ。 |
|
2008年 10月11日(土) 甲斐大和 山梨県甲州市 |
リンクHP「ちょっと道草〜きのこ道」のUさん夫妻と一緒に、甲斐大和付近の山を歩いてきた。1ヵ月ぶりなので季節も移り、いい被写体きのこに期待した。 ところがこの付近は雨が少なかったのか、それとも季節の端境期に当たったのか、小型のきのこはたくさんあるものの目を引くような種類は少なかった。 最初に歩いたコースでは終盤でやっと大きなホウキタケの仲間が見つかった。単純にキホウキタケとしていいものかよく分からないが、幅が10センチ以上もある新鮮なものだった。他にも小さいながら赤いタイプのホウキタケの仲間もあった。 とてもいい状態のテングタケ科のきのこがあった。各部の特徴を見るとコタマゴテングタケだが、今まで見たものより遥かに大きい。カサの直径は7センチほどで、別の場所で採取されたものは高さが17センチほどあった。小さなものは高さ5センチほどなので同種と思えない開きがある。 別のコースでも目玉になるきのこが何にも撮れないまま車に向かっていたが、ちょっと気になって散策路から外れたところで突然ムレオオフウセンタケの大きな幼菌を見つけた。付近には幼菌から成菌までまさに「ムレ」の名に相応しい群生が見られた。 疲れて口数も少なくなっていた3人は、俄然元気を取り戻し舌も滑らかになった。まさしく「終わり良ければすべて良し」と、帰路についた。 |
|
2008年 10月 5日(日) 新治市民の森 神奈川県横浜市 |
今回の定点観察会は他のイベントと日が重なった関係で参加者が少なかったが、知人の若き I 嬢が初参加して賑やかな探索になった。 駐車場に車を停めて身支度をしている間にも、きのこ発見の声が聞こえる。なんと車を停めたすぐ傍にオニタケが群生していた。ちょうどカサを開いたばかりの新鮮なもので、薄い繊維膜のツバがカサから離れていなかった。 初参加の I 嬢が何か見つけた。行ってみるとたくさんのエリマキツチグリが、幼菌から開いたものまで密生していた。付近の草を取り除くと次々に群生が見つかった。完全に開くまでは特徴のエリマキができないことがよく分かるシーンだった。 いつもの坂道にハタケシメジがいくつも生えていた。まだカサを開き切ってない、ちょうど食べ頃という株がいくつもあった。この頃のカサの表面はまるで傷んでいるような汚れた灰色で、知らなければとても食欲の湧く姿ではないだろう。 今日はメンバーのW女史が、近くの「四季の森公園」で一般者対象のきのこ観察会を受け持っていて、広報効果が効き過ぎて参加者が多いため午後は全員で応援に駆けつける予定にしていた。 昼食が少し遅くなったので観察を切り上げて駐車場へ向かうと、Uさんが「エノキタケ発見」と言う。まだ少し汗ばむような季節なのに、何かの早とちり(失礼)ではないかと思ったが、近づいてよく見ると間違いなくエノキタケだ。すぐ上には独特の幼菌もいくつか並んでいる。「冬きのこ」と決め付けてはいけない。 急いでいる時に限って見過ごせないきのこを見つけてしまう。土の斜面に見慣れないカサが数個重なっている。直径は2〜3センチで表面に放射状の褐色の鱗片があり、ヒダは黄色くて暗褐色の胞子が出ている。モエギタケ科スギタケ属の仲間だと思うが種名は分からない。 「四季の森公園」では100人を超える参加者になっていたので、手分けして同定作業をした。幸か不幸かこちらはきのこがやや少なかったが、それでも参加者の皆さんは種類の多さに驚いていた様子だった。 |
|
2008年 10月 4日(土) 神武寺 神奈川県横須賀市 (神奈川キノコの会) |
「横須賀市自然博物館」主催の神武寺自然観察会がこの時期に毎年行なわれ、きのこ観察のアシストをする意味も含めて「神奈川キノコの会」が合同で観察会を行なう。3年ぶりに参加したが、その3年前に見た2種の「珍菌」のいい写真を撮りたいと、Uさん夫妻と現地に詳しいYさんを誘って、一足早く撮影に入った。残念ながらフタイロシメジもトキイロツルタケも見つからず、後の鑑定会にも姿はなかった。 歩き始めて間もなく枯葉に埋もれた黄色いカサが見つかったが、大きく波打つカサと黄褐色の環紋、柄にはあばたが広がる姿はキカラハツタケだ。しかし本種は高い山の針葉樹林に出るきのこで、こんな里山の広葉樹林に生えることもあるのだろうか。 ※城川先生から本種は「キカラハツモドキ」であるとのご指摘をいただきました。ありがとうございました。 きれいなコタマゴテングタケをいくつか見つけて撮っていたが、撮りながらどうもカサの色が気になった。もっとカサが白くてカサに付くツボの破片が黄色いはずだ。かと言ってクロコタマゴテングタケほどカサが黒くない。やはり鑑定会ではテングタケ属までしか同定されなかった。 さらに、フウセンタケ科の幼菌も名前が分からなかった。柄が太くて紫色のコロンとしたカサはまるでムレオオフウセンタケのようだが、高さは2センチあまりしかなくてカサにヌメリもない。 探索も終盤になってようやく名前のはっきり分かるきのこが見つかった。褐色のカサは枯葉に紛れて見つけづらいが、ヒダはとてもきれいな紫色をしている。ウラムラサキシメジだ。いつも生えている状態のままでヒダの紫を撮ろうと試みるが、なかなか暗い森の中では難しい。 最後に鑑定場所のすぐ手前で、テングタケのきれいな幼菌を見つけた。もう何度も同じ状態を撮っているが、どうしてもカメラを向けたくなる魅力がある。 鑑定会ではベニタケ科とテングタケ科が多く、まだ秋になり切らない「晩夏」という様子だった。 |
|